はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

10円玉

2012-02-14 17:11:34 | はがき随筆
 レジで前列の計算ができた。端数の10円が足りない。親子連れは、それぞれの財布とバッグを必死に探される。「1品を返品されますか」とレジの店員。「山奥から来ています。何とかなりませんか」と親子連れ。見かねた私は10円を二人に差し出した。二人は腰を二つに折って深々とお礼を述べられた。
 翌朝の玄関前に季節の野菜が山と積まれていた。そのてっぺんに封書がのっている。「車種と色と車の傷を母と祖母から聞き、あなたとピンと来ました。母が受けた恩は恩ですが、碁に温情はないですよ。10円玉より」。人の縁とは不思議だな。
  出水市 道田道範 2012/2/14 毎日新聞鹿児島版掲載
ジャンル:
ウェブログ
コメント (0) |  この記事についてブログを書く
Messenger この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック シェア
« 誰も来ない庭で… | トップ | 早春の干拓地 »

コメント

コメントはありません。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。
下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで自動化されたプログラムによる投稿でないことを確認させていただいております。
数字4桁

トラックバック

現在、トラックバックを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。

あわせて読む