物語エトセトラ

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ゆうきのサバイバル日記(37)

2007-07-22 | Weblog
        
  
  母親が、降りしきる雪の中を帰ってきた。
  時刻は、午前1時。
  俺の顔を見るなり、
  「わあ、ゆうちゃん!起きて待っててくれてたの?!
   でも、悪いけどお土産はないわよ」
  ってさ、信じられないセリフ!!
  バッカじゃないの?
  俺は高校生だぜ。しかも普通科だぞ!
  勉強ってもんがあるんだぜ。予習・復習は常識!だろうが。
  土産なんか、日ごろのケチケチぶりを見てるから、初めから期待してないって

  おもむろに居間に現れたアニキに
  「少し狭いだろうけど、安くていいところ押さえてきたから」
  「床は?フロアー?」
  「残念ながら畳。1年くらいで変わるんだから我慢してね」
  「ウン、まあいいけど」
  「これで発表までお母さんができることは何もないわ!
   あとは、いい知らせを待つだけ!」
  「そうだけどさ・・・。
   それよりお母さん、迷子にならずに済んだ?」
  「あったりまえよ!失礼な!あんた達とは違うわよ」
  「え!??それって俺も入るのか?
   この家では、お母さんと勇気だけだろう?方向音痴は」
  「ああ?なんで俺だ?
   俺はお母さんみたいに方向音痴じゃないぞ。
   だいたい方向音痴だったら、N校まで自転車で行けるわけないだろが」
  「お前の学校までなら、ほとんど一本道だろうが?
   大通りへ出てからは何回曲がる?
   1、2・・・・。3回しか曲がらないんだぞ!
   それで行けなかったら、バカだ!」
  「ハイハイ、それくらいにして。
   勇ちゃんは明日も朝練あるんでしょ?
   いい加減に寝なさいよ」
  そう言って、母親は台所へ行って米を研ぎ始めた。
  時計を見ると、もう1時半を過ぎている。
  アニキとくだらない会話をするほど俺は暇じゃないから、さっさと寝ることに
 した。

  その日の夕食。
  大阪での話を聞いて、家族全員あきれたね!
  母親は、合計11件のアパートを見て回ったという。 
  その数も驚きだが、ようやく決めたアパートの仮契約をすろのに、不動産屋で
 書類を書いている最中に、最終の列車の時間が迫ってきたという。
  「だって、次から次と書類を出してくるのよ。
   最初に見た書類だけなら、十分に時間はあると思ったのに。
   最終の列車で帰ると言ったら、向こうの人が驚いちゃって・・・
   ”奥さん、今日はこっちに泊まるんじゃないんですかあ??”だって。
   これから梅田まで電車で行っても間に合わないからって、新大阪まで車で送
  ってあげますって・・・・。
   本当に親切だし、良心的な不動産屋さんだったわ」
 
  「いや、ホントにお母さんじゃなければできないことだね。
   よかった、よかった」
  って、父親は言うけどさ、ちゃんと泊まってくるように言うか、もう少し予算
  を増やすとかしろよ!と俺は言いたいね。
  山ほど来た、コピーを父親だって見てたんだからさ。
  
  それにしても、俺は実力の問題は別にしても、恥ずかしくって大阪の大学は
 行きたくない!と思ったね。
  アニキは後期試験は、K大(地元じゃないとこ)を受けるらしいが、そこら近
 辺もパスだな。
  あまりにも恥ずかしい話で、友達にも言えやしないっていうの!!
  せめて、常識ってやつをわきまえて欲しいもんだぜ。
  親に苦労させられる子供の立場って、分かる奴にはわかるんだけどなあ・・・ 
ジャンル:
小説
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