読んだ文庫をつらつらと…

備忘録として、6(5+1)段階評価で

骨肉

2009年08月31日 | ★★★☆☆☆(満足)
明野照葉(中公文庫)

ある日、稲本家の三姉妹に父親から「実家に来い」と招集がかかった。すでに大人として、別々の人生を送っている娘たち。困惑しつつも、実家に集合した彼女たちを待っていたのは父と四女だった!突然の隠し子登場に、唖然とする三姉妹だが…。家族関係の異変をユーモラスに描いた傑作。

一瞬の風になれ

2009年08月17日 | ★★★★☆☆(お勧め)
佐藤多佳子(講談社文庫)
第4回本屋大賞、第28回吉川英治文学新人賞受賞作

第一部 イチニツイテ
春野台高校陸上部、1年、神谷新二。スポーツ・テストで感じたあの疾走感……ただ、走りたい。天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。すげえ走りを俺にもいつか。デビュー戦はもうすぐだ。「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。青春陸上小説、第1部、スタート!
第二部 ヨウイ
オフ・シーズン。強豪校・鷲谷との合宿が始まる。この合宿が終われば、2年生になる。新入生も入ってくる。そして、新しいチームで、新しいヨンケイを走る!「努力の分だけ結果が出るわけじゃない。だけど何もしなかったらまったく結果は出ない」。まずは南関東へ――。新二と連の第2シーズンが始まる。
第三部 ドン
いよいよ始まる。最後の学年、最後の戦いが。100m、県2位の連と4位の俺。「問題児」でもある新入生も加わった。部長として、短距離走者として、春高初の400mリレーでのインターハイ出場を目指す。「1本、1本、走るだけだ。全力で」。最高の走りで、最高のバトンをしよう――。白熱の完結編。

金春屋ゴメス 異人村阿片奇譚

2009年08月10日 | ★★★☆☆☆(満足)
西條奈加(新潮文庫)

「江戸国」一番の名奉行ゴメス、麻薬捜査に挑む。スリル満点! 超ド迫力の近未来捕物帖。「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞第二作!
ときは近未来、ところは日本領土内、鎖国状態の「江戸国」。上質の阿片が海外に出回り、江戸国は麻薬製造の嫌疑をかけられる。極悪非道で知られる長崎奉行ゴメスは、異人たちが住む麻衣椰(マイヤ)村に目をつける。辰次郎が想いを寄せる女剣士朱緒の過去が絡み合い、事態は思わぬ展開を見せるが――。「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作の続編、待望の文庫化! 『芥子の花―金春屋ゴメス―』改題。