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各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

統計のコツのこつ(59)

2018-01-08 17:49:13 | 日記・エッセイ・コラム
昨年末の突然の"Aufnehmen(admission)" から "Entlassen" して間がないのですが、新年早々から依頼の統計分析に追われていました。今年も健康に留意しながら投稿したいと思っていますので、よろしくご指導ご鞭撻のほどお願いします。

さて、前回(58)を思い出しながら、「コックラン・アミテージ(Cochran Amitage)」による用量反応直線について、「R」での一例をご紹介しておきます。
どうぞ・・、、
以下の「統計学入門(第13章4)」(杉本典夫先生)を見て下さい。
http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat13/stat1304.html

「表13.4.3 コクラン・アーミテージの傾向分析による用量反応解析の分散分析表」を「R」でやってみましょう。
上記HPの筆算過程を参考にやってみて下さい。
 
データは前回と同じで「R」では次のようになります。
***
res1<- c(0,2,16,15,19)
res0<- c(20,18,14,5,1)
dose<- c(0.01,0.1,1,10,100) 
tbl<- matrix(c(0,2,16,15,19,20,18,14,5,1), nc=2)
tbl
chi<- chisq.test(tbl) # 全体の平方和
chi    # カイ二乗検定の結果
chi[1]     # 全体(用量)のカイ二乗値
 
出力結果:     
Pearson's Chi-squared test
data:  tbl
X-squared = 53.967, df = 4, p-value = 5.348e-11 # 全体(用量)の平方和
***
 
用量反応直線の回帰式は次の通りです。
***
n<- res1 + res0
r<- res1/n
p<- sum(res1)/sum(n)
w<- n/p/(1 - p)
fit<- lm(r~ log10(dose), weights = w, data=dat)
summary(fit)
 
出力結果:
Coefficients:
.............Estimate...Std. Error...t value...Pr(>|t|)  
(Intercept)...0.47273....0.03678......12.851...0.00102 **
log10(dose)...0.25500....0.02728.......9.348...0.00259 **
---
Signif. codes:  0 ‘***’ 0.001 ‘**’ 0.01 ‘*’ 0.05 ‘.’ 0.1 ‘ ’ 1
Residual standard error: 0.7727 on 3 degrees of freedom
Multiple R-squared:  0.9668,    Adjusted R-squared:  0.9557
F-statistic: 87.38 on 1 and 3 DF,  p-value: 0.002593
***
 
すなわち、
用量反応直線:p=0.47273 + 0.255*log10(dose)
寄与率:r2=0.9668(96.7%)
となります。
 
ここで、切片と傾きは次の様になります。
***
B<- fit$coefficients[1]  # 切片
A<- fit$coefficients[2] # 傾き
***
 
そして、
回帰の直線性は、次の「prop.trend.test」で求めることが出来ます。
 
***
output<- prop.trend.test(res1, n)  # デフォルトのスコアを使う
output    # prop.trend.testの結果
output[1]  # カイ二乗値
output$statistic # カイ二乗値の取出し
 
出力結果:
Chi-squared Test for Trend in Proportions
data:  res1 out of n ,
using scores: 1 2 3 4 5
X-squared = 52.175, df = 1, p-value = 5.076e-13
***
 
ここで、
「表13.4.3」のズレ(異質性)は次により求めることが出来ます。
 
***
chiLOF<- chi$statistic - output$statistic
chiLOF                      # ズレ(異質性)のカイ二乗値
1-pchisq(chiLOF, 3)  # p値
 
出力結果:
> chiLOF<- chi$statistic - output$statistic
> chiLOF
X-squared
1.79139      # ズレ(異質性)のカイ二乗値
 
> 1-pchisq(chiLOF, 3)
X-squared
0.6168103 # p値
***
 
ここでの「prop.trend.test」は外的基準は省略し、「1」から始まるスコア(整数値)となっています。
また、
例題にもとずいていることにご留意して下さい。そして、
コクラン・アーミテージの傾向分析によって求めた用量反応直線によるD50の推定は「統計学入門(第13章4)」から筆算で容易に求められます。
 
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