高校野球ファンならずとも、多くの人がその魅力を知っている名将、箕島高校の尾藤監督が亡くなりました。私の中でも、世間的にも高校野球へ最も関心を寄せられていた時期の甲子園常連校の監督です。何だか遠い存在ではない気がして、寂しさもひとしおです
。高校生は能力が開花する前の子供たちばかりであり、「名監督」の存在は実に大きいでしょうね。考えたら私の周りでは、今大垣日大で指揮をとる坂口監督の下で野球をやりたいと何人かが東邦高校へ進んで、春夏連続甲子園出場を果たしました。
さて、そんなタイミングですから気になっていたこの本を読みました
。
「甲子園だけが高校野球ではない(廣済堂出版/岩崎夏海監修)」
監修はあの、「もしドラ」の岩崎さんですから、期待度も高まっていましたが、読むタイミングがなくて。尾藤さんのニュースに、子供のころテレビにかじりついて見た「泥だらけで野球をする年上のお兄さんたち」の眩しい光景が思い出され、その勢いで一気に読みました。
さて、内容ですが、評価は真っ二つじゃないかなあ・・・って印象です。高校野球にあまり関わりのない方には身近に感じるとてもいい話が詰まっています。しかし、高校野球の現場を知っている人にとっては「日常茶飯事」が書かれている・・・そんな気がしました。高校野球の雑誌記者や編集者が全国の高校野球の現場で集めた感動的な実話がたくさん紹介されています。そして、岩崎さんのコラムがはさまれています。確かに読みやすいんですが。
私個人はあえてこう思ったりします。誤解を恐れずに書けば・・・。
「甲子園だけが高校野球だ!」
象徴的な目標に向かってがむしゃらに突進することの素晴らしさをわずかでも実感した私的には、あえてそんな表現をしたくなるんです。
これまで本気で甲子園を目指してきた選手や父兄の方々には、この本を読むと「ああ、我々がやってきたことって普通じゃないんだなあ」なんて再認識できるかもしれません
。
ということで、私個人は期待はずれ。ここで紹介するまでもないかと思っていたんですが、尾藤さんの笑顔を思うのと、本の中のこのフレーズだけは紹介したくて書きました。
(本書より)
よく「あきらめなければ夢は叶う」というけれども、それは違う。それならば、甲子園出場という夢を持ちながら、それでもそれを果たせなかった全ての球児たちは「夢をあきらめたから叶わなかった」ということになってしまう。そんなことは断じてない。
夢は、当たり前の話だけれど、叶ったり、叶わなかったりする。だから、大切なのは「あきらめないこと」ではない。それよりも、「叶わないことを怖れず、失敗してもいいから挑戦して、ぶつかってみること」なのである。
夢を叶えられなかった大勢の高校球児の皆さん、君たちの3年間がどんな意味を持つかは、これからの君たち次第。胸を張って「甲子園だけが高校野球じゃない!」って言えるように、それぞれの道を真剣に、本気で行こう
。