ヌーバス

流されず
人で在り続ける

ゆたしく



New Nuubas 第96話

2017-01-03 15:40:23 | New Nuubas





十字架に寄りかかってずっと僕は立っている。何十年、何百年、あるいは何千年、それより古くから立っているような気がする。

ある朝、ふたりの人物が僕の傍で話をした。

この寄宿舎では珍しいことだ。学生達は大きな重圧に耐え、ひっそりと寄宿舎生活を送っているので、他の学生に関心がない。学校で最小限の会話がなされるだけだ。寄宿舎に帰ってまで会話する用件などない。

「救世主」

「救世主とは何だった?」

「人々を苦しみから救う孤独な人物」

「まさか、検索したのか?」

「しない。法に触れる恐怖を克服する勇気がない」

「この世界は、罰しない世界。すべて自主規制。だからこそそれぞれ人々は独立した国家そのものでいられる」

「個人が国家として、それぞれの法を個人で制定し、個人で法を完全に遵守する世界。この世界。なぜ私はいま、だれかにこの世界を解説するように話しているのだろう?」




ジャンル:
小説
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