じょじょりん文庫

読書好きで雑読。ゴルフ好きでへたくそ。
気の向くままに本ネタとゴルフネタを書かせて頂いています。

蜜蜂と遠雷

2017-02-15 | 小説
kindle本ではなく,ひさびさに紙媒体の本を買いました。今年度の直木賞の受賞作です。

蜜蜂と遠雷
恩田陸
幻冬舎


なかなかおもしろかったのですが,なんか,コミックの「ピアノの森」とそっくりな印象を持ちました。
いずれも天才のピアニストが出てきて,いずれもピアノの英才教育を全く受けていないのに,すばらしい演奏をする。
いずれもコンクールで物議をかもす時代の先端を行く演奏をする。
審査員がその演奏を認める認めないでもめたりする。
なんて点が共通しています。

ピアノの森はショパンコンクール,蜜蜂と遠雷は芳ヶ江国際コンクール(これは浜松国際コンクールがモデル?)を舞台にしています。
芳ヶ江コンクールの優勝者は,のちに世界的なコンクールの優勝者になることが続いているので,登竜門的な扱いになっているとの設定です。あと,芳ヶ江はうなぎが名産だとも。
実際,浜松国際で数年前優勝したチョ・ソンジンはその後2015年のショパンコンクールで優勝しましたし,うなぎは有名な名産ですから,やっぱりそうですかね。

この本は,天才少年のほかに,正統派天才が2人出てきます。コンクールの中の演奏者の精神状態などいろいろ書いてありますが,本当のところは経験者ではないのでわかりません。あと,取り上げられている曲がけっこうマニアック。
のだめなどで出てくる曲に比べても新しい時代の曲が多いかなという気も。バルトークとか,スクリャービンとか?
私はラフマニノフの前奏曲音の絵などは好きで聞いていましたが,普通はマイナーですかね?
バルトークのコンチェルトはきいたことありません。
聞いてみようかな,という気になります。

何事も生業のレベルにまで習得するというのは,大変ですね。
普通の人は,才能がなくても,長く勤勉に続ける素質があればそこそこの仕事ができるようなると思いますが,芸術の場合,長く勤勉だけでは絶対無理で,生来の才能がないとだめでしょうね。
厳しい世界です。

ちなみに,上で述べたチョ・ソンジンのショパンコンクールでの演奏は,私は素晴らしかったと思います(2位のアムランのほうが好きという人が多いように感じますが)。
ピアノの森のように,いずれ日本人でも優勝者が出てくれると良いのですが。




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