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映画【ゾンビ (DAWN of the DEAD) / ディレクターズカット完全版】

2004-08-30 23:52:05 | 映画
ゾンビ (DAWN of the DEAD) / ディレクターズカット完全版
1978(1994)
ジョージ・A・ロメロ (George A. Romero)


139分を一気に飽きずに見せる素晴らしい映画でした。
バージョン違いとか、細かいことについては分からないのですが、それは別として本当におもしろい映画です。
以前、「ナイト オブ ザ リビングデッド」も見てはいて、大筋としては同じなんですが、ものすごい進化していますね。
見せ方というか展開というか、低予算でできなかったことを思いっきりやってしまった感じ。
怖い、と言うより、はまってしまう。
さすがにもういい歳なので、「ゾンビが今後ろに立っていたら・・・」なんてことは思いもしなくなってしまったのがホラー映画を見るスタンスとしては残念なのですが、それ故に映画としてのおもしろさを発見することができました。
やっぱりゾンビ映画ですので若干のスプラッタシーンはありますが、ほとんどの人は大丈夫でしょう。
今時はテレビでサクッとやってしまう映像の方がグロかったりしますし。
「なんか、ヤダ」とか思っているなら、見なくても全然構わないと思うのですが、おもしろい映画を見たいのであれば、はずせません。
「自分もあの状況になったらあそこまで吹っ切れてしまうんだろうか?」と思います。平気で人間の形をしたものをバンバン殺している生きている人間達を見ていると、そっちの方が恐ろしくなります。
人間の持っている欲望をリアルに描いています。途中でなぜかゾンビに感情移入してしまうこともあるでしょう。あの人(ゾンビ)達はおなかが減っているだけなのに。

ショッピングセンターからのシーンではゾンビがいなくても成り立ってしまう。望月峰太郎のマンガ「ドラゴン・ヘッド」みたいな感じ。っつうか、「ドラゴン・ヘッド」はこのまんまですね。

誤解かもしれませんが、登場人物のカテゴリがそのまま「衣食住」に分類されている気がします。
主人公達は「住」、ゾンビは「食」、暴走強盗団は「衣」。それぞれにプライオリティが違っているだけで、人間として生活するための基礎として必要なものということには違いありません。それがデフォルメされているだけでしょう。この3つのカテゴリーにそれぞれ分かれてしまっているために、さらに細分化されているはずの4人のキャラクターが薄くなりまくっています。後半に入ってしまうと、皆同じ行動ですね。ゾンビ集団と同じ。暴走強盗団とも同じ。
やはり「衣食足りて礼節を知る」なのでしょうか。


誰にもそれぞれオリジナルの正義があるんでしょう。戦争と同じく。