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セブ島でのダイビング(ジンベイザメとギンガメアジ・トルネード)

遅れましたが、新年明けましておめでとうございます。
年末年始はセブ島で過ごしました。
ダイビングでは、ジンベエザメ、ギンガメアジ・トルネード(2年前に粟国島で見て以来)など大物を見ることができ、カウントダウンはシャングリラホテルで迎えました。こう書くと派手に聞こえるかもしれませんが、泊まったのはド田舎の安宿のようなところで、実態はバックパッカーに近かったです(笑)。


(こちらは粟国島で見たギンガメアジ・トルネード)

昨年は色々なことに挑戦することができましたが、一方で、まだまだ不十分、己の未熟さを思い知らされる一年でもありました。
今年は飛躍の一年にしたいものです。やりたいことだけは沢山あるので、とにかく気合を入れて目一杯やりたいと思います。

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こちらも遅れた話題になりますが、安部総理の靖国参拝。
米国の「disappointed」という反応ですが、言葉の意味をあれこれ詮索する必要はないと思います。要するに、米国としては賛成しないというメッセージを伝えるのが趣旨で、それに尽きるものでしょう。
これが日米間の大きな問題になるとは思いませんが、一方で、少なくともこの10年間くらいの日米関係において、これほどストレートな表現のパブリック・ステートメントは見た記憶がありません。日米ほど実務者間に成熟したチャンネルが維持された関係であれば、この手の対外的な発表においては、非常に緻密な事前の配慮と(必要に応じ)すり合わせが行われるのが通常ですが、この表現は関係者にとっても結構驚きだったのではないかと思います。
たとえばアーミテージやマイケル・グリーンが政権にいた頃であれば、こういうメッセージの内容や伝え方にはならなかったような気がするんですよね。ケネディ大使着任は華々しくクローズアップされましたが、現政権の東アジアチームとの付き合いは、やはり一筋縄ではいかないということかもしれません。

ちなみに、靖国参拝は百田尚樹氏が安部総理に進言していたそうですね。
映画『永遠のゼロ』、安倍総理は年末にご覧になっていたようですが、私も年始に見ました。
以前の記事にも書いたとおり、原作は、既知の素材でおおむね尽きる内容ではあったものの、構成の巧みさと胸を打つ文章の数々が強い印象を残す作品でした。映画は、この原作の魅力を最大限に引き出していたと思います。戦闘描写の臨場感、岡田准一の精悍さ、ラストシーンの残酷な美しさが心に刺さります。
それにしても、こういう戦争の真っ只中の生を描く作品は、昔からいくつもの作品があって、それほど珍しいものではなかったと思うのですが、こうして最近の作品として見ると、不思議に新鮮に感じられるというか、物語感が強くなった気がしますね。映画の中でも、三浦春馬が若い人たちに戦争の認識のギャップを説く場面がありました。自分としても、たとえば零戦や艦船にある表記がすべて漢字とカタカナで統一されている映像を見たとき、世界で戦う技術を自前で作り上げたことの凄さ、そこに至る血の滲むような努力と誇りに対して、何も目新しいことでもないのに、不思議と遠い世界を見たような気持ちになりました(村上龍の『五分後の世界』などで描かれた日本人の誇りと美しさも思い出されます。)。これが歴史になっていくということなのでしょうか。
また、戦争賛美とか右傾化を反映しているといった指摘もあるそうですが、原作・映画ともに、そういう印象は受けなかったですけどね。繰り返しになりますが、この程度の雄々しさやロマンを扱う映画は昔からありました。むしろ、現代的に抑えられているというか、『硫黄島の手紙』(以前の記事)ぐらいドライな描写であったように思います。日本の文化や誇り、祖国を守ろうとした尊い気持ちは、特攻も含めて、もっと素直に受け入れても良いと思うのですが。

ゼロの映画と言えば(強引ですが(笑))、映画『ゼロ・グラビティ』。
これも凄い映画でしたね。人間の作り出す映像もとうとうここまで来たのか・・・と衝撃を受けました。
これはもう見て下さいという他ない作品ですが、ちょっと面白かったのは、ヒューストンのオペレーターがエド・ハリス。『ライトスタッフ』(ジョン・グレン)と『アポロ13』(ジーン・クランツ)の勇姿がよみがえります。ま、この映画では声だけなんですが。これ以外に登場する俳優はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーだけ。とにかくひたすら宇宙の力押し。まあ、今まで見たことのないようなとんでもない作品でしたね。

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最近読んだ本。

■ ニック・レーン 『生命の跳躍』
生物進化に革命的影響を与えた10の発明(invention)として、「生命の誕生」、「DNA」、「光合成」、「複雑な細胞」、「有性生殖」、「運動」、「視覚」、「温血性」、「意識」、「死」を取り上げながら、進化の歴史を描いてみせる壮大な作品。
いずれのトピックも数冊の専門書を凝縮したかのような密度で最先端の知的成果を詰め込んでいる。通俗的な科学書にありがちな結論の単なる提示にはとどまらず、論争となっているポイントを真正面からとらえて深掘りする。最先端過ぎて結論が出ておらず、そのまま書いておしまい、という部分すら多々ある(現時点の科学ではここまでしか分からない、ということが確認できる。)。
「生命の起源」の説明(最後の共通祖先(LUCA)とクレブス回路)から「DNA」の生成に続くが、通俗的な科学書で語られるレベルのDNAの説明(ワトソンとクリックからゲノムプロジェクトまで)を軽く通り越して、さらに先にある聖域であるコードの解読に突き進む。「光合成」と酸素は、前著『生と死の自然史 進化を統べる酸素』、「複雑な細胞」(真核生物)は、前著『ミトコンドリアが進化を決めた』の内容を凝縮した観。「有性生殖」では、異性とのセックスのもつ神秘(コストの大きさ)という刺激的な問題提起とその回答の試みがなされる。「運動」では筋収縮のメカニズムがこれほど現代的な課題であったのかと驚かされる。「視覚」では眼の発明がカンブリア爆発を生むほどの大きな意義があったこと、「温血性」では温血動物の利点がスタミナ(有酸素能力)にあることが説明される。「意識」は、チャーマーズ、デネット、ラマチャンドラン、ダマシオ、オリバー・サックスらの著作や以前紹介したハンフリー『ソウルダスト』を読んだ人にとってはなじみ深いクオリアや意識のハード・プロブレムが掘り下げられる。「死」においては、死の存在理由が体細胞の生殖細胞への隷属にあるという仮説に唸らされる(前著で紹介済みではあるが。)。サーチュイン遺伝子とカロリー制限との関係やフリーラジカル老化説も、メカニズムを含めて詳しく解説される。
高度な内容を限られた分量に詰め込んでいるため、基本的知識の説明は容赦なく省略されているが、その分読み応えは抜群。論旨は正確で明快なので、上記著者の他の著作や『キャンベル生物学』『ケイン生物学』といった基本書、フォーティ『生命40億年全史』などを参照しつつ読むと良い。 

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