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やじゅんのページ/The World according to YAJUN



もう12月なんですね。
このところ割合暖かい日が続いていましたが、今日一日の寒かったこと。月日の流れの速さに驚きます。
私自身にとっては結構色んなことがあって、それなりに感慨深い一年でした。
100%満足できたとは言えませんが、とりあえずやるべきと思っていたことは大体できて、おおむね良い一年だったのではないかと思います。もっとも本当に良い一年だったと言えるかは、来年、再来年の努力にかかっているところもあるでしょう。頑張らないといけません。

さて、マンデラ元大統領が亡くなりましたね。
マンデラについては、以前、映画「インビクタス」について書いたとき触れましたが、ここまで国内外問わず高い評価を得て、生涯にわたりその評価を汚さなかったというリーダーはなかなかいなかったと思います。ご冥福をお祈りします。

そして、西武の堤清二氏も亡くなりましたね。
現代日本の消費生活の実現を象徴した西武王国も、証券虚偽記載、堤氏の逮捕、サーベラスとの騒動など厳しい局面が続いて、時代の変遷を感じさせます。
そんな西武の歴史に思いを馳せるのに便利な名著は猪瀬直樹『ミカドの肖像』ですね。いまや都知事にまで上り詰めた猪瀬氏の出世作。高校生のときに読みましたが、これだけのノンフィクションをどうやったら書けるのだろうと、当時よく読んでいた立花隆の作品とともに感銘を受けたものでした。

最近の大きなニュースではイラン核開発問題の合意。
何度もこのHPで述べてきましたが、米国にとって最大の外交問題の一つはイランです。米国にいると、世界の重心がこの地域にあり、アジアはあくまで周縁に過ぎないことを実感させられます。その地域の中で比類なき存在感を誇るイランをめぐる交渉は、EU+3(米中ロ)で取り扱われる問題であり、日本が入り込む余地はありませんが、まさに世界全体を揺るがすインパクトを与える出来事であり、今後の展開は要注目です。

最後に、だいぶ遅れてしまいましたが日本シリーズ。
私は、田中が一回負けて、最後にリリーフで出てくるという展開を予想しており、周りの友人に吹聴していました。
昔の日本シリーズは、1983年の巨人の西本とか、2戦、5戦で完投し、6戦でリリーフ、7戦で先発ということもありましたからね。
最後の美馬-則本-田中のリレーは、1994年の斎藤-槇原-桑田のリレーを思い出しました。相変わらず懐古趣味です。

・・・
最近読んだ本。

■ エドワード・O・ウィルソン 『人類はどこから来て、どこへ行くのか』
「生物多様性(biodiversity)」という、今や国際条約の主題にもなった共有の概念を生み出した知の巨人の最新著作。
『社会生物学』『人間の本性について』『知の挑戦』といった過去の著作と同様に、生物学にとどまらず、社会心理学、脳科学、文化人類学、歴史学など、人類をめぐる学問の成果を総動員して、人類の進化と本質という壮大なテーマに挑戦する。
人類の進化については、生物学的進化(脳、手、歩行)から社会進化(「真社会性」(世代の重なり、分業、利他的行動、グループ化)の獲得、文明の誕生)までを、遺伝子、脳、言語、(自身の専門である)アリとの対比を用いて語る。人間の本性とは何かという問いに対しては、遺伝的進化と文化的進化の共進化というアプローチで回答を試みる(乳糖耐性、近親相姦、色の語彙)。これらの理論を固めた上で、言語の起源(スキナー、チョムスキー、ピンカーの議論も俯瞰)、道徳と名誉(ヘーゲルやホネットの承認の欲求を想起させる)、宗教(同族意識)、芸術(biophilia)という各論(社会学的・人文学的なテーマ)に適用する。
知の統合に興味がある人なら読んで損はない。ただ、『知の挑戦』を読んだときほどの興奮や感動はなかった。文章は『知の挑戦』より簡素で説明も分かりやすいが、その分重厚さはなくなり、物足りなさが残る。真社会性、遺伝子と文化の共進という基本理論はすでに前著で説明がされており、新しい発見はない。各論の問題設定は刺激的だが、論旨は単純化し過ぎな印象。解説ではハミルトン則への批判等の理論的欠陥も明らかにされている。
なお、主著の一つである『生命の多様性』は、「生物多様性」を世界に知らしめた古典だが、印象に残るのはその取り上げる自然の例と詩のような文章の美しさ。人文学的知性への著者の思いはここにも感じられる。

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