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やじゅんのページ/The World according to YAJUN



今日はいつもコメント欄等でお世話になっているHacheさんとmitsuさんとはじめてのオフ会(?)でした。お二人とも想像通りの好漢でした。自分と異なるフィールドにいる方のお話を聞くと刺激を受けます。こんな風に縁が広がるのも、ブログさまさまですね。ありがたい限りです。

最近、中東と中央アジアについて勉強してます。地図帳を広げて、昔読んだ本をひっくり返したり、本屋で使えそうな本を片っ端からチェックしたり、米国にいた頃買った英語の本もぱらぱら読み返したり。このへんの地域は、現代の状況を見ていても、「世界史」を強く意識します。勉強を始めてみると大学受験で世界史を勉強した頃の気持ちを思い出します。

イスラムについては、米国にいるとき何かと話題になりましたし、主に思想の観点から興味があったので、それなりに調べたことがあったのですが、中央アジアについてはこれまで正面から勉強したことがありませんでした。思えば世界史でもこの分野は苦手でした。全般的なことは抑えていたつもりなのですが、とにかく東から西から色んな民族や宗教が入り乱れる上、地図を見てもヨーロッパや東アジアのように区切りをつけて見るのが容易ではなく、時間的にも地理的にも把握がしにくいのです。固定した軸で見ることがなかなか難しいんですよね。しかし、それだけに面白い。そして、岡田英弘氏も書いている通り、世界史においても現代においても、非常に重要なところです。日本にとっても重要でしょう。分かったつもりで全然分かっていなかったことが分かり、己の不明を恥じるばかりです。

しょせんは素人、どこまで深く理解できるものか分かりませんが、とりあえずやるだけやってみようと思います。既に色々思うところが出てきているのですが、考えが深まったら、そのうち何か気づいたことを述べてみようと思います。おすすめの本やサイトなどあったら教えて下さい。

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<この記事は軽いネタバレを含んでいます。『ディパーテッド』と『インファナル・アフェア』を未見の方で、映画を見る前に予断を持ちたくないという方は真ん中くらいまでとばして下さい。>

先日、アカデミー賞をとった『ディパーテッド』を見てきました。オリジナル(香港版)の『インファナル・アフェア』との比較を中心に、思いついたことを書いておきます。

● 香港版の方が分かりやすい。
スコセッシの『ディパーテッド』、私はオリジナルの『インファナル・アフェア』を見ていたのですんなり理解できましたが、初めて見る人には結構分かりにくい映画だったのではないかと思います。ストーリーはかなり入り組んでいるのでしょうがない面はありますが、しかしオリジナルの方はさすがに直球勝負の香港映画(笑)、描写がストレートなのでスコセッシ版より100倍分かりやすいです。

● 全体的に香港版の方がウェット(情に厚い)。
香港版は、簡単に言えば、トニー・レオン(ディカプリオの役)はマフィアをやっているのが嫌で嫌で早く警察に戻りたい。でも親分にも恩義を感じていて、それがつらい。アンディ・ラウ(マット・デイモンの役)は警察でみんなから評価されて、恋人もできて、かたぎの世界でこのまままじめに生きていきたいと強く思うようになる。でもボスを捨てるわけにもいかない。基本的にはみんないい人なんだけど、つらい人生をおくっている人たちという風情で、感情移入しやすいのです。それに比べるとスコセッシ版はクールというか、みんなドライすぎて何考えているか分かりにくかった気がします。まあ、あえてそういう風にしているんでしょうけど、ちょっと不親切だった感じがしなくもありません。たとえばビルから落ちたマーチン・シーンが死ぬときにデカプーが半泣きになって手を握るシーンがありましたけど、あれもオリジナルではマーチン・シーン役の上司(アンソニー・ウォン)がデカプー役のトニー・レオンの父親のような存在だったから切ないシーンだったのですが、そういう描かれ方がなかったので、プリオが泣きそうになるのを見てもピンとこなかったように思うのです(家によったときメシ食ってけ、みたいなシーンはありましたが)。ラストもオリジナルの方がやはりウェットというか、だいぶ違った気がします(ビルから投げ出されたりエレベータで逃げたりという山場のシーンは忠実に再現されてます)。

● 「無間地獄」と「故人」
香港版のタイトル「インファナル・アフェア」のinfernalというのは地獄(inferno)の形容詞で、中国語の題名は「無間地獄」とか「無間道」でした。これはあとで述べる続編との関係もあるのですが、なかなかいかしたタイトルだと思います。「The Departed」は文語調の英語で「故人」という意味で、映画の中では2回ほどある葬式の場面で実際に使われますが、これはスパイをやることでアイデンティティを失う二人をたとえる意味もあるのでしょうね(「どこかに消えてしまった人」、「道がそれた人」みたいなニュアンスがあるのだろうと思います)。これも味のあるタイトルと思います。

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余談ですが、スパイと疑われるデカプーがボス(ジャック・ニコルソン)から「ソーシャル・セキュリティ・ナンバー」を書け、と言われ、びびりまくるシーンがあります。名前から社会保障のための制度とは分かると思いますが、これ、国民総背番号制みたいなもんなんですね。映画を見ると、マフィアのチンピラすらみんな持っていることが分かります。米国で生活すると、何やるにしてもこの番号が必要になります。ちなみに外国人でもとれます。私もとりました。いったん取ると更新の必要もなくほったらかしになり、その後も(米国から出ても)ずっと有効なので、銀行の口座の維持などに使えてなかなか便利です。何事もアバウトでザルな印象のある米国ですが、このへんの情報管理は日本より上をいっているようです。

それにしても『ディパーテッド』、わりとフツーのアクション・サスペンスの部類に入る映画と思うのですが、こういうのがアカデミー賞というのもめずらしいのではないでしょうか(『グラディエーター』もありましたけど、あれは映像とかオペラ・セリア的なスペクタクルというハリウッドに伝統的に好まれる要素があったからのような)。しかもリメイクだし。そうでもないのかな。

リメイクや続編は相変わらずはやってますよね。まさか21世紀になってまでロッキーを見ることになろうとは。ロッキー5ですでに試合をやるのをやめた気がするのですけど、どうするんでしょう。
続編といえば、香港版『インファナル・アフェア』もその後どんどん続編が作られ、文字通り「無間道」の様相を呈していました。香港映画って売れると勢いに任せて続編をつくるんですよね。ジョン・ウーが名をなした『男たちの挽歌』とかチョウ・ユンファがどうしてそこまで?というほど自虐的な演技を見せる『ゴッド・ギャンブラー』なんかが有名です。それも、ほとんど完結した話を強引につなげるため、昔死んだはずの俳優が別の役で出てきたり、そうかと思うと若い日の話だったり、いや実は双子の兄弟だったり、シリーズを通して見れば見るほどわけがわからなくなるという不思議な世界。このへんの無茶ぶりに「おもしろければ(売れれば)問題ない」という香港映画界の仁義なきカオスを感じるようで、とてもすがすがしいです。

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まったく関係ない話になりますが、かんべえさんが紹介されていたRintaさんのブログ、実は私がかんべえさんにオススメしたのですね(自慢)。日朝国交正常化のようななじみの深い問題から、中東アフリカ中央アジアといった、素人には正確な把握すら難しい問題まで、私のようなアホでも分かるように平易な言葉で的確に説明して下さってます。蓄積された知識と思索に基づいているため、日々の動きに過度に左右されたり安直な結論を出すことが一切なく、非常に現実感があって説得的なのです。こういう「本物」に出会えると、ほんとに得した気分になると言うか、ワクワクするんですよね。

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