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やじゅんのページ/The World according to YAJUN



先日、『Rise of the Vulcans』という本を読みました。
ブッシュ政権の外交・安全保障政策面でのキーパーソンである、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、パウエル国務長官、アーミテージ国務副長官、ウォルフォウィッツ国防副長官、ライス大統領補佐官の6人(彼ら共和党系の安全保障専門家の一群が、ブッシュの大統領キャンペーン中、ローマ神話にあやかって「Vulcans」と呼ばれた)のこれまでのキャリアを、膨大なインタビューや公開情報をもとに描写したノンフィクションです。最近、『ウルカヌスの群像』というタイトルで邦訳も出たようです。

まずはファクトの量に圧倒されます。ニクソン政権の時代から描写を始めているので、60年代からの米国の安全保障分野での主要人物(ただし共和党中心)の動きがよく分かります。ただ、細かいエピソードの集積のような本ですので、体系的理解のためというよりは、レファレンスとして利用すると良いかもしれません。

冷戦時代、Vulcansの多くが対ソ強硬派で、デタントを強調するキッシンジャーと対立したとか、レーガン時代、アーミテージとリチャード・パールの二人が、ワインバーガー国防長官の下で国防次官補を勤めていたとき、史上最も強力な次官補コンビと言われたとか、この二人と国務次官補の任にあったウォルフォウィッツの3人がしょっちゅう会合を開いて政策を決めていたとか、レーガン政権時、ラムズフェルドはシュルツ国務長官派、アーミテージはワインバーガー国防長官派で、両閣僚の対立を反映して、二人は必ずしも折り合いがよくなかったとか、ライスがNSC(国家安全保障会議)スタッフだったとき、ブッシュ(シニア)に面会を拒まれて酒乱気味だったエリツィンを取り押さえて株を上げたとか、挙げるときりがありませんが、小ネタ的に興味深いエピソードが詰まっています。

この6人のうち、すでに2人が新政権のメンバーに加わらないことが決まっていますが、彼らとその周辺にいる人達(リビー副大統領補佐官やハドレー大統領副補佐官など)が、米国の安全保障政策の決定に重大な影響力を行使することは、今後とも変わらないでしょう。米国のこれからを見る上でも、読んで損はない本だと思います。

著者のジェームズ・マン(現在ワシントンDCにある有力シンクタンクであるCSISに所属)は、元々LAタイムズの記者で『About Face』、(邦題は『米中奔流』)という、戦後の米中関係を学ぶ上で古典的な位置付けをされる本の著者でもあります。

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