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浜比嘉島の初日の出

だいぶ遅れましたが、新年あけましておめでとうございます。

ここ最近何度か書いているとおり、昨年11月から沖縄に来ています。 東京には今年9月頃戻る予定なので、1年近く滞在することになります。人生においてなかなか経験できることではなく、貴重な機会を生かして、できるだけ沢山のことを吸収しようとしています。

新年の感慨、というのも特にないのですが、例年どおり無理に頑張って(笑)述べてみると、最近感じるのは、気持ちが楽ということです。

一つには、自分がやりたいと思っていることに素直に取り組むことができる、ということがあります。
その中には、温暖な環境で、好きな勉強や読書をし、旧知の人たちから新しく出会う人たちまで色々な人たちと交わり、豊かな自然の中でランニング、ゴルフ、ダイビングも気軽にできる、という日頃の生活の快適さから、将来に向けて、研鑽を積み、自分を成長させることも含まれます。

今まで経験した世界では、目の前の課題に対処するので必死で、またそれで足りるというか、先々のことを考えても仕方がないという面が強かったようです。自分本位の仕事の回し方やキャリアを追求することは基本的に難しい、わがままは本来的には許されないところでした。
その代わり、色々な世界を見て、経験することができ、非常に面白い環境でした。また、大きな仕事、特に公益に関わる仕事には、個人の思い入れがふさわしくない性質があるのはしょうがないことで、意思決定を行う正当性のある主体を絞り、組織的に動くことは、ある意味当然のことでもありました。
今思えば、難しいことを考えず、どんどんわき上がる面白い課題に身を投じていれば、それで十分幸せだったのかな、とも思います。私は、苦労やシニカルに感じることがあっても、知的好奇心が満たされれば満足なタイプの人間でしたし。
でも、自分とは違う世界で、自分がやりたいこと、正しいと思うことをわがままに貫き通すような人たちが、まぶしかったことも事実でしたね。
今は、やることのすべてが自分が選んだことであって、自分のためになるものであり、責任もすべて自分にかえってくる。なんとなく、将来のビジョンのようなものが見えてきて、それに向けて努力できる。あるいは、まだはっきりとは見えなくとも、探求することができ、それが許される。そんな感覚をもっています。
前は、先のことを考える必要もないし、安定もしているから、ある意味ではぬるい環境なんだろうけど、でもなんかしんどかったなあという気持ちがありました。それは、自分だけでは手に負えない、責任も自分だけでは負いきれない、ということがあったためのような気がします。それに比べると、今は結構楽なのです。

ただ、そうはいっても、前にやっていた世界に忘れがたい魅力、愛着があったのは事実です。それだけのやりがいを自分のがんばりだけで見つけられるのかどうか。今考えるべき話でもなく、杞憂かもしれませんが、これからも考えてみたいところです。

それと、もう一つは、プライドの問題。
若い頃は、結構負けず嫌いでした。正直に言えば、周りの人たちより上に行きたい、馬鹿にされたくないという気持ちがかなり強かった方だろうと思います。
また、周りにいる人たちも、自分以上にギラギラして、能力も高い人が多くて、良い意味でも悪い意味でも緊張感に満ちた関係がありました。
自分を周りに認めさせたい。それは、特に、自分自身との戦いというよりは、周りの誰かよりも上に立ちたいという、相対的な優位を重視したものであったようにも思います。
最近は、そういう感覚がすっかりなくなりました。何というか、他人の目があまり気にならなくなったのです。なんでですかね。環境が変わったからか、年をとったからなのか。
良い方の理由を考えれば、色々な人に会い、色々な世界に接したから、ということがある気がします。狭い共同体の中にずっといると、どうしても、ゴシップや人間関係ばかりに目が行って、それが本業よりも大事なテーマになってしまったりするものです。能力に自信のあり、名誉欲の強い人たちの集まりであれば、なおさらそうなります。今までの自分の環境においては、そういうタイプの人が多かったように思います。そんな共同体から一歩出て、広い世間を見れば、つまらないことにこだわっていたものだな、と思いますね。
今でも、自分が好きな人や尊敬する人に対しては、好かれたい、認められたいという気持ちはあります。でも、自分が興味がない人に対してアピールする気はないし、優れた能力をもつ人でも、自分に興味をもっていない人に対しては、やっぱりどうでもいいや、という乾いた気持ちになりますね。一昨年の年頭の辞でも書きましたが、結局、「来る人拒まず。去る人追わず。」なのです。

てなことを何となく思いました。いつもながら、まとまりがないですね(苦笑)。
とにかく、今は非常に気持ちが良いということです。明るい気持ちで新年を迎え、そのまま良いペースで今年を過ごしたいと思います。

・・・
新年といえば、大河ドラマ『平清盛』、見てみましたが、前評判どおりぶっとんでいて面白そうですね。第三者の回想で始まる冒頭や映像の雰囲気が『龍馬伝』に似てるなと思いましたが、スタッフが同じとのこと。
キャスティングが豪華ですね。ちょっと濃すぎなくらい笑。
平忠盛は中井貴一。実際の忠盛は斜視でしたが、そこはスルーの模様。「殿上闇討」(平家がデビューする章段)では、その斜視をネタにされ、「伊勢へいしはすがめなりけり」と貶められながら、見事に危機を切り抜け、昇殿を果たす様が描かれます。忠盛の器量と武士の新風を示す秀逸なエピソードです。これが描かれないのはちょっと残念。ま、しょうがないか。
そんなわけで思い出した本。

■ 石母田正 『平家物語』
戦後歴史学の泰斗による平家論。
著者の代表作『中世的世界の形成』にあった強烈な精神性は感じられず、やや自由な文学論になっているところもあるが、記述は手堅く、手っ取り早くポイントをおさえられる。

■ 海音寺潮五郎 『武将列伝』
■ 同 『悪人列伝』
歴史小説の大家による評伝集。
源平については、悪源太義平、平清盛、源頼朝、木曾義仲、源義経(以上『武将』)、梶原景時、北条政子(以上『悪人』)が登場。
史料解釈の振り幅と、その中で発揮される創作者の挑戦がテンポ良く語られる。作家の醍醐味と苦労が分かる作品。

■ 浅田次郎 『蒼穹の昴』
歴史絡みということで併せてご紹介。
清末の人物群像を描いた歴史小説。中国版『坂の上の雲』(そういえばTVドラマは見たかったのだがチェックする機会がなく断片的に見るのに終わった。そのうち通しで見たいものだ。)という趣もある。
官僚と宦官の二人を主役に据えた着眼の面白さ。特に序盤の科挙と浄身の説明は巧みでなかなか読ませる。この点については、宮崎市定『科挙』と三田村泰助『宦官』を併せて読むと良い。
脚色が過ぎてもはや史実が名残をとどめないところもあり、時代小説の雰囲気に近いが、それを言うのも野暮というもの。
もっとも、小説にするまでもなく、清末、辛亥革命の時代は、猛烈に面白いのである。旧体制と近代が激突し、中華の偉大で歪んだ文明を震撼させる激動の瞬間、面白くないはずがない。日本の歴史小説と比べてなじみが薄いこともあり、この作品の伝える文学ロマン的な面に目がいきそうだが、そこにとどまることなく、ベースにある史学的考察に親しむとなお面白い。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (Alice)
2012-01-17 22:50:32
>自分がやりたいと思っていることに素直に取り組むことができる、ということがあります。
その中には、温暖な環境で、好きな勉強や読書をし、旧知の人たちから新しく出会う人たちまで色々な人たちと交わり、豊かな自然の中でランニング、ゴルフ、ダイビングも気軽にできる、という日頃の生活の快適さから、将来に向けて、研鑽を積み、自分を成長させることも含まれます。

 最高の環境ですね。充実していて何よりです。


>自分が興味がない人に対してアピールする気はないし、優れた能力をも人でも、自分に興味をもっていない人に対しては、やっぱりどうでもいいや、という気持ちになりますね。

重要ですよね。心がけます。

 ところで、龍馬伝と同じスタッフだったんですね、平清盛。だったらやっぱり落ち着いたら観てみたいです♪
 1月いっぱいは無理そうですが。  
 
 
 
どうもありがとうございます。 (やじゅん)
2012-01-22 21:21:12
>Aliceさん
新年早々から暖かいお言葉、どうもありがとうございます。
自分に興味のない人にアピールする気はない、というのは、もはやあきらめに近いですね。笑 
年をとったのかなという気もしますが、何事につけ、自分に合ったペースで素直にやる、というのが一番と思います。
清盛は滅茶苦茶ですが(笑)、この時代を扱ったドラマを見たことがないこともあるので、温かい目で見ようと思います。
 
 
 
蒼穹のx (key)
2012-02-10 02:54:52
何回か、親しい先生に進められました。確かにテレビありますよね。
>罪と罰の主人公の名前の頭文字に意味があること最近知りました、面白いですね。
>近年のノーベル賞作家の本呼んでみたい気持ちはありますが、なかなか始まりません。だんだん文学から離れていく。涙。
 
 
 
ありがとうございます。 (やじゅん)
2012-02-25 21:49:30
>keyさん
『罪と罰』の件、調べてみました。面白いですね。
「カラマーゾフ」の意味については、江川卓『謎ときカラマーゾフの兄弟』に出ていましたね。
私も、このところ文学を読むことが少なくなっていましたが、最近また熱が復活してきました。
 
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