071:尻 (ひじり純子)
いつだって尻切れとんぼ結論は明日へ持ち越し千夜一夜か
072:還 (ひじり純子)
優しさの記憶還元できるほど量的に乏しい今のところは
073:なるほど(ひじり純子)
物分りよい振りしてる若者は大人になるほどわがままになる
074:弦 (ひじり純子)
上弦の月だったねと拓郎が歌う歌をあなたが歌う
075:肝 (ひじり純子)
数値にてその存在を知らしめるどこにあるのか私の肝臓
076:虜 (ひじり純子)
親しげに仲間外れにされること虜となればずんずん沁みる
077:フリー (ひじり純子)
優しさはバリアフリーの頼りなさほったらかしで気にされぬまま
078:旗 (ひじり純子)
万国旗軽く纏った帆船が神戸の港を静かに離れる
079:釈 (ひじり純子)
解釈はなされぬままに計算式ひたすら解いて鳥渡りゆく
080:大根 (ひじり純子)
B型の青くび大根O型の鰤と炊いたら美味しくなります