備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム103.古代山陽道を探す(その7・白山神社)

2008-12-13 20:10:47 | Weblog
古代山陽道は「津高駅家」と目される「富原遺跡」の前を通り、更に直進して笹ヶ瀬川を渡る。そして、そのまま半田山に向かい、山越えをして岡山市北区三野に出たらしい。
しかし、以前は半田山の南麓を通っていたと思われていた(この道を「福輪寺縄手」という。)。この2つのルートについては別項にするが、富原から半田山の南麓に向かうルートも従来は、笹ヶ瀬川畔を通るか、「都月坂」を越える道が想定されていた。
現在では、もう1つのルートとして、「富原遺跡」向かい側にある坊主山の西の谷を通って、岡山市北区首部に出る道が有力視されている。今も一応、人の通れる道があるようだが、実際に行ってみると、富原側は比較的通りやすいものの、峠を越えて首部側では道が分かりにくくなっている。確かに、ここに道があれば、都月坂よりは越えやすいと思われる。
興味深いのは、ちょうど首部側に出た先に「白山神社」があること(写真上)。その境内に「首塚」があり(写真中)、誰の首かは諸説あるものの(「首塚」の説明板参照)、温羅の首との伝承もある。温羅の首は結局、「吉備津神社」(岡山市)の釜殿の下に埋められたとされるので、温羅の首塚であったら、中には何もないことになるが・・・。
「艮御崎神社」(2008年12月9日記事参照)には温羅の胴体が埋められたという伝承があった。「白山神社」との関連は、古代道路だったかもしれない(妄想)。

白山神社(はくさんじんじゃ)。
場所:岡山市北区首部236。国道53号線の「首部橋西」交差点の北西約300m。国道の側道から首部集落に少し入ったところ。道路が狭く、駐車場がないので、できれば徒歩、自転車などで。
「岡山県神社誌」(昭和56年4月)によれば、祭神は伊耶那美命と菊理姫命。仁和元年(885年)に加賀国白山比神社の分霊を白山権現として勧請したものという。


「鬼に出会う吉備路」さんのHPから(鳴釜神事):http://www.oni-kibi.jp/story/07.html


写真上:白山神社


写真中:白山神社境内の首塚


写真下:坊主山の西の谷。白山神社から北に進んだところ。ここを越えると富原側に出るが、首部側からは道がはっきりしない。

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