太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

太陽光ファンド不正節税

2017-04-22 09:35:54 | 日記

という大見出しで新聞1面に掲載された。多分読者は「何か太陽光発電がまた悪い事をしたな、やっぱり太陽光発電はよくない」というイメージ操作では大成功であろう。多少太陽光に関わった者(節税者ではないよ)として記事を読んだが、多分一般読者には良く分からないだろう。簡単に言うとこうだろう。

太陽光発電事業を目的としたSPC(特別目的会社)を設立する(今回は超大手が絡んだようだが)。SPCは出資者を募って事業を行う。当然目的は出資者への売電収入の分配であろう。出資者は利益が得られる(高値買い取りと批判が耐えないけど)から出資する。当然そこには応分に事業税の負担も含まれるだろう。ここまでは普通の事業である。ここで設備の特別償却制度(確か最後は1年で全額償却可能だったように思うが)を使って一気に減価償却を行う。SPCは減価償却分を出資者に割り当てる。設備の減価償却は企業では損失として計上されるから利益が圧縮され節税となる。ここまでもまだ不正らしきものは無い。

問題は特別減価償却の条件が設備取得と事業開始とある。SPCにとっては多分設置工事が終わり、電力会社との接続契約が完了した時点(あるいは実際に運転開始時点か)が事業開始なのだろう。工場がグリーン設備を購入して、倉庫に置いたままでは無く、実際にラインで稼働しなければならないのかも知れない。この事業開始が為されていないのにやったという不正だ。

出資者は被害者のようなコメントを出しているが、大手がSPCに関与しているから安心、売電収入も確実に得られるであろうとの思いで出資したのだろう。果たして株主責任のようなものは無く、詐欺的に騙されたと言えるのだろうか。将来売電収入で稼ぐんだから、もっとSPCを見張れとも言いたくなる。

この特別償却制度は多くの事業が対象となったと思うし、企業にとって魅力的であったために工場に太陽光を設置しようとしたものが沢山いた。その意味で太陽光の普及に相当貢献したと思うが。太陽光以外の事業では全て不正もなく真っ当な制度利用が為されているのに太陽光ファンド、なんて事をしてくれたんだ。一度新聞に載ると、訂正や言い訳は二度と載せてくれないと思え。もう太陽光発電事業そのものが悪の巣窟、不正の温床と思われて仕方がないではないか。まじめに売電収入による事業税や固定資産税をコツコツ納めているSPCもあるだろう。今回のSPCに関与した、出資者の安心をかった会社は何処かできっちりお詫びをするか、見解を述べるかして欲しいものだ。

それにしても我が家が購読している大手新聞は本当に太陽光が嫌いで原発が好きだ。もっとも分かっているのに数年前、正反対の新聞から切り替えた。全ての事象で反対の立場も理解しないと贔屓の引き倒しになって本当のことが見えなくなる恐れがあったのも事実だが。



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