太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

見方が変わったハロウィン

2016-10-31 08:37:34 | 社会観察

起源は古代ケルト人の収穫祭と悪魔払いの儀式だそうである。アメリカで子供たちが仮装して家々を回りおやつを貰うようになったのは最近か。日本でも都会の若者が仮装して集まり騒ぐ規模が年々大きくなりTVでも報じられるようになった。日本でも小規模では行われていたように思う。「西洋かぶれが何を能天気な、俺らは毎日こんなに必死に働いているのに。」と眉をしかめたものである。もっと遡って田舎で暮らしていた頃、自分はガキ大将の後をついて行くだけの多分4,5歳だったろう、稲藁を固く束ねて筒状にして端に縄をつけ振りまわしながら家々の庭を叩く行事があった。各家ではおやつや小銭を貰うことが出来た。勿論何の意味かは知らず、ガキ大将のおすそ分けが楽しみだった。確か地面を藁の束で叩きながら「今夜の猪の子(いのこ;多分モグラのことだろう)追われて泣くな」と合唱していた。秋の収穫時期、作物を食い荒らすモグラを追い払う儀式だったと思う。アメリカのハロウィンに似ている。

高齢者になってTVでハロウィンの騒ぎを良く考えて見ると、バレンタインやクリスマスにも似て色んな消費を生み出す効果はあるなと思う。参加者については仮装という日常を離れることによる憂さ晴らしにはなるだろう、あるいは盆踊りや夏祭りのように出会いの機会になっているのかも知れない。彼らは何れ日常に戻るのだから眉を顰めるより今日くらいはとも思ってしまう。これが通勤電車にもオフィスの中にも日常的に現れたら異常と思わなければならない。

いっそのことハロウィンに合わせて「仮装の日」を設けたらどうだろう。老若男女、この日は仮装をしなければならない。どんな田舎でも道行くお婆ちゃんが黒柳徹子のような髪型のカツラを被っている。すれ違う甚兵衛さんは気付かない。私だよとオヨネさんがカツラをとって驚かす。こんな田舎でもカツラが一つ売れる。日常に戻る(れる)非日常は心配は無い。寧ろ最大限に効果を生かす。そんな日が制定されたら私は髪が無くなる前にたけしのような金髪を一度はやって見たい。

(33)・・・

紅葉の木々に囲まれた遊歩道を小一時間歩くと河原に出た。そこは比較的小石で出来た砂州であり、方々に家族連れや若いカップルが思い思いにビニールシートを拡げて昼前にも関わらずビールを飲んだり、弁当を広げているものも居る。目の前の清流は20mくらいの川幅で比較的ゆったりと流れている。川辺で小さな子供たちが何かを探したり冷たいであろうのに膝くらいまで浸かって遊んでいる。三原ひとみは私たちもここで座りましょうかと持ってきたビニールシートを拡げ始めた。吉沢は周りに誰も居ない場所は返って変だし、かといって隣に座っている人の顔が良く分かったり会話が聞こえるほど込み合っているところも拙いと思っていた。丁度ここなら隣のシートとは離れており顔の見分けがつくところでも無かったので「ああ此処にしよう」と相槌を打った。ビニールシートを河原に広げながら「私たち周りからどう見えるでしょうね。親子にしては歳が近過ぎるし兄妹で紅葉を見に来るなんて少し変だし、やっぱり少し歳の離れた恋人同士かしら。」とすっかりピクニック気分で彼女は陽気に独り言を放った。「歳の離れたと言っても10歳くらいだろ。」と吉沢が返すと「あらそれは恋人同士という宣言」と切り返されてしまった。返す言葉もなくシートに腰を下ろし、差し出されたポットのコーヒーを飲みながら吉沢はさりげなく本題に入った。「ところでこの前の慰労会の日に藤木部長に似た人を見かけたんだけど。」と言うと「そう藤木さんよ、親の介護で辞めた人だけど、挨拶もしていなかったということで父に会いに来たのよ。何だか挨拶の割には1時間くらい父と話し合っていたわ。」と世間話のように返してきた。「何の話が積もっていたんだろう。」「内容までは知らないけど終わった後は暗い顔をして会議室から出てきたわ。」「お父さんは何か言ってた?」「もし、仕事の話なら私には何も言わないわ。」と言ってから「やだ、吉沢さんはここまで来て何か仕事の心配?恋人同士の話題じゃないわ。」と、どちらが年上か分からないような会話が続いた。三原ひとみの口調は会社の先輩後輩からまるで友達同士のようなものに自然に変わって行った。吉沢はそれを気に留めるというより寧ろ安心感のようなものを感じるようになっていた。

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