太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

爽やかな夢の終わり

2016-11-20 09:07:22 | 日記

(51)・・・

今年は去年よりさらに早く夏が終わりそうであった。吉沢は海辺の展示会の指揮をとっていたが、去年に比べてやや寂しい客足だった。海水浴客や浜辺で遊ぶ家族連れなどが早めに退散してしまったことによる。最後の後片付けも淡々となされており、その中で若い斎藤だけが張り切っていた。吉沢は「何だか張り切っているけど今年は少し寂しかったなあ。」と声を掛けると「こんな年もあるでしょう。それより続けることが大事ですね。次は来年の新作発表会ですから心機一転頑張りますよ。」と明るい声が帰ってきた。吉沢には心機一転の意味を深くは読みとれなかったが斎藤にとってはまさにやり直しの時期であった。大方後片付けも終わろうとした頃、吉沢は一人木陰でぼんやりと海を見ていた。浜辺に人影はまばらだ。もう1年経ってしまったか、早いなあと歳に似合わず感傷にふけっていた。その時、砂浜を歩いていた4,5人の娘の中から白いワンピース姿の一人が手を振りながら駈け寄って来た。「やっぱり吉沢さん来ていたんですね。久し振りです。もしかと思って。」数か月ぶりに見る三原ひとみである。少し日焼けして大きな黒い瞳は去年の夏と少しも変わっていない。唐突に「私結婚することになりました。この秋に式を挙げるの。もしかしたら吉沢さんと同じ頃かもしれません。」と言う。相手が誰だか聞くのも変だったが、彼女の方から父もやっと片付いたと大喜びですと言うので、新しい彼氏であることは想像できた。「吉沢さんとは妙な縁で、別荘や雨宿りのホテルで2度もチャンスがあったのにチットモ振り向いては呉れなかった。人生変わっていたかも知れないのにね。」と悪戯っぽく笑顔で言うなり、アメリカ映画の別れのように軽く唇を合わせたかと思うと身を翻し砂浜を遠くへ駈けて行った。何があったか分からないが天真爛漫なお嬢さんに戻っていた三原ひとみの性格は自分の周りには無い。少年のような憧れで砂浜に消えて行く後ろ姿を追い掛けていた。「2度のチャンス?」夢と現実が混乱した。後ろ姿を目で追いかける光景も1年前と同じだ。まだ夢の中?、しかし、頬を撫でる風は確かに微かな秋の冷気を含んでいた。

あとがき

ある日爽やかな夢で目を覚ました。続きはどうなるのかと淡い期待を持って夢の続きを見ないだろうか、と思ったがそうは行かなかった。それではもし、夢の続きを小説仕立てで綴ったらという気持ちで連載を始めた。夢から始まり夢で終わる、間を現実が埋めるというストーリー仕立てだけは考えていたが、進行は毎日考えた。いや本来の目的はブログのネタに困った時に挿入しようと思っていたが、いざ始めるとブログのネタ以上にストーリー展開が悩ましくなって行った。語彙も比喩も深く吟味することなく綴ったので小説とは言えない。もし、次の機会があれば読む人がハラハラドキドキしたりシンパシーを感じたり、ささやかな教訓となるようなものに挑戦する。擱筆

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