太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

間違って虎の尾を踏む

2017-09-15 09:56:07 | 社会観察

早朝また北朝鮮がミサイル実験を行った。北海道上空を超えて北太平洋に落下、前回より飛距離も高度も増して方向を変えればグアムに届くという。つい先日国連安保理で全会一致の制裁決議がなされたばかりである。こうなると果たして制裁が効果があるのかという疑問の声がますます強くなってくるに違い無い。官房長官の緊急記者会見では、断じて容認できない、最も強い言葉(北朝鮮ほど強い言葉ではないと思うが)で抗議する、国際社会と緊密な連携をもって対処する、発射から完全に捕捉しており国民の安全を第一(Jアラートが全て?)とするなど常套句の羅列である。

安保理の制裁決議は全会一致のため生ぬるいのではという意見も出て来るだろうが、全会一致にこそ意味がある。もし、中、ロの賛成が無く独自制裁、特に軍事行動に出たら今度は東西間で軋轢が生じ、場合によっては戦争に発展しかねない。NHKの記者が、放送では決して話題にしない、アメリカが軍事行動に走る可能性はあるのかと官房長官に質問した。予断を持って発言することはできないとはぐらかされたが。しかし、今一番懸念されることは北朝鮮が意図しないで虎の尾を踏む事である。もし、ミサイルの落下地点に米国の船が居り、偶然当たってしまえばアメリカ国内の世論は一気に軍事行動を容認するだろう。もし、ミサイルが何らかの不都合で日本国内に着弾したら米軍基地への脅威となりこれも攻撃理由となる。不幸にも日本の船舶や航空機が被弾したらどうだろう。アメリカの判断は微妙である。ヨーロッパ諸国のように遠くで起こっている、自分達に直接影響しないと冷静になってしまうのだろう。

こうも矢継ぎ早にミサイルを打つ事から、実験、改良というスタイルではなく、既に相当な数のミサイルを在庫しており、打つ種類と順番を政治的に決断しているとしか思えない。核実験は間隔があることから実験と改良を繰り返しているのだろう。即効性のある制裁は逆に暴発を引き起こし兼ねないと書いたことがある。石油の禁輸も一気にではなくジワリとやる(今回安保理決議が第一歩)ことが漢方毒のように効果があるのではないか、相手も考える時間が出て来ると思う。

虎は尾を踏まれると、条件反射のように体が動き一気に牙を向いて反撃に出る危険性大である。偶発的戦争勃発を阻止する仕組みやあるいは修復する機能があるのかどうかちょっと心配である。万が一アメリカが先制攻撃に出た場合、日本が支援、追随、軍事行動をともにするということはあるのだろうか。予断ではなくシミュレーションは必要である。勿論していても明かさないだろうが。

余談だが、何故ミサイルの度に列車を止めるのか、動いていても走っていても当たる確率は同じに思われる。しかし、これは直接被弾しなくとも線路に落ちると走っていては脱線の可能性がある。船舶はどうか。着弾点が分かっていればなるべく遠くへ回避(逃げ切れないが)行動はあるかも知れない。しかし、何処に落ちるか分からなければ止まろうと走ろうと同じである。人はどうか。小さな破片でも当たれば命取りである。頑丈な建物、地下への避難は有効である。しかし、何も無い大平原で作業している人は弾より早く動けない限り空を見上げるしかない。

戦争の覚悟など出来ていない時にこのような脅威に曝されるとは思ってもいなかった。この所ようやくおぼろげに北朝鮮の望みが分かってきた。核保有国であることと現体制の維持を世界が認めることの2点である。世界でも特にアメリカが認めることである。これが無ければ核やミサイル開発を止めることはないということである。制裁という漢方毒がある程度効いてきた所で漢方薬に切り替えてジワリと治療して行くシナリオはどこが練っているのだろう。



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