太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

安全宣言より先に安心宣言??

2017-01-15 09:27:12 | 社会観察

待たれていた豊洲地下水調査の最終(と言っていたはず)結果が公表された。ベンゼンが基準の79倍も検出されたとのこと。その他多くの箇所でシアンやヒ素が検出されている。多くの人が過去の調査結果からしてアレッと思っている。最も大変なことになったと思ったのは移転対象の関係者と小池知事だろう。私はいい、近くのスーパーは多分築地で仕入れるより近くの漁協の方が多いと思うから。東京の台所かも知れないが離れ過ぎた台所である。

マスコミがどのように伝えるかは大いに興味があった。購読新聞の特性であるが安心宣言に躍起である。地下水の環境基準は70年間毎日2㍑飲み続けていることを前提に設定されている(だから安心しても良いという意味?)とか、専門家の意見として某元国立の研究所の名誉フェローが「有害物質が揮発して地上に出て人が吸ったとしても濃度が相当薄く、人体に健康被害が出るとは考えにくい」とか京都大学の都市環境工学の教授が「地下水を飲み水として利用しないし、地表に上がってきたとしても濃度が下がるので深刻なものではない。地下水管理システムが動いたことで取り切れていない有害物質横方向に動き多数の地点で基準値を超えた可能性がある。」とも言っている。かって建屋地下空間に地下水が溜まっている問題の時、地下ピット(空間)の方が安全で地下水管理システムが稼働を始めれば溜まった水も治まるといったのも京都大学の土木関係の教授ではなかったか。

太陽電池の製造プロセスでも多くの有害物質が排出される。その処理のために何億円も掛けて排水処理施設をつくる。この設備費や維持管理費は何億円も掛り小規模生産事業者が現れ難いのはこのあたりの設備費も関係している。勿論有害物質の環境基準をクリアーするのが大前提であるが、我々の合言葉は「取水のときよりきれいな水を川に」であった。「毎日飲んでも大丈夫」と言う言いわけは通用しない。一体先生方は有害物質のライフサイクルのほんの一部の工程を切り出して安心といっているのだろうか。何処にも蓄積されたり濃縮される工程は無いと確信しての発言だろうか。どんな企業でも環境基準には最大限の注意を払い、出来なければ潰れる。

思い出すのは原発事故の時「直ちに健康に影響を及ぼすレベルではない」と連呼した政治家や「メルトダウンは起こっていない」強弁した大学の先生である。今回新聞報道された研究者や学者、教授、専門家の発言が一部を切り取られて曲解のおそれがある、と言うならそういう事をするのがマスコミであり、取材段階で分かるはず、脇が甘い。特に新聞社は何処と言えば報道ぶりは素人でも想像がつく。本気で発言通りに思っているならアウトである。安全宣言の前に安心宣言を出すことに加担しているか、自ら主犯となっていると思わなければならない。結果は憧れの研究機関でも憧れの大学でもなくなる。そのような先生が居たり研究者が居ると思うだけで若者は拒絶反応を起こす。安全宣言が出てから「もうこれで安心ですよ」と宣言する。

安全宣言を出すための方策は?もう石棺で覆うしかないのでは無いだろうか。巨大な要塞のようなコンクリートの箱船が豊洲に浮かんでいる絵である。工事費がバカ高く誰も負担できない?とんでもない、都民一人が毎日20円拠出したら1000万人居れば70年で5兆円くらいになる。毎日豊洲の水を2㍑飲むことは無いと言うより前にどうしたら安全宣言を出せるかを提案できる専門家や研究者、学者に期待している、