Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

ダリアの花、178

2017-05-17 16:06:28 | 日記

 「大丈夫ですか?」

直ぐに病室の戸口にお医者様が現れました。

蛍さんの父は驚いたように声の方を見ると、ああと、呼んでは来たんだなと呟きました。

 お医者様が寝台の傍に来るのを躊躇している様子に、蛍さんの父はお医者様を促しました。

「ああ、どうぞ、見てやってください、まだ意識はあるんですが、額が酷く腫れて、腫れた方の目がよく見えないようなんです。」

その言葉に、お医者様はハッとした感じで、

「意識はあるんですね。」

それは良かったと急いで蛍さんの所へやって来ました。

 上を見上げている蛍さんの瞳を上から覗き込んで、口から漏れる息に耳を傾けて、脈なども取っていました。

「驚きましたね、何処も異常はなさそうです。」

その言葉に父も驚いて、

「えっ、それでは蛍は助かるんですか?」

と素っ頓狂な声を出しました。

「当たり前ですよ、たん瘤が出来ていますから。」

そう答えた先生は、誰がこの子が亡くなると言ったんですか?と父に尋ねました。

「え、先生じゃないですか。」

父は非常に驚いて、真顔で先生にそう言うと、先生も思いがけず吃驚して父と顔を見合わせました。

「私が?」

と合点がいかない様子です。不思議そうにそれは何時の事とですか?と先生が尋ねると、父は

「さっき、病室の廊下で話をした時に、たん瘤が出来ていないから危ないかもしれない。」

と言われたじゃないですかと、父が言うと、お医者様は、

「それだけでしょう。それで如何して亡くなるという事になったんですか?」

と父に問い直しました。

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