Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

ダリアの花、147

2017-04-23 18:21:46 | 日記

 この時、彼らの笑顔に要領を得なかった者何人かは、地面に書かれた文字に近付いて眺めてみます。

そうして、遅かれ早かれ成る程と、どうやら彼等の笑顔に合点しました。

ここで、お坊さん達皆の意見はまとまったようです。如何ほどお願い致しましょうか等にこやかに話しています。

 眼鏡の男性も頭の中で、先ほど上がった声の言葉を組み立てていましたが、

成る程と、何処の世もお金ねと、この世界での世事を心得るとほっと安堵するのでした。

 「それで、何方にどれだけお要りようです。」

名前と金額をお願いしますよ。と、ズボンのポケットから手帳を取り出しました。

程無くして彼とお坊さん達の間のやり取りが終わると、彼等は先程とは打って変わった態度で神妙にお礼など言うと、

男性に一斉にぺこりと挨拶しました。その後、ではと引き上げて行く気配です。ぞろぞろと境内の奥の方へ歩き始めました。

 後には眼鏡の男性と蛍さんだけが残りました。

「いやぁ、おかげさまで助かったよ。」

眼鏡の男の人ににこやかに声をかけられて、蛍さんもにっこりと笑顔を返しました。

彼女の頬には可愛いえくぼが1つ出来ました。それを見てうんうんと男性は頷き微笑みました。

 その時です、行ってしまう気配だった墨染の集団の中から、

「いや、俺は納得できない。」

と声が上がりました。こんな事で済ませていいんですか。という声も続いて出て、どうやら彼らはざわついて来ました。

「あの石を磨くのにどれだけ苦労した事か。」

「本当にあれが来るという保証も何処にあるんです。」

騙されているんじゃないですか。という声が聞こえて来ました。

うむと、彼らの中の年長者も、若年層の声を聴き意見を翻そうとした矢先の事です。何処からか背広姿の中背の男性が現れました。

 「皆さんお約束の物ですよ。」

と、手に持っていた茶封筒を見知った顔の2、3人にほいほいと渡すと、

「後の方は名前を言ったら取りに来てください。」

と、如何にも手慣れた采配の仕方でその場を取り仕切ると、彼は手に持ったリストを見て早速○○寺さんと呼びかけました。

 最初に茶封筒を受け取った1人が、その袋の表の手触りから、

「何だい、羊羹かい、菓子は要らないよ。」

と言うと、もう1人が俺は菓子は好きだと言って直ぐに封筒の中を覗いてみました。

 「俺も羊羹は好きだが、この場は菓子では誤魔化されないぞ。」

と、また別のお坊さんが言い出しました。

「こんな羊羹の2竿3竿。」

と不満げに言うと、俺は誤魔化されないからなと、

彼はその手に持った封筒をほいと元来た先に差し出して、背広姿の男性に返そうとしました。

 

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