Jun日記(さと さとみの世界)

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牧歌の郷

2017-10-19 10:43:04 | 日記

 記念撮影が終わったところで、Dさんと私は別行動に移ったようです。私は時間を見て集合場所へと向かい始めました。私はよほど気になるものがない限りは何時も早めに集合場所に来ていました。

 歩いて行くと、芝の所でAさんが先ほどの鳥と睨み合っている所に出くわしました。初めに歩いて行った芝生とは違うような気がしましたが、緑の芝生の上に先程のガンの1種らしい鳥が1羽いました。鳥も何だか険があるような雰囲気でAさんと見つめ合っています。

 「何かあったんですか?」

と、私がAさんに声をかけると、この鳥がね、とAさんが何か話をされかけた時だったでしょうか、ドドド…というような耕運機の音が響いて来たので、私は芝生から目を逸らし自分の周囲を見回しました。何処から音が聞こえてくるのか特定しようとしたのですが分かりませんでした。

「何処かで耕運機で土を耕しているんですね、新しい植物を植えるんですね。」

私がそんなことを言いながら、再びAさんに向き直って芝生の方を見ると、先程の鳥と同じ鳥が3、4羽ごろごろと芝上に横たわっていました。中には長く白い首を伸ばしている物もいました。ちょっと視線を外している間に、こんなに鳥が増えているなんて、しかも皆ぐったりと生気なく芝に身を横たえています。

「この鳥、ついさっきまで元気じゃ無かったですか?」

と、私はAさんに問いかけてみますが、Aさんは鳥を見つめたまま無言でした。何だか不思議だとその場の様子が飲み込めないでいる私に、「行きましょう。」とAさんは、私の腕を取ると私が元来た方向へと歩き出しました。私にすると進みたい方向が逆になってしまうので、私はもう集合場所に向かうのだと彼女に伝えました。

 そこで、Aさんと私は別れて歩き出すと、私の方は元の出発地点のヴィクトリア・ゲート付近へ戻って来ました。そこには他にも既に戻って来ている人達がいました。私はその人達から、まだ時間があるからゲート付近にあるお土産屋で何か品物でも買ったらと勧められました。自分達も買って来たけれど、色々と沢山商品が有るし、良い物が一杯有ったという事でした。見るだけでも素敵でよかったという話に、私は勧められるままにその土産物売り場の建物に入って行きました。

 成る程、中には沢山の商品がありました、空中に吊り下げられている商品も多くあり、建物一杯に見る物がとても多く有った場所でした。しかし私はここでは特に何も買わなかったように思います。私が念入りに楽しく商品を見て回っていると、後ろから自分の名前を呼ばれて振り返りました。そこにはAさんが立っていました。見るとAさんの胸元に30センチはあろうかという小人のぬいぐるみがくっ付いていました。何だか布製の、小人のぬいぐるみ型の巨大なブローチのように見えました。私がそのぬいぐるみをよく見ると、両目は閉じられていて、その顔の肌は絹のように細かで滑らかな白さでした。お白いで化粧したように白い肌、頬も紅が差してあるようなバラ色でした。

 『Aさんって、こんなぬいぐるみを胸につける趣味の人なのかしら。』と、私は不思議な気がしました。じーっとぬいぐるみの顔を見詰めると、何だかぬいぐるみの頬の紅の赤い色が増して、小人の顔が上気したように感じました。

 「こんな小人のぬいぐるみが好きなんですか?」

私はAさんに聞いてみました。するとAさんが、ぬいぐるみって…と言うと、私のこの場所にそんなぬいぐるみが付いている?小人の?と胸の小人のいる辺りを指さして言われます。私が微笑んでええと言うと、Aさんは、私はそんな物付けて無いし、そんなぬいぐるみなんて見えないわ。と言われます。えーっと、変ねぇと私が首を傾げると、Aさんは、

「でも、私も○○さんにさっき会ったら、あなたの言った所に小人のぬいぐるみを付けていたのよ。」

と言われます。私には見えたけど、○○さんは見えないみたいで知らないと言っていたわ…。○○さん本とに見えて無いみたいだったわ。と、Aさんは考えながら独り言のように言っていましたが、ちょっとごめんなさいと、くるりと向きを変えると、私から離れて出口に向かって歩いて行ってしまいました。私がその後ろ姿を見ると、Aさんの背中にもう1個、小人のぬいぐるみがくっ付いているのでした。

 『○○さんに会いに行ったのね。』私はAさんを見送りながら思いました。その時、私はAさんが人を担ぐような人ではないと思うと。今起こったこの出来事が何だか不思議な出来事に思えました。そして、その後、私もこの後に屋外でDさんに出会った時に全く反対の、同じような経験をしました。私がAさんにとったと同じような反応でDさんから「あなたそんな趣味だったの?」と言われたのです。

 「もしかしたら、胸のこの辺りに小人のぬいぐるみが付いているんですか?」

と私は言わねばなりませんでした。そして、私はAさんとの一件をDさんに話し、私にはそんなぬいぐるみは全然見えないのだと説明すると、Dさんも怪しく思われて、自分にもぬいぐるみがついていないかしらと心配そうに言われました。その時、私には全然ぬいぐるみの姿が見えなかったので、Dさんにはくっ付いていないと言い、自分にも何も付いていないように見えると答えたのでした。

 先にAさんの一件があったので、もしかしたら自分には見えないけれど、さっき見たAさんのぬいぐるみの様な小人が自分の胸にもくっ付いているのだろうかと、私は半信半疑、気味悪く思い、自分の胸の当たりをパンパンと払ってみるのでした。

 私はAさんやDさんに担がれたのでしょうか?2人はこの旅行以前から互いに知り合いだとは聞いていましたが、そんな悪ふざけをする人達には見えませんでした。もしかすると、私は渡航して今まで、国内では経験の無かった未知の植物の芳香に雑多に触れたせいで、一種の幻覚症状が出ていたのでしょうか?この事は今でも記憶に残る奇妙で不思議な出来事です。未曽有の出来事であり、その後も現在まで経験がありません。

 この出来事、見えない事が不思議だという事が自分でも分かっていました。何だか物事の判断が今一つ付かない状態、ぼっつとして全ての出来事が楽観的で気楽な状態であったと思います。

 私は渡航以前にハーブに関する分厚い本を読み、芳香性の植物はその多くが幻覚作用を含み、その多くが殆ど毒であるという知識を得ていました。それで、当時この状態をさもありなんと思うと、特にこの出来事を大袈裟に取り上げて騒ぐという事はしませんでした。

 (折角載せましたが、殆ど印字が見えません。前回書いたオランジェリーのお土産店で買った買い物のレシートです。日付は、20-07-2000 11:12とかろうじて読み取れます。クッキーは2箱しか買わなかったようです。この時間から考えると、集合時間は12時に近かったようです。)

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