Jun日記(さと さとみの世界)

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ダリアの花、163

2017-05-06 11:14:55 | 日記

 ここ迄の向日葵に纏わる蛍さんの話を聞いて、光君の祖父は言いました。

「それでは、君は向日葵が怖いんだね。」

何だか彼女の長話に飽き飽きしたという風情でしたが、蛍さんにそんな彼の感情を読み取る力などありません。

「違うわ、私向日葵は大好きよ。怖くないし。向日葵はお花だもの。」

と、蛍さんはびっくりして答えました。

 「お花が怖いなんて、お花は可愛いか綺麗な物よ。」

そう言う蛍さんの顔を笑って眺めながら、光君の祖父は蛍さんの本心を見透かしたようにこうも言うのでした。

「でもね、君は確かに向日葵を見て化け物だと思い、逃げようと思ったじゃないか。」

そう祖父に指摘されると、蛍さんは自分の心の中の闇を言い当てられたようでやや狼狽しました。

 「それは確かにそう言う時もあったけど、その後よく向日葵を見て、普通のお花だと分かったから、お花は動けないし、そこに咲いているだけだもの。」

どんなに大きくても怖くないわ。それより、向日葵ってあんな小さな種から、とても大きくて立派なお日様みたいな花を咲かせるんだなぁって、

そう思うととてもステキな花だって、ホーちゃんは今は思っているんだから。

そう蛍さんは、はっきりと強い口調で言うのでした。負けん気の強い彼女は弱虫や臆病者だと思われたくないのでした。

 「それに、先生が…」

そう言って蛍さんは言い淀みました。何だか自慢話のように聞こえそうで、彼女にすると言い出しにくかったのです。

それに?、光君の祖父はそこに彼女の秘密めいたものを感じて蛍さんの話を促しました。

「先生が如何したの?何かしたのかね?」

君の目の前で向日葵でも叩き折ったのかね、などと冗談を言うと、まさかと蛍さんは答えました。

 きちんと向日葵を見て、他の子みたいに逃げたりしないで、向日葵の事をよく分かってくれたから、

向日葵はきっとホーちゃんの事を好きよ、って言ってくれたの。

だから、ホーちゃんも向日葵の事を好きになってあげたの。

他の子達が皆嫌いだって言うから、向日葵が可愛そうになったの。

ホーちゃんだけでも向日葵の事を好きだと言って上げる事にしたの。

だって、私の好きな黄色い花だし、お日様みたいに輝いているから、私の事を好きでなくても、ホーちゃんは向日葵が好きなの。

 「確かに最初は怖かったけれど、今は全然そんな事無いし、とても好きになって、今は1番好きなお花なのよ。」

そう蛍さんは輝くような笑顔で光君の祖父に答えるのでした。

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