Jun日記(さと さとみの世界)

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ダリアの花、116

2017-04-04 14:09:52 | 日記

 その蛍さんの不服そうな膨れた顔を見て、大奥様はまぁと、本当にあちらさんのお子さんだわと合点されるのでした。

「お父さんの妹さんの子供の頃にソックリの膨れっ面よ。」

成る程あちらの家の血筋のお子さんだわ。この膨れっ面も血筋ねぇと、蛍さんの頬をキュッと抓るのでした。

「痛い!」

急に抓られた蛍さんは、思いも掛けない出来事と、大奥様の抓り方が案外にも痛かったので、思わず声を上げると、

今までの緊張が堰を切ったように溢れ出て、わーっと泣き出してしまうのでした。

 このお寺の男のお坊さんの方は親切だったのに、女のおばさんの方は乱暴だなんて…、

何時もは近所のおじさん達よりおばさん達の方が親切なので、男の住職さんでさえとても親切だからと、

お寺の女の人はより親切なのだろうと期待していた蛍さんだったのでした。

それで予想外の事に余計にショックを受けてしまったのでした。

泣き出した蛍さんはなかなか泣き止むという事が出来ませんでした。むせび泣いてしまいます。

 到頭泣く子には勝てないと、大奥様は弱り切ってしまい、子供の泣き声は嫌いだからここは任せましたよと、

蛍さんを若奥様に任せると奥の座敷へとそそくさと消えてしまいました。

 そこで若奥様は鉛筆やメモ帳など用意して、蛍さんの両親の名前や電話番号等、祖父母の名前から母の里の住所や名前等まで、

聞けそうな事、蛍さんの言えそうな事を聞き出すのでした。

あとは聞き出した事について裏付け調査というのでしょうか、メモを頼りに電話などで連絡して聞いてみます。

調べた結果を大奥様とも相談したり話し合ったり、不思議な事だと首を傾げながら、また2人で本堂まで戻ってきました。

 そこで、お寺の墓所から出てくる蛍さんの父に気が付きました。

「おや、噂をすればで、当の本人があんな所をうろついているじゃないですか。」

蛍さんの父を目ざとく見つけたのは大奥様でした。彼を指さして若奥様に知らせます。

「お前ちょっと言ってあの人にこの子の事を話して来てくれないかい。」

そう言われて若奥様は戸惑います。如何話せばよいでっしゃろと言うと、不安気な様子です。

私の話で通じるでしょうか。とやや狼狽えた雰囲気です。

 大奥様はほれそれと、一寸言い淀んでおられましたが、まあいいわと、

私が言ってきますからと、蛍さんの父が見えた所へと立って行かれました。

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