Jun日記(さと さとみの世界)

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三文小説(5)

2017-07-25 08:29:09 | 日記

 注意してその様子を眺めてみると、聞こえてくるのは松山君の派手派手しい声ばかりです。もう1人が何か喋っているのはその口の動きから分かります。それらしい声も聞こえます。が、その内容はよく分からないのでした。喧嘩相手の声質のせいなのでしょう。その為、松山君の声ばかりがクローズアップされ、彼自身が目立って見えるのでした。

 『あの人、確か松山君という人じゃないかしら。』野原さんは思いました。野原さんは彼の顔に見覚えがあり、彼の名前もその時迄に知っていました。何故なら、彼女はこれまでの研修中に、何人かの男性社員と松山君がグループで話す姿を見、彼らが名前を呼び合うのを聞いていたからでした。松山君のグループは、入社以前から顔見知りの友達のグループのようでした。彼等は賑やかなだけに、野原さんだけでなく直ぐに同期の人の目についたのでした。


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