じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「三木派」がなくなるという

2017-06-30 11:49:22 | Weblog
小説吉田学校〈第4部〉金脈政変 (1981年) (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店


☆ その夜、椎名副総裁は書斎でブランディの水割りを手にしていた。彼の意中には三木武夫の名前があった。

☆ 戸川猪佐武著「小説吉田学校」(角川文庫)、第四部「金脈政変」(304頁)の情景である。

☆ 田中総理が金脈問題で退陣した後、その後継者選びは椎名に託された。

☆ 話し合いか、公選か、あるいは暫定政権か。大平、福田、三木、中曽根。この領袖たちや彼らを取り巻く人々の思惑が飛び交う中、椎名の肚は早くから決まっていた。要はどうやってそれを実現するか。

☆ 彼は、粘り強い根回しや巧みな戦術で、三木後継を他の領袖に認めさせてしまう。

☆ 後継選びに敗れた大平を田中がなだめるシーンがある。

☆ 「総理・総裁になるというのは・・・しょせん運命なのだ」(327頁)

☆ 続けて田中に独白させる。「大臣、実力者は、その人間の力量、器量、努力で、そうなれる、しかし総理・総裁になるには、半分以上、運命だ・・・と思ってきた。」「いま、総理・総裁の目はないとみられ、そういわれてきた三木に、総理・総裁の椅子がまわったというのも、ひとつは時代のせい、ひとつは椎名工作の妙であったとしても、やはり、その底部に、運命の不思議な作用があったのだ。大平が、いま政権を逸したのも、それだろう。」(327-328頁)


☆ 世界が東西に分断され、衆議院が中選挙区であった時代。派閥が大きな力をもっていた時代。

☆ ボスが天下国家を論じ、カネや義理人情、裏切りで人々が離合集散していた時代。嫉妬や欲望のドロドロとした人間ドラマが行われていた時代。

☆ 自民党の長期政権を支えていたのは、案外こうした権力闘争なのかも知れない。


☆ 三木派は、少数派閥ながら、田中金脈後の三木内閣、リクルート事件後の海部内閣とクリーンなイメージで自民党を支えてきた。その派閥が麻生派に合流するという。時代の流れに、「小説吉田学校」を読み返してみた。 
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