茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記29年6月26日「頭痛が酷くてたまらない?」

2017-06-26 09:20:55 | 日記

『頸・肩・背中・腰が痛く、酷く頭痛がして眼もかすみます。』と患者さんがお見えになりました。

「そんなに一度に沢山の症状に対応できる?」と思われるかも知れませんが、最初に「本治法」で病の大本を治療し、その後に「標治法」で局所に鍼と灸をすれば症状は改善します。

鍼灸治療は慢性の痛みや凝りの緩和に良く効きます。

今回お体を拝見すると頚部と肩部の凝りが著明で頭痛と眼の症状は頚と肩の凝りにより頭部への気血の流れが阻害された事が原因で天候的にも梅雨の時期で湿邪の影響もあるのではないかと思われます。

現代医学的には、「頭痛」は「筋収縮性頭痛」の締め付けられるような痛みと、「血管性頭痛」の拍動性のズキンズキンとした痛みに分けられます。
その中で「血管性頭痛」の中の「偏頭痛」は女性に多く男性の4倍に上るというデータがあります。
慢性の頭痛でお悩みの女性の方も多いのではないかと思います。

東洋医学的には「頭痛」は痛む部位によって関連する経絡があり、当院では経絡の流れを考えて治療いたします。
簡単に示しますと
側頭部痛:少陽経頭痛 (関連する経絡は、胆経・三焦経)
前頭部痛:陽明経頭痛 (関連する経絡は、胃経)
後頭部痛:太陽経頭痛 (関連する経絡は、膀胱経)
頭頂部痛:けつ陰経頭痛(関連する経絡は、肝経)
となります。

また「頭痛」をもたらす原因として、肝陽上亢・痰濁・瘀血・気血両虚・腎虚などが考えられます。

今回は後頭部痛という事なので、太陽経頭痛 (関連する経絡は、膀胱経)と考えられます。東洋医学では膀胱経は腎経と表裏関係にあります。

腹診で証を「腎虚証」と判断し「本治法」で頭部に昇った気を下げる治療を行った後に天柱・風池・四神聡・百会・四白・太陽などに鍼をして、ビワの葉温灸を腎の場所に当て「腎温補」をしました。

頭部に昇った気を下げる治療は今回は「逆治」を用いました。

治療後は頸凝り・肩凝り・背中の凝り・頭痛も治まり、眼が開くようになり、赤かった顔色も白くなりました。「頭痛」には鍼灸治療がよく効きます。

「痛み」というものを、東洋医学では「気」であると考えます。気血が阻滞すると痛みが発生する事を「不通則痛」と言い。気・血・精の不足などで臓腑・経絡が滋養されないと痛みが発生する事を「不栄則痛」と言います。

つまり「気」の異常が「痛み」であると考えます。

鍼灸治療+ビワの葉温灸で治療後は痛みと凝りが和らぎ頭痛も治まりました。今回は梅雨時の気候の変化で気血が阻滞、気・血・精の不足などで痛みと凝りが起きたようです。

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