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■日本の医療事情

2016-10-23 | ●年金と社会保障

                   シニアのための
■■■■■
■■■■■「日本の医療事情■■■■■■■■■■

いま、TPPの貿易自由化で問題になっているのが、「医療」と「農業」の
領域だ。
特に「医療」では、TPPによって世界に冠たる国民皆保険制度が
崩れるのではないかという危惧が提起されている。
このあたりは、国益を前提にした今後の安部政権のTPP導入の対米折衝
に期待し
たい。

■「膨張止まらない国民医療費

●さて日本の医療事情だが、日本の医療費は、平成25年 遂に40兆円を
突破した。13年連続増である。
中でも特に目立つのが、75才以上の高齢者医療費である。昨対で2,3%
増えた。しかも国民医療費全体の36%、約3分の1を占める

・75才以上の高齢者が使用した医療費は、1人当たり平均93万1000円、
・75才未満の高齢者の使用した医療費は、1人当たり平均21万1000円
4倍以上の高額である、しかも終末医療など、まだまだ増加の傾向にある。

●因みに、75才以上の高齢者の医療費負担は、(政府健康保険)
75才以上の高齢者 約1610万人
後期高齢者医療費(27年度予算) 160兆円
          ・ 公的給付額    148兆円
          ・ 後記高齢者負担額 12兆円(高齢者平均保険料
5670円)

●その医療費の負担内訳はーーーーーー
・本人負担 医療費の1割
・公費負担 医療費の5割
現業負担 医療費の4割現業の若い人が国保保険から支援金として負担
後期高齢者医療費は、その約4割にあたる60兆円以上を、現業の人たちが
負担していることを決して忘れてはなるまい。

●2015年国民医療費は、厚生労働省発表によると41,6兆円(1,6兆増)
その内訳はは、
・入院   16,4兆円(39,6%)
・入院外 14,2兆円(34,3%)
・歯科    2,8兆円( 6,8%)
・調剤    7,9兆円(19,0%)

             
●次に問題なのは、調剤医療費である。2015年の調剤費の「伸び率は
2,3%増で、診療費の1,6%を大きく上回り、多剤投与や患者の残薬などが
大きな問題となっている。

■「GDP(国内総生産)の推移
(年度)              (国民医療費) (GDP) (主な政権) (総理大臣)
1989年(平成元年) 19.7兆円 416兆円 宇野宗佑、海部俊樹
1990年(平成 2年)  20.6兆円 452兆円 海部俊樹
1991年(平成 3年)  21.8兆円 474兆円 海部俊樹
1992年(平成 4年)  23.5兆円 483兆円 宮澤喜一
1993年(平成 5年)  24.4兆円 483兆円 宮澤喜一、細川護熙
1994年(平成 6年)  25.8兆円 496兆円 細川護熙、羽田孜、村山富市
1995年(平成 7年)  27.0兆円 505兆円 村山富市

1996年(平成 8年)  28.5兆円 516兆円 橋本龍太郎
1997年(平成 9年)  28.9兆円 521兆円 橋本龍太郎
1998年(平成10年) 29.6兆円 511兆円 橋本龍太郎、小渕恵三
1999年(平成11年) 30.7兆円 507兆円 小渕恵三
2000年(平成12年) 30.1兆円 511兆円 小渕恵三、森喜朗

2001年(平成13年) 31.1兆円 502兆円 森喜朗、小泉純一郎
2002年(平成14年) 31.0兆円 498兆円 小泉純一郎
2003年(平成15年) 31.5兆円 502兆円 小泉純一郎
2004年(平成16年) 32.1兆円 503兆円 小泉純一郎
2005年(平成17年) 33.1兆円 505兆円 小泉純一郎

2006年(平成18年) 33.1兆円 509兆円 小泉純一郎、安倍晋三
2007年(平成19年) 34.1兆円 513兆円 安倍晋三、福田康夫
2008年(平成20年) 34.8兆円 490兆円 福田康夫、麻生太郎
2009年(平成21年) 36.0兆円 474兆円 麻生太郎、鳩山由紀夫
2010年(平成22年) 37.4兆円 480兆円 鳩山由紀夫 菅直人

2011年(平成23年) 38.6兆円 474兆円 野田佳彦、安倍晋三
2012年(平成24年) 39.2兆円 474兆円 野田佳彦、安倍晋三
2013年(平成25年) 40.1兆円 483兆円 安倍晋三
(出所 政府統計を基にRAY Cruise Inc.)

■「自由診療と世界の現状
自由診療が主体の海外の国々では、日本と異なり、手術などの治療費が非常に
高いという話をよく聞く。 こういう話を聞けば聞くほど、国民皆保険制度が充実して、
医療費負担の安い日本に生まれてよかったと感謝している。

     

●例えば、国民一人当たりの年間受診回数は、-------
日本は21回、しかし欧米では日本のほぼ4分の1しか受診しないという。
少しぐらい具合が悪くても、病院にはいかないのが実情のようだ。
その理由(わけ)は、医療費が大変高いからと言われる。

1回当りの総医療費を比較すると、(2014年調査)ーーーー
日本           7000円
・米国         6万2000円  
・スエーデン  8万9000円

●入院日数で見ると、日本は平均33,5日だが、米国は7,8日と短い、
但し日本の場合、福祉の遅れから、患者の帰る場所がなく、仕方なく社会的入院に
なっているという説もある。
自宅で面倒を見てもらえない、お一人さま高齢者の入院
が増えているという実態も
あるようだ。

●その結果、日本は世界一安い医療を平等に受診できるが、日本の医療は患者

多く、医師が少ないため外来診療はいつも待たされる、そして診療時間が短いという
不満も募るという。
●逆に欧米では、患者が少ないので診察に十分な時間がかけられ、患者の満足度
は極めて高い。そこで海外の医療費と救急費用の実態を調べてみた。

     

■「世界の治療費の実態
 (世界の都市名)  (救急車費用)             (盲腸手術総費用
●ハワイ・ホノルル   公営 5万1780円~6万7980円                    256万円
●ロスアンゼルス   公営 4万5900円             130万円~173万7100円
●ウィン           民営 1万9500円~2万4400円            127万3500円
●ローマ                     0円                    121万7600円
●アテネ                     0円                        113万6 500円
●ゴールドコースト  公営 9万 700円                     102万1100円 
●パース         民営 5万8200円                40万円~102万1100円
●マドリード                    0円                        101万4400

(出所:トリップアドバイザー2012) (為替、1円平均約80円で試算)
●海外旅行のときは、不意な病気や怪我を想定して海外保険にはいれれた方が安心だ。

     

■「3人に1人の認知症社会がやってくる
2025年認知症が730万人に急増の予測
突然、エース社員が、親の介護のために企業を去っていく。
●年間10万人が、親族の介護を理由に職場を去っていく。
●医師は、都心に集中。
●認知症、2025年には730万人、高齢者の3人に1人が危ない。どうする。
●店頭の万引きは、ほぼ高齢者の犯罪、。
●銀行窓口、既に、高齢者の失禁と暴言が絶えない。
高速道路逆走の4割は、認知症の高齢者。
●認知症高齢者の行方不明、毎年1万人以上。など


しかし、いま多くの認知症ケアサービスが立ち上りつつある
●医療と介護の企業連携
●介護離職を防ぐため、休職支援制度を採用する大企業が増加、
●家事代行サービス 認知症ケアー(ダスキン)
●認知症おひとり様向けケアーと宅配食、食材配送(生協やワタミ)
●見守りケアーサービス、居場所確認(セコム、ALSOK、日本郵便、ヤマト運輸)
●銀行の金銭管理(りそな銀行ほか)
●成年後見人のサポート(公的サポート)
●認知症サポーター養成所(イオン講座)
●認知症予防教室(コナミスポーツクラブ)

(高齢者自身の健康志向の高まりが、問題解決の第1歩
どちらにしても、急速に進む高齢化と、膨張する医療費と、認知症高齢者の増加
と医師の不足は、当面する日本の大きな社会的な課題である。
まず、なにはさておき、高齢者自身が、自身の医療について、社会的見地から見直
す必要があろう。 
なんでも医療依存とか、薬依存とか国依存の高齢者医療の問題は、高齢者の健康
志向による自制意識が生まれない限り、決して解決する事はない。
そのためには、まず高齢者シニア自身の健康は、自分で作るという自覚と覚悟と努力
が絶対に必要となる。 
健康は、すべての幸せのインフラ(根源)であることに紛いない

■「日本の医師の分野別実情」(専門別医師数) 2013年現在の資料
 
(科目)           (専門医師数)
●外科            19144人
●総合内科         14647
●消化器病          14204
●整形外科           14188
●小児科             10972
●一般病院連携精神医学   374
●新生児 周産期         362
●生殖医療              307
●熱 傷               197 
●レーザー            164

■「日本の医師の働き方の実情
開業医)(かかりつけ医として地域住民の健康を管理
●在宅診療医 在宅高齢者介護医療に24時間体制で従事
●学校医
●自由診療専門医
●海外ボランティア医  
●フリーランス医
●勤務医 病院勤務--
●産業医
●麻酔医
●介護施設勤務医
●海外勤務医
●船 医
●防衛医官
3 (12pt)
●画像診断医
●研究医 診療をしない医師--
●監察医
●医系技
製薬会社勤務医
(出所;厚生労働省資料)

●(注)タイの医療は、世界でも、トップクラスの水準にある
既にタイの医療は「メディカル ツーリズム」と呼ばれて、世界の注目を集めて来た。
タイの海外ロングステイが、旺盛になった背景には、生活滞在における医療の質的
高さから来る安心感が、もたらしたとされている。
次回の医療特集は、タイの「メディカル ツーリズム」について、触れたい。

 


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