「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

本田圭祐選手、長友佑都選手、私(たち)は、ただ、ただ感謝しているから。

2014年06月26日 15時32分55秒 | FIFA、サッカー協会

W杯ブラジル大会、まだまだグループリーグの途中だが、日本では終戦だ。これでメディアも潮が引くように静かになるだろうし、監督・選手たたきが中心となるだろう。

監督については、2つ前の書き込み、6月22日の「ザッケローニ監督への批判がいよいよ表面化してきました」のところで、言い尽しているので、何も書くことはない。

選手たちは、さぞ悔しいに違いない。

本田圭祐選手は、とにかく目標は優勝と広言してきたから、グループリーグ敗退という結果は、どれほどの悔しさか、心中察するに余りある。

本田選手は、つらくとも結果に対する批判の嵐は覚悟しているとコメントしている。

長友選手は、悔しさが募って記者会見中にこらえきれず涙した。この心境も察するに余りある。

けれども、私(たち)は、声を大にして言いたい。あなた方には十分、可能性を感じることができたし、優勝と広言することも、勝負に向かう人間が、自信なさそうではダメなのであり、仮にベスト8やベスト4を狙うには優勝を目指す気持ちと鍛錬がなければ資格がないという世界であることを、私たちは十二分に知っているから、と。

決して、ただの放言で優勝と口にしているのではなく、高い目標に挑戦する気概がなければ、世界の勝負に打って出ることなどできないということを。

前回大会で、岡田監督がベスト4を目指すと選手たちを鼓舞してグループリーグを突破できたのと、まったく同じ気概なのだ。

そして、本田選手は、周りも自らも、このチームの中心となっていく中で、すべての責任を引き受ける気持ちで「目標は優勝」という方向性を示し、チームを鼓舞し続けてきたということも、私(たち)は、よくよく分かっている。

長友選手が、そんな本田選手の気持ちに沿うように優勝と言い続けてきた気持ちもよく分かっている。

長友選手は「監督に勝たせたかった」という気持ちも涙のわけの一つだったと記事にありました。私のように「この監督は戦争指揮能力の点で劣る監督なのでは・・・」などと疑いを持たず、ひたすら信頼関係に結ばれた監督に勝利をプレゼントしたかったのですね。まっすぐな日本人だなぁ、とあらためて感じる。

大会前、私は、監督がアジアを勝ち抜ける監督ではあっても、世界の勝負に勝てる監督としては力不足ではないかと不安をぬぐいきれませんでしたが、なにせ、ミランの本田、インテルの長友、マンUの香川、シャルケの内田、欧州日本人得点記録更新の岡崎、これだけのタレントが揃っているのに信じないのはおかしいと、自分を戒めながら応援しようと、気持ちを新たにしたことを思いだす。

とにかく、これまでの日本代表との比較では、まぎれもなく史上最高のタレント集団になったことは間違いのない事実だったから、大いに希望を抱きながら大会を迎えたのだ。

だから、声を大にして言いたい。本田圭祐選手、長友佑都選手、私(たち)は、ただ、ただ、あなた方に感謝しています。どうか、そういう日本人も多いということを感じてください。そして、いままで以上にサッカーを通じて成長していってください。私(たち)は、心から、それを願っています。と。

私なりに、大会の結果を振り返れば、幾つか指摘しておきたいことがある。

まず長友選手、岡崎選手という攻撃の主力二人が疲労困憊だった。欧州リーグの過酷な日程の中でフルパワーで活躍し続けてきた二人、本来なら2週間以上のオフをとって代表に合流させるべき疲労状態だったが、即合流して、しかも、本大会までに一度身体を追い込むというメニューを課せられて大会を迎えた。これは完全にコンディショニングの失敗だ。

なかなか出場機会に恵まれなかった選手は、いわば、使い減りしていない状態なので、少々の追い込みはどうということなかったかも知れないが、この二人は完全に、ヘロヘロになって大会に入る形になった。それでも、この二人は言い訳もしないし、グチもこぼさないから、気付かない人たちも多いと思うが、チームスタッフたちは気づいているはずだ。それでも回復させるコンディショニングを取り入れなかったのだから、責任がある。

特にブラジルの試合地という過酷な条件があった中でのコンディション作りは、代表選手たちの大会前の疲労度をにらみながら、細心の注意が必要だったが失敗した。このこともしっかり検証されなければならないと思う。

次に香川選手、彼はドルトムント時代の香川選手ではなくなっていた。マンUに移ってからの試合勘不足のため、本来の「若武者のような切れ込み」「とにかくゴールに向かう積極姿勢」までドルトムントにおいてきてしまった。今大会の香川は、前回大会の中村俊輔選手と同じ状況だったのだ。岡田監督なら、そこは見切っただろう。ザッケローニにはそういう洞察力がないのだ。

本田選手は、孤軍奮闘だった。とにかく有言実行、前からプレスをかけ続ける姿勢には頭がさがった。いかんせん、本田とともに攻撃を形作る香川、岡崎、長友、この3人の状態が悪いため、イメージしたコンビネーションが作れる状態でなかったことが気の毒だ。

あとは守りの問題、結局、日本らしい攻撃サッカーで世界を驚かせたいとザッケローニが幾ら言っても、守備の整備をおろそかにしてW杯に勝とうという、その姿勢がそもそも間違っている。日本の守備陣のレベルは、個々の力量から言えば世界ランクの下のほうなのだから、攻撃と守備のバランスのとれたチームというのは、現状の守備陣では無理な話なのだ。

日本代表決定前夜にも、闘莉王は入れるべきだとか、いろいろ候補選手の名があがったが、そもそも4年間、守備陣を育てたり強化するという発想がなかったのだから、話にならない。

よく、岡田監督の時は守備重視が過ぎて、あの成績が限界と言われたが、少なくとも、今回、あの守備レベルより落ちたことが問題なのであり、攻撃も重視するけれど守備をどう整備するかは、世界を戦う指揮官の当然のテーマなのだ。

最後に繰り返して同じことを言いたい。本田圭祐選手、長友佑都選手、私(たち)は、ただ、ただ、あなた方に感謝しています。どうか、そういう日本人も多いということを感じてください。そして、いままで以上にサッカーを通じて成長していってください。私(たち)は、心から、それを願っています。

何度も、私(たち)と、(たち)で書いたのは、私の書き込みではあっても、多くの日本人の人たちも共感してくださることを信じて疑わない気持ちを込めるためです。(たち)の人々が何千人、いや何万人も何十万人もいるはずだと信じているのです。きっと間違っていないはずです。ただ、確かめたわけではないので、「私たち」と書かずに私(たち)と書いたのです。

今大会、少なくとも日本国内での興奮の潮が引くような、この時期に、どうしても書いておきたかったことです。

W杯ブラジル大会は、これから決勝トーナメントに入っていきます。日本国内の興奮の潮が引いても、私たち「世界のサッカーファン」の興奮のボルテージは、上がることはあっても下がることはありません。


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