シャンテ サラ

独断と偏見で世相・経済からマンガまで 楽しい内容を目指します。 音楽とオーディオ関係の「シャンテサラ2」も統合しました。

サムスンは原因を未だ究明できていない

2016年10月25日 | 電子産業は花形?
左写真は、ズボンポケットに入れた「ノート7」が激しく発火する様子 (TBS ニュース から)。 右はへらで接着された電池をはがしている様子 (iFixit 分解記事から)。
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サムスン電子の最新スマホ Galaxy Note7 は、とうとう “爆発物扱い” になってしまいました。 右写真を見ると、電池がこんなに大きいんですね。 これが電気エネルギーを貯め込んで、ショートすると 左写真のようになるわけです。 相当大きい “発火・爆発物” ですね。
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『サムスン ノート7から煙、国内空港で初 関空』(10月21日 朝日新聞)
『ギャラクシーノート7の機内持ち込み禁止、米政府が緊急通達』(10月15日 CNN)
『米運輸省、ギャラクシーノート7 の機内持ち込みを全面禁止』(10月15日 AFP=時事)

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「米国内で9月15日にもリコールされましたが、13日 サムスン米国法人と米国消費者製品安全委員会 (CPSC) は、再度 Note7 のリコールを行うと発表しました。 今回のリコールでは、前回リコール時に交換された製品も対象となる。 リコール端末数は計 190万台で、前回実施時から 90万台増えた計算」(10月14日 RBB TODAY) と、スマホ史上で最大のリコール数を記録しています (実際の販売数は 100万台ですからリコール2回分でしょうか)。

注目点は、サムスン電子自身 発火・爆発の原因を “究明せずに” Note7 を交換、交換した Note7 でも発火したことです。 交換前の Note7 と交換後の Note7 の何が違うかというと、バッテリーメーカーを換えただけです__

「サムスン SDI は Note 7 のバッテリーの7割を供給、残りの3割は Amperex Technology (ATL) が供給していた。 当初 ATL 製のバッテリーを用いた Note 7 については発火が確認されていなかったため、暫定的な対応策としてサムスン電子は交換用のバッテリーとして ATL の製品を用いた。 ところが ATL 製のバッテリーを搭載した交換品でも発火した」(10月14日 EE Times) ことで、サムスン電子が発火原因を究明していないことが明らかになりました。

原因を究明せずに バッテリーメーカーを換えただけで交換するよう指示を出したのは、どのレベルの人物か、それは報道されていないので分かりませんが、スマホ事業部門のトップだろうと想像しますね。

その人物は、発火・爆発製品への対応の仕方をよく理解していたかどうか、これが疑問です。 なぜなら、後々起こりうるかも知れない事態をよく把握していなかったとも想像できるからです。 そんな見通しを持ち合わせていない人物が事業部門のトップにいるということも、露呈しています。

よく理解していないトップでも、理解している優秀な技術者たちを周りに従えて、その助言を正しく判断できるトップなら メーカーとしてちゃんと対応できます。 正しく判断できていたかどうか __ そうした疑問の背景を想像させる記事があります。 記事の執筆者は韓国人です。
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『サムスン、訴訟恐れ? メール禁止 スマホ発火問題の背後に “軍隊的な企業文化”』(10月14日 The Huffington Post 韓国版) から__「8月に Note 7 があちこちで爆発していたその時、サムスンは急いで数百人の従業員に問題を迅速に解明するよう促した。

誰も爆発を再現できなかった。 解明のための期限が迫っていたサムスンのエンジニアたちは当初、欠陥が部品メーカーから供給されたバッテリーのせいだと結論づけた。 9月に Note 7 のリコールを発表したサムスンは、他の部品メーカーのバッテリーを装着した Note 7 を続けて販売すると決めた。

対策は失敗した。 エンジニアたちは図面を開く所から始めている。 今週まで サムスンのエンジニアはまだ爆発を再現できずにいる。

サムスン内部の企業文化が問題をさらに複雑にした可能性もある。 社内での関係を恐れて匿名を要求した2人の前サムスン従業員は、自分たちの職場を、製品の技術が実際どう使われているか理解していない上層部から指示が降りてくる、トップダウンの軍隊的な雰囲気だと説明した」( 10月11日付け ニューヨークタイムズ誌から) __ とも。

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電池の発火・爆発の直接原因は内蔵するリチウムイオン電池そのものではなかった。 では 電池以外の何が原因で電池を発火・爆発させるのか? それは製造メーカーの究明を待たなくてはなりません (部外者が安易に憶測しても あまり意味がありません)。 繰り返しますが、サムスンは原因究明せずに安易に電池交換の指示を出すべきではありませんでした。

「Note 7 のリコールに伴う損失総額は 7兆ウォン (約 6400億円) に達すると試算される」と14日付けの The Huffington Post 日本版が報じています。 サムスンはこれまで好調に販売を伸ばし、世界のスマホ市場で2011年以来 長年にわたってトップ街道を歩いてきましたが、思いがけない “地雷” を踏んでしまったようです。

地雷がどこに埋まっているのか、数百人ものサムスンの人員が関わっているものの まだ探り当てていません。 最初の事故が発生してから2ヶ月近くが経過しているのですが __ ヘタしたら、また踏んでしまうかも知れません (今後発売する新スマホでも同様の事故が再発?)。
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サムスン電子の1999年からの売上推移 (10月13日付け朝鮮日報) を眺めると、2013年に 228兆₩ を付けた後 2年連続して減り、2015年には 200兆₩ となっています。 それまでの1999年の 32兆₩ から2013年までは伸びが7倍にもなる素晴らしいものでしたが、もはやサムスンはピークを過ぎたのかも知れません。
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『”サムスンは今がピーク。 成長続けると思えぬ” と大前研一氏』(14年1月17日 NEWS ポストセブン) __ 韓国は、いわゆる “中進国のジレンマ” に陥っている。 成長に伴って賃金が上昇したものの、さらに低賃金の国の労働力によって輸出競争力を失い、その一方で イノベーション (技術革新) ができないため、先進国になりきれない状況だ。 現在の韓国企業は財閥トップ1人に依存する構図になっている。 トップがいなくなった時に成長を持続できるかといえば、これも難しいだろう (抜粋)。
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経営コンサルタントの大前氏が、既に2年半も前に喝破していました。 2014年5月に急性心筋梗塞で意識不明となり、病院に搬送された後 回復せず、寝たきり状態となったサムスン電子会長 (李 健煕 イ・ゴンヒ氏) と、サムスン電子が重なって見えるのは私だけでしょうか。

今月 毎日どこかのマスコミで Note7 の発火・爆発に関する記事が載っています。 産経新聞見出しでは "欠陥スマホ" から "火噴きスマホ" に昇格してしまいました。

原因究明が長引くと、不安が解消されないユーザーは Note7 以外のサムスン製品も疑いの眼で見始め、影響が広がると予想します。

以上
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