シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

調整して音が変わったヴァイオリン

2015年11月27日 | Vn ビギナー事始め
写真左はアンネ=ゾフィー・ムター Anne-Sophie Mutter。 中央左はユリア・フィッシャー Julia Fischer。 中央右は駒の調整中 (ネットで拾った写真)。 右は弦の袋デザイン。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
購入して5年半使ったヴァイオリンだが、1年ほど前に弓を買い足した頃から4弦のうちの内側の2弦 A線・D線を弾くときに隣の弦に触れ易くなり、雑音が出る頻度が増えてきた。

換えたフェルナンブーコ弓に慣れてないのかとか、以前のブラジルウッド弓の癖が取れておらず、もっと力を抜いて弾いたらいいのかと色々試行錯誤したが、なかなか改善せず 練習から遠ざかることも多くなってきた。 いわゆる “スランプ期” だ。

それで今月半ばに楽器店に出向いて、担当の店員さんに相談してみた。 駒のA線の溝が深くなって、弦が駒に食い込み、指で駒表面をなぞると ほとんど弦が駒から浮いていないくらいだ。 普通 最もよく弾くのがA線だから、弓の圧力でA線が駒に食い込んでしまった? ヴァイオリン科卒だからと店員さんにも弾いてもらったが、特におかしくはないという。

職人さんにも見てもらったが、このくらいの食い込みは誤差の範囲内 (1mm 未満) だという。 駒換えしても違いは実感できないかも知れないという。 ただ 指板の反りが通常より大きいようなので、駒換えと反りの調整の2つを実施すれば違いが分かるかもという。

ここで 全く別のヴァイオリンを購入するか、上記2つの調整をするかという選択肢が出された。 ただ 私の技量では、別のヴァイオリンでも同じだろうと思い、2つの調整をお願いすることにした。 駒換え 7500円、反りの調整 7000円 (消費税別) がかかるという。 3日でできるともいうが、特に急いでもいないので2週間後の引き取りにした。
………………………………………………
下旬になって引き取りに再度 楽器店に出向いた。 担当の店員さんを呼んで待つ間 陳列棚の弓を見ていたら、一番上に 250万円 の弓 (Bernardel の銘入り) があった。 うへー 私が買った弓 50本分もする。 上には上があるものだ。

さて、二十代半ばの職人さんから調整済みのヴァイオリンを受け取って訊いてみた。 「買って5年半で調整が必要になったので、また5年半以内にもう一度調整が必要になりそうですか?」「はっきりそうとはいえないのですが それくらいの期間で必要になるかもしれません。 また 何かおかしいと感じたら、直しますから持ってきて下さい」という。

それを試奏室で調弦して弾こうと弓を伸ばしたら、弓先が天井にコツンと当たってしまった。 私の家の天井より低いらしく、床から天井まで 2.4m ないようだ。 古いビルなのだ。

試奏してみて、発音がいいと感じた。 あとはじっくりと家で弾いてみないと調整の効果はわからないから、4弦セット (ドミナントG線・D線・A線とゴールドブラカットE線 … ドミナントより明るい音だという) と百円玉位の大きさの弱音器などの小物を買い、あとは店員さんとの四方山話しになった。
………………………………………………
「色々とネットで関連情報を読んだら、隣の弦に触れるのは、どうやら 私のボウイングがちゃんとしてないせいらしいと気が付きましたよ」
「いい楽器というのは、弾いた弦以外の弦がよく共鳴するんですって?」
「傍鳴 (そばな) りの楽器より、遠鳴 (とおな) りの楽器の方がいいんだそうですが、試奏する本人には遠鳴りはわからないので、離れた処でもう1人が音を聴いて選んだらいいともありますが、そうなんですか?」

店員さんが応える__「それはお客様がどういう音の楽器をお求めになるかによって、”いい楽器” というものは違ってきます」__うまい表現だ。
「広い会場で よくお弾きになる人は、遠鳴りの楽器を選ぶ傾向があります。 広い会場でお弾きにならず せまい部屋でお弾きになる人でしたら、傍鳴りの楽器でもいいと思います。 実際 傍鳴りの楽器はいい音に聴こえます」

「なーるほど 参考になります。 前にチェロ科卒の店員さんにもヴァイオリンのあることをお訊きしたら、逃げられちゃってね __ ”色々な先生がいらっしゃいますから” って。 こちらは何かヒントを得たいと思って訊いてるんだけど … 応えてくれないとねー」

ついでに 調弦には4線全てにアジャスターでやっているので、店員さんにペグを回して調弦するやり方を教わる。 左手 (G線・D線) 右手 (A線・E線) を使ってやるのかと思ったら、全て左手でもできるという。 「右手は弦を弾くのに使い、左手でペグを回します」とのこと。
………………………………………………
家に持ち帰って試奏してみたら、全く別のヴァイオリンかと思うくらい 音がよくなっていた。 調整した甲斐があったってものだ。 想像するに、5年半の間に少しずつどこかがズレてきて、通常の状態から大分変わっていたようだ。 だからなのか 1年に一度は調整をした方がいいというのかも知れない。

これほど音が変わるとは … 恐らく “魂柱の位置” を変えたのだろう __ 調整に出す前の位置と違う (でも このセット・ヴァイオリンはここで買ったものなんだが)。 購入時から少しずつ動いたのか、それとも位置そのものが違っていたのか、今となっては検証のしようがない。 兎に角 いい音になり、大満足だ。

例えでいい換えると 静止人工衛星の “軌道修正” に相当するものかも。 静止衛星といっても、長期間宇宙に浮かんでいると 少しずつ 軌道がズレてしまうものらしい。 その度に燃料を噴射して軌道修正するらしく、燃料がなくなった時が人工衛星の寿命なんだそうだ__宇宙にはガソリンスタンドに相当する燃料補給所はありませんからねぇ。

車でも、家の設備でも 買って何でも無調整、メンテナンス・フリーはないようだ。

以上

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。