シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

もう癖が付いちゃってますから …

2014年11月04日 | Vn ビギナー事始め
様々な解説サイトからの右手参考写真。 下左は弓元、右は弓先での形。
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ヴァイオリンの弓の毛替えで お茶の水の楽器店を訪れたのは、前の毛替えから13ヵ月目の先月だった。 13ヵ月も経つと 毛の張りが弱くなり、弾いていても毛がフニャフニャした感じで、どうしても張りを強めにしてしまう。 すると 弦に対しても張りが強いからか、弦を押し潰し過ぎてしまい、隣の弦にも当り易くなる。 結果的に隣の弦に触れて雑音が出易い、という不具合状態が出ていた。

おまけに “独学の弊害” なのか、弓を掴む右手親指に弓の毛が当たってこすれる、という不具合も出ていたので、楽器店の担当者 つまり私がセットを購入した時の (世話係りの?) 営業女性に、「親指に弓の毛が少し当たってこすれるのは普通なんでしょうか?」と毛替えのあとで尋ねた。
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ただ そんなことを訊くだけで 楽器店の担当者の時間を取るわけにはいかないから、毛替えと弦のスペアを購入する (合わせて 1万数千円) という “ついで” に訊いた。 これなら 担当者も応え易いだろうと思ったからだ。

本当は奏法などを楽器店の担当者に訊くのではなく、レッスン教室に通って教師に訊くのが本筋で、楽器店の担当者に訊くのは楽器類を購入する際の助言を求めるだけにとどめるのが本筋なのは分かっている積りだ。

これが 楽器店の担当者がただの営業職なら訊くことはできない。 その お茶の水の楽器店担当者は音大ヴァイオリン科卒だと知っているから、訊けるのだ。 ちょっとズルイ気もするが、この楽器店は、ある意味 それを売りにして音大卒業生を雇っているのだろう__音大卒の方がただの営業職よりも顧客の細かな質問にも応えられるから、他店と差を付けられるだろう、と。
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「親指に毛が少し当たるのはおかしくありませんが、ちょっと弓を換えてみますか?」「へぇ 弓を換えると違いますか?」「違います。 じゃ 試奏室で用意しますから …」「おっと 時間があるかな … 1時半には人に会う予定なんだが …」といいつつ、試奏室に入った。

用意してくれたのは、以前購入したセットものに付いていたものと同じ弓 (1.5万円) と独クノール製の弓 (5万円) だ。 弓を見ると 2本とも毛の張りが弱く、竿と同じくらいのすき間しかないので、思わずいってしまった__「えっ これが普通? これじゃ 私の小指じゃなくて、あなたの小指だよね」

普通 すき間を小指か竿の幅と同じくらいの 1cm くらいにするのだが、私はどうしても自分の小指 1.3cm くらいに強めに張って広げてしまう__初心者のサガなのか。「ええ これが普通です。 強く張り過ぎると 竿が反ってしまうので弓にとって良くありません」とその若い女性担当者が笑いながらいう。

クノール製の弓で弾くと 心無しか違うようだ。「おっ 何だかいい感じだ。 何か違うの?」「はい こちらはフェルナンブーコの木を使ったもので、そちらとは違います」「う~ん 普通はブラジルウッドで、高級品はフェルナンブーコというけど、普通の人は区別ができないそうだよね」と自分で勝手に解説してしまう。

女性担当者は「フェルナンブーコですと “しなり” がよく、弦に吸い付くようになりますから弾き易くなります」と説明してくれるが、まぁそれはネット情報などを読んで私も分かっている。 ただ 私自身の技術が未熟だから、フェルナンブーコ弓を使いこなせるかどうか。
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それと 担当者は、「弓をかなり倒して弾いてますが …」と目ざとく見つける。「ええ 弓を寝せて弾いた方が柔らかい音が出るので、こうしてます。 弓元では倒して弾いて、弓先では平たくして弾くと教本にありますが …」「はい そうなのですが、もっと中指と薬指を深くして弓を押さえる方がいいと思います」と、助言を受けながらソロソロと弾くと、ブラジルウッドとフェルナンブーコの区別が出来なくなってきた。 もう助言の効果が出た?

最後に担当者は、「もう右手指に癖が付いているので そのままでいいと思います」とあえて私の独学奏法が間違っているとは断言しなかったが、”間違って癖がついてしまっている” ということは伝わってきた。 この時間は正味10分ほどだったから、担当者の時間を取るほどではなかっただろうと思う。「う~ん フェルナンブーコの弓ね … 有り難う」といいながら店を後にした。
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確かに 家に戻って助言通りに弾くと、いい結果が出るようだと確認した。 これまでの4年半は独学で間違っていたらしい。 しかし 意識しながら弓を掴んで弾くと、右手が疲れる。 これまでとは違う持ち方をするから当然だ。

よく分かったことは 助言通りだと、弓をしっかり保持でき、それで弓を強く弦に当てられ、結果的に強い大きな音が安定して出せるようになったことだ。 それには小指がしっかりと竿の端に当たることで弓を保ち易くなることも分かった。

それと 張りの強さも助言に従って以前より弱くして 1cm くらいにすると、これもいい結果になる (やはり 音大卒経験者の助言は参考になる)。 さてフェルナンブーコの弓はどうするか__ヴァイオリン本体よりも 弓を追加したほうが私には効果がある? 今のヴァイオリンと同じくらいの価格なんだが、ケースには “幸い もう1本の弓を収納するスペース” がある …
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ウィキペディアから__ブラジルボクはマメ科ジャケツイバラ亜科の常緑高木。 材が硬いため、ヴァイオリンの弓材として用いられる。18世紀にフランスのフランソワ・トゥルテがこの心材が持つ振動減衰性の低さに着目し、弦楽器の弓に最良の材料であるとして採用する。 ペルナンブコ (フェルナンブコ) とは弦楽器業界におけるブラジルボクの心材の通称である。

『弓の話し』から__損失正接値が高い木材は振動がすぐに減衰し、低い木材は振動が減衰しにくく長時間響き続ける。 振動がすぐに減衰してしまうような弓材だったら、弦を擦ったときに生じた振動を弓材が吸収してしまい、弦に十分伝えることができません。 奏者の感覚としても、必要以上に強く力を加えないと楽器を鳴らすことができない、という印象を受けるかもしれません。

極端に低い損失正接値を持つペルナンブコで作った弓なら、生じた振動が弓材に吸収されることなく、弦からヴァイオリン本体へと有効に伝えることができます。 奏者も pp (ピアニッシモ) から ff (フォルテッシモ) まで、思い通りの音量で演奏できるのではないでしょうか?

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以上

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