シャンテ サラ

独断と偏見で世相・経済からマンガまで 楽しい内容を目指します。 音楽とオーディオ関係の「シャンテサラ2」も統合しました。

素晴らしいガラ・コンサート

2016年09月17日 | 音楽界よもやま話
上左写真はバーデンバーデン祝祭劇場 (ドイツ最大の 2500人収容)。 上中央は DVD 盤。 下左は『カルメン』より「闘牛士の歌」で礼服のカラーを外してくつろいだ様子で歌うテジエ。 下中央と下右は公演ハイライトともいえる『リゴレット』四重唱。 上右は『椿姫』より「乾杯の歌」序奏部分でワインの杯を合わせるネトレプコと指揮のアルミリアート。
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以前 購入した愛聴盤 CD 『the opera gara バーデンバーデン ライヴ・コンサート2007』を聴いていると、これまでに何度も感じましたが、あまりにも魅力的なので、ネットで YouTube から投稿されている映像版も見て、さらに感じ入ってしまいました。

CD 版は12曲入りで 71分、ビデオ版は20曲入りで 140分。『ドン・カルロ』の男性二重唱と『ジュディッタ』(ネトレプコ歌) が CD から抜けているのが残念です。 映像は2時間以上もあり、最初のうちの馴染みの少ない曲は少し退屈でしたが、直ぐに馴染み曲のオンパレードになり、2時間を超える映像版をあっという間に見終わりました。
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『ジ・オペラ・ガラ』(DVD) ~ライヴ・フロム・バーデン・バーデン  先にハイライト版で CD リリースされたバーデン・バーデン祝祭劇場でのコンサート (2007年7月28、31日、8月3日) の映像商品です。

この熱きイヴェントの模様はテレビも生で放送され、なおかつ ロベルト・ドルンヘルムによって映像化されました。 出演者は名テノール ラモン・ヴァルガスをはじめ、若きフランスのバリトン歌手 リュドヴィク・テジエ。 そして今をときめくアンナ・ネトレプコとエレナ・ガランチャという名花2人。

各々の歌手が挙って次から次へと美声を披露するのですが、最も注目すべき歌は何といっても『リゴレット』の「愛する美しい乙女よ」の四重唱でしょう。 4人の若きスターの饗宴は聴き手の胸をワクワクさせること間違いなし。

他にもネトレプコとガランチャの「花の二重唱」も,見所です。 この3つのコンサートのチケットは3日も経たずに全て完売。 まさにクリスマスと復活祭が一度に来たほどの大変なイヴェントとなったそうです (ユニバーサル IMS) __ ※追加1へ

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バーデンバーデンは温泉保養地で、人口数万人の小さな街ですが、夏のバカンス時期には何万人に膨れ上がるのか、行ったことのない私ですが、その辺りの想像はできます。 湯治客は、夜は退屈なものですから、こうした様々なイベントに毎日出かけ、そうして1週間 2週間を過ごすのでしょう。

保養地に着いてからイベントを探す客もいれば、イベントに合わせて滞在する客もいることでしょう。 主催側もそうした需要を見込んで、数ヶ月前 いや1年以上前から出演者に渡りを付けていることでしょう。

このガラ・コンサートの素晴らしさは、1990年のローマ・カラカラ浴場跡の “3大テノールの競演” に匹敵すると (個人的に) 思います。 あの後 3大テノールの競演は何度か開催されましたが、どうも 1990年のコンサートほど話題性が高くないように感じます。

そして17年後に開催された この “バーデンバーデン ライヴ・コンサート2007” が、この間の渇を癒してくれました。 それほど素晴らしい仕上がりになっていると思います。
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まず それは4人の歌手の歌唱が完璧なことです。 大きな声から小さな声までよくコントロールされています。 不安定な箇所は1つもありません。 以前は気づきませんでしたが、エレナ・ガランチャは “アジリタ” が得意のようです。
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《Agilita》アジリタとは、細かく速いパッセージを歌うテクニックで、まるで楽器で演奏するかのように「自由に声を転がすように歌う技法」です。 この技法はカストラートの時代に大きく発展しました。 まるで器楽の楽譜かと見間違うぐらい声の可能性を遺憾なく発揮するものでした。 ロッシーニ〔1792〜1868〕やベッリーニ〔1801〜1835〕、ドニゼッティ〔17971〜1848〕のオペラ (ベルカント・オペラ) ではこのアジリタを駆使して歌います。 TAKENORI SAKO TENORE のページから。
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ヴァイオリンのトレモロのような、音が一定範囲で素早く上下する、舌先でコロコロ転がる声です。 彼女はこれをロッシーニとチャピの曲で披露しています。 私の記憶ではロッシーニのオペラで多く聴かれます。 リュドヴィク・テジエも最後の「乾杯の歌」でサラッと聴かせています。

ガランチャは背が高く、それに比べ『リゴレット』の曲での相手役 ヴァルガスの背が低く、寄り添うと、ガランチャがもたれかかるのが大変そうに見えます (冒頭下中央写真)。 主役は女性より背が高い方が望ましいですが、声が良ければ そんなことは気にならなくなります。

公演当時の歌手たちの年齢は 31、36、39、47歳ですが、皆輝いているので、誰がどの年齢なのかよく分からないですね。 女性2人は旧ソ連圏出身、男性陣はフランス・メキシコ出身と、ドイツ語圏出身者は1人もいません。 指揮者はイタリア人です。

最後は、この業界お定まりの「乾杯の歌」、やはりこれでなくっちゃ、ガラの閉めは。 冒頭上右写真では「乾杯の歌」の序奏部分で ネトレプコと指揮のアルミリアートが、杯をカチンと合わせて会場の笑いをとるのも小粋です。
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2005年のザルツブルク音楽祭公演の『椿姫』で人気を博し、このガラ・コンサートでも更に評判となり、今やドイツ語圏のみならず、フランスやニューヨークでも大人気の歌姫となったネトレプコですが、なぜかイタオペの総本山スカラ座では歌ったとは聞いていません。 不思議ですね。

彼女は、サンクトペテルブルクでの修行時代 劇場掃除婦のアルバイトをしていたそうで、今はサンクトペテルブルク・ウィーン・ニューヨークに自宅を構えて “現代のシンデレラ” ともいわれています。 声で何億稼いでいるのか __ 人気テノールのドミンゴは40代で自家用ジェットで移動、巨漢のパヴァロッティはお抱えのコックを伴って移動していたそうです。 

以上


※追加1_ ♬は CD 収録、他全ては DVD 収録。

・ベッリーニ:『ノルマ』より序曲、「聞いて、ノルマ」(ネトレプコ、ガランチャ)
・ドニゼッティ:『愛の妙薬』より「人知れぬ涙」(ヴァルガス)  ♬
・ベッリーニ:『清教徒』より「お前を失ってしまった」(テジエ)
・ベッリーニ:『ノルマ』より「清らかな女神よ」(ネトレプコ)  ♬
・ロッシーニ:『チェネレントラ』より「不安と涙のうちに生まれ」(ガランチャ)
・ヴェルディ:『ドン・カルロ』より「共に生き、共に死ぬ」(ヴァルガス、テジエ)
・サン=サーンス:『サムソンとデリラ』よりバッカナール、他
・ドリーブ:『ラクメ』より「花の二重唱」(ネトレプコ、ガランチャ) ♬
・ビゼー:『真珠とり』より「聖なる神殿の奥深く」(ヴァルガス、テジエ)  ♬
・サン=サーンス:『サムソンとデリラ』より「あなたの声にわが心は開く」(ガランチャ)  ♬
・ヴェルディ:『ルイザ・ミラー』より「静かな薄明かりの夕べに」(ヴァルガス)  ♬
・カタラーニ:『ワリー』より「さようなら、ふるさとの家よ」(ネトレプコ)
・ヴェルディ:『ドン・カルロ』より「終わりの日は来た」(テジエ)  ♬
・プッチーニ:『ラ・ボエーム』より「ああ、麗しの乙女」(ネトレプコ、ヴァルガス)  ♬
・ヴェルディ:『リゴレット』より「愛する美しい乙女よ」(4人全員)  ♬
・レハール:『ジュディッタ』より「私のくちびるは熱いキスを」(ネトレプコ)
・マスネ:『ル・シッド』より「統べたまえ、裁きたもう御父よ」(ヴァルガス)
・チャピ:『セベデオの娘』より「私が愛を捧げたの」(ガランチャ)  ♬
・ビゼー:『カルメン』より「闘牛士の歌」(テジエ)  ♬
・ヴェルディ:『椿姫』より「乾杯の歌」(ネトレプコ、ガランチャ、ヴァルガス、テジエ)  ♬

アンナ・ネトレプコ (S)、エレナ・ガランチャ (S)、ラモン・ヴァルガス (T)、リュドヴィク・テジエ (Br)、SWR南西ドイツ放送交響楽団 指揮:マルコ・アルミリアート
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ウィキから __ エリーナ・ガランチャ(Elīna Garanča、1976〜)は、ラトヴィア出身のメゾソプラノ歌手。 父は合唱指揮者、母は声楽家・ラトビア音楽アカデミー教授という音楽一家に生まれた。 96年 ラトビア音楽アカデミーに入学し、声楽を学ぶ。 その後ウィーンとアメリカ合衆国でに学んだ。 99年ヘルシンキのミリアム・ヘリン国際声楽コンクールで優勝。

2003年 ザルツブルク音楽祭でアーノンクール指揮によるモーツァルト『皇帝ティートの慈悲』のプロダクションで歌い、ガランチャの国際的な活躍が始まった。 ウィーン国立歌劇場での『ウェルテル』シャルロット、『コジ・ファン・トゥッテ』ドラベッラ、05年のシェロー演出によるパリのプロダクションでの同役など大役がすぐに続き、DG とのレコーディング契約も結んだ。 07年 コヴェント・ガーデンにドラベッラ役でデビュー。 アンナ・ネトレプコ、ラモン·ヴァルガス、リュドヴィク・テジエ、マルコ・アルミリアート指揮の南西ドイツ放送交響楽団と共にバーデン=バーデン祝祭劇場のサマー・ガラコンサートに出演した。 この模様はドイツのテレビ局が中継し 200万人が視聴した。

アンナ・ユーリエヴナ・ネトレプコ (Anna Yur’yevna Netrebko, 1971〜) は、ロシア出身のソプラノ歌手である。 卓抜した実力のみならずその美貌によっても名高い、現代を代表するオペラ歌手の一人である。 現在 ウィーンおよびニューヨークに在住。 2006年にオーストリア市民権を得ている。

2008年9月に男児を出産。 男児の父親はウルグアイ出身のバリトン歌手、アーウィン・シュロットだが、13年11月に二人は別離を公表している。 14年7月に、テノール歌手の Yusif Eyvazov との婚約を発表、15年12月に結婚している。

コトバンクから __ ラモン・ヴァルガス (Ramon Vargas 1960〜) は、メキシコ出身のテノール歌手。 教師の職に就いたが、声楽家に転向。 ウィーン国立歌劇場のオペラ・スタジオで学ぶ。 1983年オペラデビュー。 ’86年 カルーソー声楽コンクール優勝、’87年 ベッリーニ国際声楽コンクール優勝。 その後 ルツェルン歌劇場のメンバーとなり、’92年 メトロポリタン歌劇場でデビューを果たす。 ’93年 ムーティ指揮の「ファルスタッフ」でスカラ座デビュー、「椿姫」でアルフレートを歌う。 ロイヤル・オペラ、バイエルン州立歌劇場、ハンブルク州立歌劇場でも同役でデビュー。 ロッシーニ、ドニゼッティ、ヴェルディを得意とする。 2000年来日し、スカラ座公演「リゴレット」でマントヴァ公を歌う。

コトバンクから __リュドヴィク・テジエ (Ludovic Tezier 1968〜) は、フランス出身のバリトン歌手 。 パリで学び、リヨン歌劇場で活躍の後、国内外で幅広く活動。 1998年 オペラリア・コンクールで第2位を獲得。「ボエーム」「ルチア」「ヴェルテル」など19世紀フランスとイタリアのオペラを得意とする。 歌唱力と整った風貌、独特の眼力で人気を博す。

以上
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