シャンテ サラ

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新たなビジネス・モデルは?

2009年05月24日 | 電子産業は花形?
左のグラフは、 17日付けの朝日新聞記事から。
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「米国の金融・住宅バブルが弾けて 自動車やデジタル家電の不況は最終的に半導体がカブる」という着想は "風が吹けばオケ屋が …" のようにも聞こえるが、興味深い連載記事を実家で読んだ。
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「東芝、携帯電話の国内生産撤退へ … 海外企業に委託」(5月21日 読売新聞 ※追加1へ)
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「電機ショック〜危機の実相 大手9社赤字 2.2兆円−円安の時代は終わった−新たな市場づくり」(5月17〜19日 朝日新聞 ※追加2へ)
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破綻の淵に立った米アップル・コンピューター社が、奇跡の復活を果たしたのも記憶に新しい。 創業者の地位を追われたスティーヴ・ジョブズが社長に復帰して、一体型 PC の iMac やデジタル携帯音楽プレーヤーの iPod を世に送り出して 倒れかかっていた同社を立て直した。

昨年は携帯電話の iPhone を発表して、これも話題となった。「リーマン・ショック」後、青息吐息の企業が続出するIT産業界の中でも好調な業績を持続、社名もコンピューターを取り去りアップル社となった。

先進国の企業にとって、そのビジネス・モデルは大いに参考になる。 ハード・ソフトを含めた開発と試作は米カリフォルニア本社で行い、量産は台湾企業に委託する。 委託を受けた台湾ホンハイ社は当初台湾で製造していたが、やがて低コスト/低賃金を求めて中国に工場を建設、そこで製造された製品は「アップル・ブランド」で世界中に販売され、利益の多くはアップル社に流れる構図となっている。

特に、累計出荷2億台を越えた iPod は世界の携帯音楽プレーヤーの7割を占めるといわれ、世界の標準品としてブランドを確立している。
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日本企業は iPod のようなキラー製品を持っているだろうか?__かつて、そのような製品はあった__ソニー製の携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」は、70〜80年代のアナログ時代の代表的な製品だった。 また、80年代のビデオ・カセットを使った VTR は世界を席巻、日本製各社の VTR は世界シェアの9割を占めた。

だが、80〜90年代以降デジタル製品が普及し始めると状況が徐々に変わっていった。 デジタル製品はハードよりもソフトがカナメだが、一方 アナログ製品は品質も含めた生産工程がカナメだ。 人手による微妙な調整が必要となるアナログ製品は多いが、デジタル製品の調整はソフトウェアでこなすものが多い。

また、製品出荷後の小さな内部調整 (性能向上) もインターネット回線を通じての簡単なソフト更新で済むものがあるなど、デジタル製品は人手による微妙な調整が不要になったものも多い。
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かつて70年代までは、発展途上国の製品と日本製品は明らかに違っていた。 直接目に見えるハードの品質の差は勿論、ユーザーの手に触れる加工部分は金型の差によるなど 完成度の差が歴然で、"日本製は優秀" の代名詞だった。

30年位前、ヴェトナム製のニョクマム (魚醤) という醤油のような調味料の瓶詰めを買ったら、フタのプラスチックの "作り" がチャッチクて、幼稚な感じだった。 金型が貧弱だったのだ。

今は発展途上国で採用する製造装置や金型も先進国のそれらと差が無くなりつつあり、工場労働者の能力も先進国に追いつきつつある (実際はまだ全てがそうとは言い切れないが)。 そうなると作り出される製品の材料費は殆ど同じでも、"人件費の差" がモロに製品価格に現れてしまう。

例えば、よく電機量販店の目玉商品で出る "トースター" を考えてみよう。 材料費 1,000円 に製造費や利益 500円 を乗せて、工場出荷原価 1,500円 の商品を量販店は 2,000円 で販売するとする。 500円 の中に製造工場の人件費があるが、今どきの日本人が 100〜200円 で製造するだろうか? とても出来ないのは明らかだ。

中卒工員だっていうだろう_「そんな安い賃金ではやってられないよ」

けれど発展途上国では、同じ賃金でも現地では10倍の価値があり製造が成り立つのだ。
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80年代の日本の半導体産業の繁栄を見た隣国 韓国と台湾は90年代に大投資を敢行、日本メーカーの市場を奪っていった。  90年代に入ると薄型パネル表示器 (FPD) が日本メーカーから発表され始め、これも日本の半導体を見倣ったかのように隣国は FPD に投資を続けた。 その結果 生産能力が大きく増えた業界は、00年代以降 市場価格が急速に下がって、撤退が相次ぎ国内で液晶 FPD を製造するのはシャープ1社だけとなった。

このあおりを食ったのがプラズマで、撤退企業が続出、国内でプラズマ・パネルを製造するのはパナソニック1社だけとなった …
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「いいものを作れば必ず売れる」という発想はもう過去のものだ。 品質で追いつきつつある発展途上国は、人件費の安さで安価な先端製品を世界に送り出そうとしている__デジカメ/デジタル映像録画再生機/ FPD といったデジタル家電品も、今は高級品分野は日本が得意としているが、いずれは中国など発展途上国が浸食してくるのは目に見えている。

その時に新たな市場を作り出す "ひとつのビジネス・モデル" は、米アップル社に見られる手法ではないだろうか。 デザインや設計など知的財産でしっかりと価値を守り、模倣された製品を断固として排除する意思もある__初代 iMac (ブラウン管型) とそっくりの一体型 PC が日本メーカーから発売された時、アップル社は排除を求め そのメーカー品は市場から撤退させられた。

余談ですが、その模倣 PC 広告で同席したインテル・ジャパン社長 (当時 日本人) が、「アップル・ファンも欲しがるかもしれないね」などと、CPU を供給する立場からか 模倣品を後押しするかのように発言したのには唖然としましたね。

VTR / ゲームマシン/ CD / NAND フラッシュメモリー/リチウムイオン電池/マンガ/フィギュア/キャラクター商品など、日本にはまだまだ新しい分野を開拓・開発する力が残っている。 ただ、側面からそれら知的財産を守る部分はどうも強くないようだ。 日本製品を模倣する発展途上国製品は後を絶たないが、断固とした摘発・排除する態度と、知的財産を守る気概も必要だ。
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好業績を続けるアップル社にも不安要素が一つある__それはジョブズに代わる "カリスマ経営者" がいないことだ。 今 休職中で健康不安説がある彼が身を引いた時が、同社の次の危機かも …

大ヒットした「トリニトロン TV」「ウォークマン」や「CD プレーヤー」を発売していた頃のソニーの "名物経営者" といわれた盛田昭夫が94年に脳梗塞に倒れてからは、経営にタッチすることはなく、その後のソニー凋落に重ねて見るのは私だけでしょうか?

以上


※追加1_ 東芝は20日、携帯電話の国内での製造から10月に撤退すると発表した。 日野工場 (東京都日野市) で行っている製造を、すべて海外企業に委託する。 国内向けの販売は続ける。東芝の携帯電話事業は赤字で、国内市場も縮小しているため、海外への製造委託でコスト削減を図る。 開発や設計、修理業務などは残す。 製造部門の従業員約200人は、グループ内で配置転換する。
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※追加2_ 抜粋 … 01〜10年見通しを含めた10年分を通算すると、電機大手9社の純損益の合計は 1.2兆円 の赤字。「94年世界携帯電話販売シェア上位10社に国内5社が入り 20% 超を占めていたが、足元の世界シェアは 5% にも満たない」(ガートナー社)。

「採算性を気にしながら そこそこの数字が出ると撤退の決断ができなかった」(電機大手首脳)

「選択と集中」という本来なされるべき決定を先送りしてきたことが、「リーマン・ショック」で受けた傷口を広げる結果となった。

「日本の姿は昔の (80年代の) 英国を見ているようだ。 早く対処しないと衰退の先頭を走ることになる」(英国出身のストリンガー・ソニー会長兼社長)

00年代の米国の金融緩和は住宅バブルを引き起こし、住宅を担保にした借り入れ増で 消費は自動車やデジタル家電に向かった。 米国の過剰消費は各国を潤し、円安で日本製品は世界に攻勢をかけた … そして自動車やデジタル家電の不況は最終的に半導体がかぶる。

「グローバル企業の最先端マザー工場は日本に残っても、差別化の余地が少ない単純組み立て工場は競争力を失っていく」(ニッセイ基礎研の百嶋研究員)

コストが決め手となる量産では、「日の丸半導体」や薄型テレビ・パネルは韓国/台湾勢に追い越された。 日本の「お家芸」だった太陽電池も、今では製造装置を買えばつくれる汎用品。 供給過剰になった世界の太陽電池が日本市場に押し寄せ、「国内でも極端に価格が下落している」(電機大手が経産省に今年の春先に説明)。 車載用リチウムイオン電池は電機業界の救世主として期待が高まっているが …

「技術があれば製品が売れるという時代ではない」(富士通の伊東副会長)

得意技術を組み合わせて 新しい成長市場を作り出すなど、生産工程を含めた「ものづくりの工夫」が問われている。 製品というハードより、価値を生み出すソフトが重要になる。 電機大手はどのような成長モデルを描くのか?

以上
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