い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

JR北海道の存続問題から考える鉄道の役割

2016年10月17日 18時26分29秒 | 鉄道員の愚痴
明治5年、新橋〜横浜間に日本初の鉄道が開業してから144年。線路は全国に広がりましたが、無くなった線路が多数あるのも紛れもない事実であり歴史です。
いまJR北海道において存続が危ぶまれている線路があります。営利を目的とする民間企業には限界があるのかもしれませんが、線路の存続・廃止を黒字/赤字という単なる収支だけで結論を出すものではないと思っています。

私は鉄道がその赤字額よりも鉄道があることで地域が恩恵を受ける額が大きいのであれば、残すべきと考えます。
『赤字<受益』ならばトータルでみれば利益が上回るわけです。

これは、いすみ鉄道の鳥塚社長がよくおっしゃっていることですが、鉄道が地域の広告塔となり、地域そのものを売り込む。たとえ鉄道を乗らずに車であっても地域に訪れる人が増えれば地域が元気になるというものです。

富山では行政がコンパクトシティに力を入れており、ライトレールなど地域の足を整備してきました。するといままで外出しなかった人がライトレールをきっかけに外出するようになり、地域の賑わいが創出されただけでなく、健康増進にも繋がっているそうです。
ライトレール自体は赤字ですが、その赤字額を普段しても街の活性化や健康にもなり、その効果からすれば赤字額の負担はむしろ安いということです。
ライトレールという路面電車がまちのづくりの重要な核を担っているわけです。JRのローカル線を廃止した上で整備したライトレールを不要・廃止しようという動きはまったくありません。

赤字額を誰がどのように負担するかという部分には十分な議論と理解が必要ではありますが、単に赤字でお荷物だから廃止という考えはあまりにも安易で短絡的なわけです。
JR北海道がまもなく発表するであろう廃止候補の路線もすべてが存続することはムリかもしれませんが、行政や自治体がJRにだけに押し付けるのもであればそれは単なるわがままでしかありません。鉄道を残して活用するためにJR・行政・地域住民がどのように協力していくかです。
人口密度や利用者数や極寒で厳しい環境を考えれば、JR北海道がどんなに経営努力をしても自力でやっていくには限界がきていることは明らかです。でも必要としている人がいます。道民でも冬季はJRを頼りにしている方は少なくありません。鉄道も道路と同じインフラであり企業が単独で経営する限界を越えた場合はしっかり支えていく仕組みづくりが求められています。

同様の問題はJR北海道以外でも今後各地で出てくることは充分に考えられます。日本の鉄道がこの先どんな歴史を歩むのか、身勝手な押し付けでは後世に胸を張って残す結果にはなるはずがありません。国外から笑われるような未来にならないといいのですが…
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