「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのかー有料座席列車導入は鉄道活性化のカギ

こんにちは。大塚良治『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)で鉄道活性化策を提言しています。

生活路線感覚の「通勤ライナー」博多南線を見る

2014-12-26 10:43:57 | 日記
2014年12月22日、JR博多南線博多16時57発博多南行き(列車番号:743A)に乗車しました。

JR西日本所属500系V3編成カンセンジャー仕様8両による運行でした。

勤め帰りのサラリーマン・OLや学生・生徒を中心に大勢の人たちが、ホームで列を作っていました。



方向幕に「博多南」を表示した「こだま743号」博多行き(列車番号:743A)が到着し、ドアが開くと、次々と旅客が列車へと吸い込まれていきます。「こだま743号」は博多から引き続き、列車番号はそのままに、16時57分発博多南行きとなります。



列車は311人の旅客を乗せて、定刻に出発し、九州新幹線の線路を南下します。約8.2km地点で九州新幹線を西側に分岐し、同線の東側に位置する博多南駅に到着しました。



そして、折り返しとなる博多南17時21分発博多行き(列車番号:756A)に乗車しました。博多南駅停車時点で、側面方向幕は「こだま 新大阪」の表示になっていました。



186人の乗車を乗せて出発し、博多に定刻に到着しました。博多からは列車番号はそのままに、引き続き17時32分発こだま756号新大阪行きとして運転されます。



博多南線は、博多駅~博多総合車両所間の回送線を宅地化が進展した那珂川町住民等からの要望を受け、1990年4月1日に営業開始しました。

当初は国鉄分割民営化時の「九州内の在来線はJR九州が運営する」との取り決めにより、在来線として営業する博多南線の取り扱いが問題となった経緯から、博多南駅の業務をJR九州に委託することで妥協が図られましたが、2010年4月1日からはJR九州への委託が解消されてJR西日本の直営へ移行し現在に至っています。

また、2011年3月12日に全線開業する九州新幹線鹿児島ルートが博多南線 8.5km のうち約8.2kmを九州新幹線の本線として使用することになるため、博多南線の存続が懸念されていましたが、九州新幹線開業後もほぼ開業前と同水準の本数が維持され、現在に至っています。

博多南線は乗車券に100円の特急料金を支払えば利用できるため、特急列車でありながら生活路線的な役割を担っています。特急料金をほとんど気にせずに利用できる点で地域社会への貢献は多大なものがあります。

生活路線感覚で利用されている「通勤ライナー」として、日々多くの通勤・通学利用に応えるとともに、那珂川町、大野城市、春日市、福岡市南区をはじめとする地域のかけがえのない「財産」として存在し続けています。

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