「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのかー有料座席列車導入は鉄道活性化のカギ

こんにちは。大塚良治『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)で鉄道活性化策を提言しています。

ファイナルラン!「ホームライナー鴻巣3号」&「ホームライナー古河3号」

2014-03-15 01:39:49 | 日記
皆様、こんにちは。

2014年3月15日(土)のJRダイヤ改正に伴い廃止された、「ホームライナー鴻巣」と「ホームライナー古河」に乗車しました。

8番線ホームのライナー券売機も3月14日限りで役目を終えます。その脇の行列では、係員が3月17日(月)から運行開始の特急「スワローあかぎ」のポケットティッシュを配っていました。



まず、JR東北本線上野18時43分発「ホームライナー鴻巣3号」鴻巣行き(3973M)4号車に乗車しました。



4号車はグリーン車ですが、「ホームライナー鴻巣」「ホームライナー古河」では普通車扱いとなるため、争奪戦になったものです。



JR大宮支社大宮総合車両センター所属185系200番台OM08編成あまぎ色による運行でした。



同じく最終日の「あけぼの」の陰に隠れて地味な存在ですが、上野駅8番線ホームでは大勢の鉄道ファンがホームライナー鴻巣を見送りました。

乗車率は9割と言ったところで、3割くらいは鉄道ファンが占めているようでした。

浦和、大宮、上尾、桶川、北本と各号車数人ずつの下車があり、鴻巣には19時34分定刻に到着しました。ここまで半数程度の旅客が乗り通しました。



3月17日(月)からは朝夕の通勤・通学時間帯に、「ホームライナー鴻巣」に代わって、全車指定制特急「スワローあかぎ」が運行されます。夜は高崎行きや前橋行きの他に、本庄行きが新たに設けられることになっています。

鴻巣到着後、OM08編成は回送として上野に送り込まれ、上野で車内整備を行った上で、上野21時02分発「ホームライナー古河3号」古河行き(3623M)となります。

私も一旦普通列車で上野駅に戻ると、大変なことになっていました。上野駅は「あけぼの」の最後を見送ろうとする人たちでごった返していたのです。



私の方は、21時02分発「ホームライナー古河3号」古河行き(3623M)1号車で最後のお名残乗車に臨みました。「ホームライナー鴻巣3号」で運用された185系200番台OM08編成あまぎ色です。



私は先頭7号車に乗車しました。

8割5分ほどの乗車率で出発しました。列車は「あけぼの」を先導するかのように、大宮駅まで東北本線を先行します。

車内では、上野駅で買い求めた「あけぼの記念弁当」を噛み締め、心の中で「あけぼの」とお別れしました。



「ホームライナー古河3号」は、浦和、大宮と停車し、大宮で信号待ちのため5分遅れで発車しました。ホームは大勢の鉄道ファンで溢れかえっていて、ロープ規制が実施されていました。「あけぼの」の陰に隠れた地味な通勤列車であるにもかかわらず、本当に多くの鉄道ファンに見送られる様子を見て、この列車が本当に多くの人たちに愛されていたことを再認識した次第です。

次に東大宮に停車します。ここまでで6割以上の旅客が下車してしまいました。



蓮田と久喜でもさらに下車があり、22時10分頃に古河に着きました。古河で降りたのは、鉄道ファンばかりになっていました。



「ホームライナー鴻巣3号」と「ホームライナー古河3号」の両方を乗り比べて分かったことは、前者は終着駅まで一定の需要があるものの、後者の需要の太宗が東大宮までに留まること、そして何より前者よりも乗車率が相対的に低いことです。

東北本線では通勤ライナー特急「ホームタウンとちぎ」および特急「おはようとちぎ」が、2010年12月3日に廃止され、今回の「ホームライナー古河」の廃止に伴い、同線大宮以北から通勤ライナーが消滅することとなりました。

「ホームライナー鴻巣」「ホームライナー古河」が廃止されるのは、わざわざ車両基地から上野まで送り込まれる上、終着駅に着いた後、上野駅まで回送しなければならないという手間がかかる割には、1人当たり500円のライナー料金しか入らないため、JRにとってメリットの少ない列車になってしまっています。普通列車グリーン車であれば、わざわざ「別建て」で運行することもなく、人件費の安いグリーンアテンダントに改札業務を任せればよい上に、50kmまででも750円のグリーン料金が入ります。JRとしては、できるだけ手間がかからず、かつ高額な料金収入が得られる普通列車グリーン車に誘導したいのが本音ではないかと推測します。

いずれにせよ、高崎線には通勤ライナーが特急「スワローあかぎ」として残ります。この列車も乗車開始日に乗って確かめるつもりです。また、このブログでご報告できればと思っています。

※「ホームライナー鴻巣」については、拙著『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)47~48ページをご覧ください。

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