原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

第9章 黒い雪 ※1回目の紹介

2015-05-18 22:00:00 | 【東京ブラックアウト】

*『東京ブラックアウト』著者:若杉冽

第9章 黒い雪を複数回に分け紹介します。1回目の紹介

 

Amazon カスタマーレビュー )から
恐ろしい本です。小説という体裁はとっていますが、帯に「95%ノンフィクション」とあるように、限りなく現実に近い話でしょう。これを読んでも、原発再稼働に賛成と言えるでしょうか。一人でも多くの国民に読んでほしい本です。

作中に登場する資源エネルギー庁次長の日村直史は、経産官僚の今井尚哉氏だと、国会議員の河野太郎氏がTwitterで言及しています。現在、安倍首相の政務秘書官を務めている人物です。

 

( 「東京ブラックアウト」)から
「バ、バカ野郎!おまえは知っているのか? かつて新潟県の泉田知事が、たった400人を対象に避難訓練をしただけでも、その地域には大渋滞が起こったんだぞ!・・・あと数時間で、東京の都市機能は失われるっ。いいか、これは命令だ・・・」
・・・玲子は絶句した。いつも冷静でクールな夫が、15年の結婚生活で初めて見せる取り乱しぶりだったからだ。


過去に紹介した記事(【原発ホワイトアウト】終章 爆弾低気圧(45) )から

救いがあるとすれば著者・若杉冽氏の次の言葉だ。
「まだまだ驚くべき事実はたくさんあるのです。
こうした情報が国民に届けば、きっと世論のうねりが起きる。
私が役所に残り続け、素性を明かさないのは、情報をとり続けるためです。
さらに第二、第三の『若杉冽』を世に送り出すためにも」

 

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**『東京ブラックアウト』著書 「第9章 黒い雪」の紹介

第9章 黒い雪

 AFPBB NEWS(2014年10月10日)

「トナカイ肉の放射能濃度が急上昇、ノルウェー」

 旧ソ連のチェルノブイリ原発で大事故が発生してからほぼ30年が経過したが、数千キロ離れたノルウェーでは最近、トナカイの肉に含まれる放射能濃度が急上昇し、食肉として消費するのは不適格となっている。同国政府機関が9日、明らかにした。

 ノルウェー中部では今年、原発事故で大気中に放出された放射性同位元素のセシウム137のトナカイの肉に含まれる濃度が1キロ当たり最大8200ベクレルに達した。同地域は1986年の原発事故で発生した「放射性プルーム(放射性雲)」により甚大な影響を受けた。

 ノルウェー放射線防護機関の研究者、インガー・マルグレーテ・アイケルマン氏は、AFPの取材に「これは、トナカイの食肉処理を行える上限値をはるかに上回っている」と語った。

 2年前にトナカイの肉に含まれていたセシウム137の平均値は1500~2500ベクレル。同国の許容限界値は3000ベクレルに設定されている。結果、毎年9月末に伝統的に行われているトナカイ数百頭の食肉処理が実施されることはなかった。

 放射能濃度が上昇に転じた原因は、今年の夏の暖かく、湿気の多い気候が、「シュウゲンジ」というキノコの成長を促進させたことにある。ショウゲンジは、トナカイやヒツジなどの放牧されている家畜が好んで食べる餌の一つだ。

 ショウゲンジは、土壌上層部に含まれる栄養を吸収する。ここにはセシウム137の大半が存在する。

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(31)

 西高東低の典型的な冬型の気圧配置に覆われた日本列島では、シベリア上空の寒気団が日本海の水蒸気を含んで日本海側に大雪をもたらし、極めて不安定な気象状況になっていた。

 日本政府は、SPEEDIのデータの公表はベントのタイミングとしていたため、公表のタイミングを逸したままであった。しかし、1度目の格納容器の爆発以降、マスコミはSPEEDIのデータの公表を執拗に求め、政府はそれを約束せざるを得ない状況に追い込まれていた。

 そこに2度目の爆発である。プールの使用済み核燃料が、格納容器の爆発とともに、宙に舞い上がったのだ・・・。

 大陸からの冷たい寒気が列島に流れ込むなか、宙に舞い上がった使用済み核燃料や瓦礫や粉塵は、強風に流され、放射性プルームとなり、三国山脈を越えて関東平野へと黒雲が広がっていく。参考値として示したPPA(放射性ヨウ素防護地域)の50キロまでという記載が、何の意味もないことが証明された瞬間だった。

続き第9章 黒い雪」は、5/19(火)22:00に投稿予定です

 

東京ブラックアウト(若杉冽)

原発ホワイトアウト(若杉冽)

 


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