原発問題

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(原発事故さえなければ) 口から真っ黒い血を吐き続けて、息を引き取りました『奪われた家族の命』

2014-06-10 12:02:17 | 放射能汚染

(原発事故さえなければ) 口から真っ黒い血を吐き続けて、

息を引き取りました『奪われた家族の命』

http://fukushima20110311.blog.fc2.com/page-2.html より引用

原発事故さえなければ

〔福島県・二本松市から九州に母子で避難した女性〕

◇失われた日々

 私は、2011年4月まで福島県二本松市に住んでおりました。

主人と当時5歳と3歳の2人の子ども、それから寝たきりの姑と、

静かな山間の集落で、慣れないながらも、畑を耕して暮らしおりました。

我が家では春になると梅の花をはじめ、

様々な花が咲き誇り、決して派手ではありませんが、とても大好きな庭でした。

先祖がこの土地に柿や梅、イチジクなどを植えるとき、

「みんなが食べてくれればいいなあ」と言っていたそうです。

そんな先祖の願い通り、子どもたちは庭の果実が大好きで、

季節になると柿やイチジクを頬張っておりました。

私は、そんな光景をみつめながら、昨日があったように今日があり、

今日があったようにその先もずっとこの場所で暮らしていくのだと信じておりました。

◇奪われた家族の命

 2011年3月11日にすべては変わりました。

しかし、私が住んでいるところは内陸部で、津波の被害もなく、

震度6弱の揺れにも家と家族は耐えきりました。

私たち家族の命と絆を断ち切ったのは、

その後に起きた東京電力福島第一原発の大事故です。

 姑は、事故の1年半くらい前に、脳出血が原因で全身麻痺の状態でした。

一日三回、経管栄養で命をつなぎ、家で静かに生きていたのですが、

震災により医薬品をはじめとした物資が入って来なくなりました。

報道によると、原発事故での被ばくを恐れて、

福島には他県の人たちがなかなか入ってきてくれないとも言っておりました。

さらに、主治医も、原発事故で逃げてきた方たちの避難所を回るために

在宅まで手が回らなくなりました。

週に二回の訪問入浴も来てくれなくなりました。

そんな間にも、どんどん原発が爆発していきます。

放射線量もどんどん上がり、外に出ることもなかなかできなくなりました。

因みに市のホームページでは、私たちの地域は、

最高毎時9マイクロシーベルト近くまで上がったようです。

そんな中、いつになったら再開されるのかわからない

物資の供給再開に不安を抱き、

医師の苦肉の指示により、経管栄養を一日一回にすることになりました。

3月22日の早朝4時、姑のおむつ交換をしに行ったとき、

体が冷たくなっていました。

電子体温計も反応しません。低体温症です。

お年寄りが避難所に行ってお風呂に入れないなどの悪条件が重なり、

低体温症で死亡するケースが増えていると、

テレビで見聞きしていましたが、まさに我が家で起こるとは想像もしておりませんでした。

慌てて医師に連絡しても、「原発事故で避難してきた人たちのための

避難所回りが終わらないと行けない」と言われました。

看護師に相談したときは、「普通は救急車を呼ぶところだけれども、

今は原発事故のことで、医療機関が麻痺しています。薬もありません。

もう家で静かにしていた方が本人のためじゃないでしょうか」と、

泣きながらアドバイスをくださいました。

 そこで、私は覚悟を決めて、部屋にいくつもストーブを置き、

親族を集めて、複数人で姑の体を摩り続けました。

そして、10時間後にやっと32度の体温に戻りましたが、

今度は、体温が上がって呼吸が浅くなりました。

その後、口から真っ黒い血を吐き続けて、

3月24日午前2時、息を引き取りました。

 天災があったのは事実です。

今回の原発事故さえなければ、姑はもっと長生きをして、

こんな混乱した状態ではなく、

来るべきときに静かに天国へ送ることができたはずです。

人間一人の人生の最期をこんな終わらせ方をした一員である

東京電力をはじめ原子力を推進してきた人たちを、私は許せません。

◇引き裂かれた家族

 そして、姑を見送った後、夫と離れて、

身寄りのない熊本県に避難してきました。

夫は我が家の経済を守るために、あえてその場に残ることを選びました。

主人の放射線による健康被害を心配した私に対し、

主人は「自分はここに残ってお金を稼ぎます。

もし放射線の影響で死んだら、

後はよろしくお願いします」と言って見送ってくれました。

◇東京電力および政府関係者に対する思い

 姑の死亡する原因も、今回の原発事故が一因になっていると確信しております。

そして、私は自然豊かで、空気のきれいな場所で、

平凡に静かに生きて死んでいきたかったのです。

そこで暮らすために、放射線は安全なのかだめなのかと

思い悩みながら暮らすことはできません。

いま原発事故以前にはなかった様々な健康被害が福島では出始めております。

これは立派な傷害だといえます。

法を犯した人たちは、法の下に裁かれ、

罪を償わなければならないのです。

それは法治国家日本のあるべき姿だと確信しております。

どうか被告訴人たちがおかした罪を正しくお調べいただき、

日本人としての正義を貫いていただきたく存じます。


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(引用終了)

 


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