「大地へ
実家を出て1人暮らしの生活にも慣れましたか。
突然このような手紙にびっくりしたことでしょう。
俺は携帯電話で話しをすると、うまく心で思っていることを
口にして伝えらないのと、メールよりも心がこもるものだと思うので
手紙にしました。大地が家を離れてから、色々なことを思うようになりました。
俺は不器用な生き方で、大地に大切なことを伝えられていないように思います。
伝えたいことが10あったとしたら、
どのくらい大地には伝わっただろうか。
仕事のこと、社会のこと、父親として、1人の大人として、
自分がどのくらい伝える努力をしてきたか、
反省しなければならない点もあるように思う。
誰もが思うことに、自分の思っていることがきちんと相手に伝わったなら、
どんなに良いか。でも人と人とのコミュニーケーションは難しい。
いつも一緒に過ごす家族、喜びや悲しみを分かち合う友達、
自分のことってどのくらい知ってもらっているんだろう。
母さんの詩織のことも俺は、まだまだわかってやれないなと思う。
でも大地、俺昨日のテレビで格差をなくすとかの議論してるのをみて例えば、
こう思うんだ。この社会で、自分の目に見えるもの、
言われた言葉しか信じない、
目や耳、手、鼻、舌といった5感だけで感じられるものが全てだとしたら、
社会はどんなものになっているだろう。
どんなに格差をなくすといっても社会に格差は存在する。
でも格差はそのままかといったら、そうじゃない。
全てにおいて平等って難しい、でも10ある内の、2や3はこうしていこう、
じゃあ残りの6,7はこうしよう、そんな風にみんな支えあって生きていく。
コミュニーケーションについても同じことが言えると思う。
きっとみんなが自分のこと説明できるのは、10のうち5あるかないかだと思う。
残りはどうやって伝えよう・・どうだろう、自分でもよくわからないな。
もしも心の中が覗けたら、もっと素直になれるかもしれない。
でもさ、大地、見えなくても気遣える優しさをもっていてほしいと思う。
もっと色んなこと大地とその時々に話せればよかったと思う。
でも今になってこそ、こうやって言える時がきたんだなとも、思う。
なんとなく、まとまりのない文章になってしまったが、
父さんの言いたいことは1つ。
人とのつながりを大切にする素晴らしい人生であってほしいと思う。
コミュニケーションは人と人とをつなぐ架け橋だ。
全部が言葉で伝わるとも思わない。誰もが思いを行動に移せるほど強くない。
でも相手を傷つけるかもしれない本音であっても、
時には言わなきゃ伝わらないこともある。
大地には言いたいときに自分の考えが言える強い子になってほしい。
体調管理には気をつけて。夏休みの帰省したときには、
ゆっくり話そうな。夏の暑さに負けるなよ
P,S 俺からのなぞなぞだ、帰ってきたときの宿題だ。
1本の木に12の枝、どの枝にも4つの巣、どの巣にも7つの卵ってなんだ? 」
6月の夏至から、約2ヶ月も過ぎた8月の夕暮れは、早いように感じる。
歩いている子供たちは、どの子も日に焼けて、夕日のお日様と同じだ。
セミの鳴く声が遠くから聞こえる。
まるで、子供たちに早くお家に帰るんだよ・・・と
夕食を作っている母の声を代弁しているかのように。
赤い夕日の光に照らされて、アスファルトの道路が不思議な色をしている。
久しぶりに見た家の周りには、たくさんのひまわりが成長して、
太陽の方向を見ているようだった。
そこに麦わら帽子をかぶりながら、水をやっている1人の男性を見つけた。
「ただいま、親父。」
大地の右手には1枚の封筒を手にしている。
はじめは先にこの手紙を送ろうと思った。
でも書いているうちに考えが変わった。
文にして書かないと、上手く伝えられないけど、
でも自分の口で伝えよう、そう決意したのだった。
「親父へ
急な手紙にビックリしました。
ホントはこうやって自分の想いを伝えることってすごく照れくさいけど、
でも俺も親父を見習って書いてみました。
はじめになぞなぞの答え、ズバリ正解は「年」でしょ。
月、週、日を壊れやすく、腐りやすい卵に例えているんだよね。
親父からの初めてのプレゼントを見ていて答えが浮かびました。
親父から俺に自分の考えが言える強い子になってほしいって言われたこと、
自分なりにも考えてみた。大人として、男として、人として、
強いってなんだろう。確かにここぞって言うときに自分の意見が言えたり、
弱いものを守れたら強いのかなって思う。
でもさ、相手の話をよく聞いて、勇気を与える、ってそれも強さだと思う。
誰かの力になりたいのに、何も出来ないとき、辛い。
何かしたいけど、どうにもならないとき、辛い。
でもさ、一緒に分かってくれる人がいるだけで、
話をただ聞いてもらうだけで、楽になれるよね。
親父、決まっていうじゃん。今日いいことあった?
俺や母さんのなんでもない話、今までたくさん聞いてくれたよね。
今になって思うけど、俺すっごい助けてもらったと思うよ。
親父さ、要領悪くて、不器用で、泥臭くて、
自分の考えも満足に言えなくて、弱い人間だって思うかもしれないけど、
全然そんなことないから。縁の下の力持ちだよ。
俺や家族のために必死で頑張ってきた背中を俺は見て育ったんだよ。
小さい頃に見ていた親父の背中。
今では俺も大きくなって比べると親父の背中が小さく感じるかもしれない。
でもさ、いつも俺の前で精一杯取り組む背中を、
ずっと遠くから見つめていた親父の背中を
俺は必死で追いかけてた。
もうダメだとか、諦めかけた時も、
頭の中で描いていた親父の見えない背中に追いつくために、やってきたんだ。
もう今では親父の背中に並べたかな。ここからはバトンタッチ。
今度は俺が親父に背中見せる番。
なんかで見たんだけど、頑張るってこうも書けるんだよね、顔晴る。
まだ全然何が素晴らしい人生かわかんないけど、
俺、自分の顔が晴れるように、
親父や母さんの顔が晴れるように、
支えてくれるみんなの顔が少しでも晴れるようにやっていくからさ。
応援よろしくおねがいします。
まだまだ未熟な息子より
P,S まだファミレスのドリンクバー行った事ないって言ってたよね。
今度行こうか。俺も酒が飲めるまであと1年だし、
親父もお酒強くないからさ。初めてもらったバイトの給料の1万円があります。
親父が内緒で投資してくれた時計の1万円のお返し。
今度は俺が2人にとびっきりおいしいお寿司ごちそうするからさ。 」
THE END
実家を出て1人暮らしの生活にも慣れましたか。
突然このような手紙にびっくりしたことでしょう。
俺は携帯電話で話しをすると、うまく心で思っていることを
口にして伝えらないのと、メールよりも心がこもるものだと思うので
手紙にしました。大地が家を離れてから、色々なことを思うようになりました。
俺は不器用な生き方で、大地に大切なことを伝えられていないように思います。
伝えたいことが10あったとしたら、
どのくらい大地には伝わっただろうか。
仕事のこと、社会のこと、父親として、1人の大人として、
自分がどのくらい伝える努力をしてきたか、
反省しなければならない点もあるように思う。
誰もが思うことに、自分の思っていることがきちんと相手に伝わったなら、
どんなに良いか。でも人と人とのコミュニーケーションは難しい。
いつも一緒に過ごす家族、喜びや悲しみを分かち合う友達、
自分のことってどのくらい知ってもらっているんだろう。
母さんの詩織のことも俺は、まだまだわかってやれないなと思う。
でも大地、俺昨日のテレビで格差をなくすとかの議論してるのをみて例えば、
こう思うんだ。この社会で、自分の目に見えるもの、
言われた言葉しか信じない、
目や耳、手、鼻、舌といった5感だけで感じられるものが全てだとしたら、
社会はどんなものになっているだろう。
どんなに格差をなくすといっても社会に格差は存在する。
でも格差はそのままかといったら、そうじゃない。
全てにおいて平等って難しい、でも10ある内の、2や3はこうしていこう、
じゃあ残りの6,7はこうしよう、そんな風にみんな支えあって生きていく。
コミュニーケーションについても同じことが言えると思う。
きっとみんなが自分のこと説明できるのは、10のうち5あるかないかだと思う。
残りはどうやって伝えよう・・どうだろう、自分でもよくわからないな。
もしも心の中が覗けたら、もっと素直になれるかもしれない。
でもさ、大地、見えなくても気遣える優しさをもっていてほしいと思う。
もっと色んなこと大地とその時々に話せればよかったと思う。
でも今になってこそ、こうやって言える時がきたんだなとも、思う。
なんとなく、まとまりのない文章になってしまったが、
父さんの言いたいことは1つ。
人とのつながりを大切にする素晴らしい人生であってほしいと思う。
コミュニケーションは人と人とをつなぐ架け橋だ。
全部が言葉で伝わるとも思わない。誰もが思いを行動に移せるほど強くない。
でも相手を傷つけるかもしれない本音であっても、
時には言わなきゃ伝わらないこともある。
大地には言いたいときに自分の考えが言える強い子になってほしい。
体調管理には気をつけて。夏休みの帰省したときには、
ゆっくり話そうな。夏の暑さに負けるなよ
P,S 俺からのなぞなぞだ、帰ってきたときの宿題だ。
1本の木に12の枝、どの枝にも4つの巣、どの巣にも7つの卵ってなんだ? 」
6月の夏至から、約2ヶ月も過ぎた8月の夕暮れは、早いように感じる。
歩いている子供たちは、どの子も日に焼けて、夕日のお日様と同じだ。
セミの鳴く声が遠くから聞こえる。
まるで、子供たちに早くお家に帰るんだよ・・・と
夕食を作っている母の声を代弁しているかのように。
赤い夕日の光に照らされて、アスファルトの道路が不思議な色をしている。
久しぶりに見た家の周りには、たくさんのひまわりが成長して、
太陽の方向を見ているようだった。
そこに麦わら帽子をかぶりながら、水をやっている1人の男性を見つけた。
「ただいま、親父。」
大地の右手には1枚の封筒を手にしている。
はじめは先にこの手紙を送ろうと思った。
でも書いているうちに考えが変わった。
文にして書かないと、上手く伝えられないけど、
でも自分の口で伝えよう、そう決意したのだった。
「親父へ
急な手紙にビックリしました。
ホントはこうやって自分の想いを伝えることってすごく照れくさいけど、
でも俺も親父を見習って書いてみました。
はじめになぞなぞの答え、ズバリ正解は「年」でしょ。
月、週、日を壊れやすく、腐りやすい卵に例えているんだよね。
親父からの初めてのプレゼントを見ていて答えが浮かびました。
親父から俺に自分の考えが言える強い子になってほしいって言われたこと、
自分なりにも考えてみた。大人として、男として、人として、
強いってなんだろう。確かにここぞって言うときに自分の意見が言えたり、
弱いものを守れたら強いのかなって思う。
でもさ、相手の話をよく聞いて、勇気を与える、ってそれも強さだと思う。
誰かの力になりたいのに、何も出来ないとき、辛い。
何かしたいけど、どうにもならないとき、辛い。
でもさ、一緒に分かってくれる人がいるだけで、
話をただ聞いてもらうだけで、楽になれるよね。
親父、決まっていうじゃん。今日いいことあった?
俺や母さんのなんでもない話、今までたくさん聞いてくれたよね。
今になって思うけど、俺すっごい助けてもらったと思うよ。
親父さ、要領悪くて、不器用で、泥臭くて、
自分の考えも満足に言えなくて、弱い人間だって思うかもしれないけど、
全然そんなことないから。縁の下の力持ちだよ。
俺や家族のために必死で頑張ってきた背中を俺は見て育ったんだよ。
小さい頃に見ていた親父の背中。
今では俺も大きくなって比べると親父の背中が小さく感じるかもしれない。
でもさ、いつも俺の前で精一杯取り組む背中を、
ずっと遠くから見つめていた親父の背中を
俺は必死で追いかけてた。
もうダメだとか、諦めかけた時も、
頭の中で描いていた親父の見えない背中に追いつくために、やってきたんだ。
もう今では親父の背中に並べたかな。ここからはバトンタッチ。
今度は俺が親父に背中見せる番。
なんかで見たんだけど、頑張るってこうも書けるんだよね、顔晴る。
まだ全然何が素晴らしい人生かわかんないけど、
俺、自分の顔が晴れるように、
親父や母さんの顔が晴れるように、
支えてくれるみんなの顔が少しでも晴れるようにやっていくからさ。
応援よろしくおねがいします。
まだまだ未熟な息子より
P,S まだファミレスのドリンクバー行った事ないって言ってたよね。
今度行こうか。俺も酒が飲めるまであと1年だし、
親父もお酒強くないからさ。初めてもらったバイトの給料の1万円があります。
親父が内緒で投資してくれた時計の1万円のお返し。
今度は俺が2人にとびっきりおいしいお寿司ごちそうするからさ。 」
THE END










