kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

減税vsロシアゲート

2017-12-05 07:09:34 | 日記
米国株が先週大幅高した一番の要因は待ちに待った減税法案が年内
に上下両院で通過する可能性が高まったことです。税率は20%で上院
も下院も足並みは揃ったようですが、尚も減税実施が2018年になるの
か2019年にずれ込んでしまうのか協議が残っているようです。減税の恩
恵を大きく受ける金融やエネルギー株が相場の主役となっています。

ハイテクグローバル企業は既に国際的に節税対策が進んでいて恩恵は
少ないようです。半導体需給の逼迫が緩和方向に向かうという観測が流
れハイテク企業の上場が多いナスダック市場が先週から冴えないのは
業面での不安と大幅減税の恩恵が少ないと言うダブルの材料が影響し
ているようです。

高値警戒感も強くなった米国株ですが強気筋は大幅減税をまだ完全に
織り込んでいる訳ではなく実際に2018年に決まれば一段高期待も高い
ようです。法人減税を背景に米企業の増配や自社株買いが活発になる
ことで、18年は個人消費が盛り上がるだろうと予想されています。

米経済の成長が加速すれば輸出の増加などを通じ日本経済にもプラス
の影響が出てきて日本企業の業績にも好影響を与えそうです。また海外
子会社からの配当課税が廃止されることで米企業が米国外にため込ん
だ2兆5000億ドル(約280兆円)も資金が米国に還流することになるため
外国為替市場では米ドルの上を促す要因になりドル高円安が進み日本
企業の収益増が見込めます。

もっとも目先的には減税を織り込む形で米国株が大きく上昇して指標面
から割高感があるのも事実です。中長期的にはまだまだ株価上昇の支
援材料になるとしてもクリスマス休暇前に材料出尽くしで投資家が利益
確定売りに走ると言う懸念はあるかも知れません。またフリン前大統領
補佐官が罪を認め司法取引に応じたことでロシア疑惑が新たな段階に
突入しました。

減税期待で大幅上昇した米国株ですが、これからクリスマス休暇で市場
参加者が減少します。取引も薄くなり予想外の悪材料が出た場合、短期
筋の動きで株価変動が大きくなることもあります。この数週間でいつ波乱
が起きても不思議ではありません。政局が要因で株価が本格調整したケ
ースは余りありませんが少なくとも売り方の口実には使われそうです。

東京市場でも相場のリード役だった任天堂などのゲーム関連や東エレク
や信越化学などの半導体関連それに安川電機のロボット関連、キーエン
スやダイフクといったFA関連銘柄が先週から調整色を強めています。今
後他の業種にまで広がるようだともう一度年内に下値を試す展開も予想
されます。堅調だった米国株に波乱が起これば日本株の一段安というシ
ナリオも考えておかなければなりません。
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