世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

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全くの嘘

2017-07-18 04:17:16 | 黄昏美術館


ヤチェク・イェルカ

原題「どうか乱暴にドアを閉めないで」


ポーランドの画家らしい。現代人の、嘘の上に建設した文明を揶揄しているかのようである。

ほとんど中身がないに等しい丘の上に立っているのが、巨大な都市ではなく、粗末な田舎家であるのが印象的だ。それも実に豊かな本物らしい家が描かれている。

嘘でもいいから、普通の生活が欲しいという、馬鹿の切ない願望が現れているのかもしれない。

長い人類の歴史を通して、馬鹿はさんざんに馬鹿をやりながら、あらゆる高い文明を食い荒らしてきたが、結局なりたかったのは、善良な普通の人間だったのだ。

親にも神にも、普通に愛される、普通のよい子だったのだ。

それを得るために、この時代、馬鹿はあらゆる暴虐をやった。他人から霊的財産を盗み、顔を盗み、人生を盗み、まったく違う自分になろうとした。本当の自分というものを、全く違うもので作ろうとしたのだ。

その結果がこれなのである。

頑丈に、本物とほぼ同じように作ったようでいて、それはドアを乱暴にしめるくらいのことで、全て崩れ去ってしまうのだ。





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