世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

ひともとの

2024-04-13 03:35:58 | 歌集・こてふらん

ひともとの花踏むこともなきてゆくことかたき世をひとりゆく君



君の目にすむかなしみをとふこともならずかへししむなしきゑまひ



月影をあみて心を忘れ去りうすびかりする珠となりたき



春あさきころにであひしその花にすくひの夢をかたりし君よ




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タンポポの種が

2024-04-12 03:52:49 | 月夜の考古学・第3館

太り過ぎた牛のような孤独の
かく脂汗を毎日のようになめ
いたずらに魂を傷めていました

世界は閉じた自分の中にだけあると
決め込んでいたことに
気づきもしませんでした

空は高かったことに気づいたのは
飛べるようになってからです

すべての答えは自分の中にある
というのは本当でした
しかしそれを理解するには
自分だけの力ではできませんでした

私達は愛を必要としていました
この世に一人でも憎むものがいることが
どんなに命を傷めるかを
学ばなければなりませんでした
そのためにこそ全ての過ちがありました
憎悪も 悲哀も 不幸も
戦争も

失ったものは再び得られるでしょう
死を恐れさえしなければ

タンポポの種が
地に落ちることを
恐れさえしなければ



(2003年)





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ノストラダムス

2024-04-11 04:11:31 | 冬の日差し・夏の月

昨日の、かのじょの詩は、下手だったでしょう。

天使も若い時は、失敗をしたり、下手なことをしたりします。そんなころの詩をあげると、かのじょが怒ったりするのではないかと思うのですが、あまりにかわいい詩だったので、あげてしまいました。

下手だけど、あれは真心から発した、真剣な祈りだったのです。

ノストラダムスの大予言は、かのじょが子供だった頃に流行っていましたから、あれを気にしているところがありました。

1999年の7の月に、人類は滅ぶと。

でもあの予言は見事に外れましたね。1999年は、ほとんど何も起こらず、平穏に通り過ぎ、2000年がやってきた。

かのじょの真剣な祈りが、神に届いたのかもしれません。

かのじょは人類は滅びないと、はっきりと言った。自分が救うつもりだったからです。天使が生きていれば、それができる。なぜなら天使は愛だけでそれをやるから。

愛こそが、人類を救う最後の切り札なのです。かのじょは人類を愛していた。そして信じていた。どんなに暴虐の闇に深く迷うていようとも、いつか必ず真実の愛に目覚め、すばらしい存在になっていくだろうと。

たった一つぶの、まことの愛が、人類を救ったのです。

ノストラダムスは、人類を悲観していたんでしょうね。あまりに馬鹿なことばかりやっている人類の姿ばかりを見てきたからでしょう。ある種の賢さをもって、人類を観察し、いずれ人類は大変なことになるだろうと、あの立派な予言詩を書いたのかもしれません。

ですがそれは、ひとりの女性の、拙い詩によって妨げられた。こんないい子がいるから、滅ぼさないでくれと、馬鹿になって真剣に祈ってくれる天使がいた。だから人類は滅びなかった。

そんなことを想像してしまいました。




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1999年の祈り

2024-04-10 12:03:58 | 月夜の考古学・第3館

ある日
学校からの帰り道
小学生のA子ちゃんは
クラスメイトのB君の体操服を拾いました
見るとB君は、少し先のところで
友達三人と一緒に、笑いながら歩いています
A子ちゃんは走っていって
B君に体操服を渡してあげました
B君は照れながら、体操服を受け取りました

神さま、今日
こんな優しい子を
見つけたんですよ

またある日
ある中学生の少年が
テレビのインタビューで
「プリンのお風呂に入りたい」なんて
言ってしまったものだから
テレビ局や大勢の町の人達が大騒ぎして
プリンのお風呂を作ってしまいました

少年は
プリンのお風呂に入ろうとしたけれど
迷ったあげくに引き返して
「入らない」と言いました
みんなが作ってくれたから
みんなで食べてほしいと
きっぱりと言いました

神さま、見てください
こんなにも
物事をちゃんと考える子が
いるんですよ

ほら、もったいないでしょう?
きっと、こんないい子が、地球には
たくさん、たくさん、いるんですよ?
だから、神さま

お願いです
地球を
滅ぼさないでください
失敗ばかりするけれど
みんな一生懸命なんとかしようと
生きています
どうか、神さま……

お願いです

お願いです

すりきれた額を
千回土に浸しても
お願いします

わたしたちを
子どもたちを
あきらめないでください



(1999年)





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地球照

2024-04-09 04:16:08 | 月夜の考古学・第3館

藍色の
海のように深い空に
月がぽっかりと浮かんでいる
世界という貝が
せつなく孕んだ
だいじな だいじな
真珠のような
お月さまの
真円に少し足りない陰が
うっすらと見えている
あれは地球のはね返す光が
月陰を照らしているのだ

神さま 神さま
わたしたちも
こんなちいさな わたしたちも
あなたを照らし返すことが
できるでしょうか
ほんの少しの風にも よろよろと細る
ともし火のような わたしたちでも

なんてんの 冬の赤い実のように
海の底に光る小さな珠
そのようにわたしはなりたい
神さまが
空からごらんになって
ほら あの光っている小さなのが
あのこなのだよと
言ってくださる
そんなことを想像して

目を閉じれば 今もかすかに
呼ぶ声が聞こえる それは昔
ほたほたと血がしたたるほど
噛みしめた苦い砂の日々
だけどその一粒を今
この胸の貝の奥深く
わたしはそっと安らげよう
そして 暖かい乳に浸して
少しずつ 光を重ねて
かわいいかわいい 小さな珠を孕むのだ

傷に耐え 時に耐え
いつかきっと わたしは生む
小さな光の はね返り
ほんとうに 小さな その明かり
どうか 愛でてください
どうか 神さま 愛でてください
よく
生きた と。



(1997年)






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花まつり

2024-04-08 14:35:30 | 冬の日差し・夏の月

今日はお釈迦様の誕生日だそうですね。

テレビを見ていると、各地のお寺で、お釈迦様に甘茶をかけて祝っている情景を見ます。

お釈迦様の誕生に関しては、いろんな神話がありますが、それはやはり、後世の人が考えた嘘ですよ。

お釈迦様は、よい魂を持ったお母さんから、普通に生まれてきました。そして生涯、人々の幸せのために尽くしました。

今に伝わるお釈迦様の生涯については、嘘がたくさん盛り込まれています。お釈迦様を人知を超えたえらい人にするために、たくさんの人がいろんな話を作ったのです。

本当のお釈迦様は、ただただ美しく、みなのためによいことをしてくれる、本当に良い人でした。ひとりの自分として、愛に生きることが幸せなのだと、当時のことばでみんなに教えたのです。

だけど、人々は美しいお釈迦様に夢中になりすぎて、あんな人になりたいと、自分を捨てるような馬鹿な真似をしはじめたのです。そしてそれをお釈迦様の教えだと言って、後世に伝えてしまったのです。

ゆえに今に伝わる仏教には、根本的な間違いがあるというのが、わたしたちの意見です。

でも、お釈迦様の誕生日くらいには、そんなことは忘れて、心からお祝いをしたいものですね。野暮なことをいうのはやめて、美しい人がこの世に生まれてきてくださったことを、喜びましょう。




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コニャックダイヤモンド

2024-04-07 17:14:19 | 花と天使・第2巻

コニャックダイヤモンドは、ブラウンダイヤモンドの中で、深く落ち着いた色合いをしたものをいいます。

ダイヤモンドなんだから、ブリリアントカットなんかにしたら、それはきれいなんですが。

とても描けないので、無理やりカボションです。





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黒い花

2024-04-06 05:40:02 | 詩集・こどもたちへ

からっぽの腕に
盗んできた黄金を
たっぷりしみこませ
脇に生えてきた
黒い花園の中から
一番きれいな花を摘んだ

そうすれば
世界で一番
幸せな男に
なれると思った

黄金の蔵に埋もれ
黒い花の蜜を吸いながら
埋まることのない心の穴を
しきりにまさぐっている
馬鹿な俺がいる

ああ
本当の幸せは
本当の自分の心で
愛する誰かの幸せのために
真面目に働くことなのだと

遠いあこがれのため息を
深々とつきながら
俺は黒い花と一緒に
馬鹿な幸せを選んだのだ




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アクアマリン

2024-04-02 03:33:47 | 花と天使・第2巻

薄青い水の色をしたベリル。

和名は藍玉です。

透き通ったきれいな石ですから、ブリリアントカットとかエメラルドカットなんかにするときれいなんですけど。

難しくてとても描けないから、カボションにしました。

バックが青いから石が目立たなくなったのが、気になりますね。




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エイプリルフール

2024-04-01 04:16:09 | 冬の日差し・夏の月

四月馬鹿とか万愚節とかいい、今日は嘘をついてもいい日だそうですね。

でもわたしたちは嘘は苦手です。

心と全く違うこと、真実ではないことを、言葉にするのは、とても苦しい。

唇は真実の泉であってほしい。

冗談をまったく言えない世界というのも苦しいですから、そこは暖かく見ていますが、愛から離れた冗談は笑えませんね。

人の心を無視して、単に人を馬鹿にするためだけに発せられた嘘や冗談は、とてもいやなものです。

冗談にも、人間の品位というものがいる。

愛でみなを楽しませたいと思う心から発せられた、楽しい冗談ならいいでしょう。

さて、今日は何かおもしろいことを言う人はいるかな。






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