書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

檀上寛 「明代朝貢体制下の冊封の意味 日本国王源道義と琉球国中山王察度の場合」

2013年11月19日 | 東洋史
 『史窓』68、2011年2月、163-186頁。

 「朝貢国」と「冊封国」が概念・実体双方において別個の存在であることを事実に徴して示すことにより、結果的に、西嶋定生氏の中華帝国冊封体制論の全否定と、坂野正高氏による一元的体制としての冊封関係不存在説への支持となっている。まあ、同じ著者(西嶋氏)の「中国古代帝国の一考察 漢の高祖とその功臣」(『歴史研究』141、1949年)同様、初めて出た時から多くの研究者は「あれはダメだ」と、口には出さね思っていたと思うが。