書籍之海 漂流記

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山本進 『明清時代の商人と国家』

2017年02月12日 | 東洋史
 西嶋定生・藤井宏・寺田隆信・重田徳諸氏らによる「商品生産の早熟的展開と本源的蓄積の遅れを整合的に説明する」ことを目的とする「(大塚理論を下敷きにした)前期的商人」、「国家への寄生」的存在、「小生産者に対する収奪者」といった認識・描写から、それと密接に関連していた「地主制論」の「後退」にともない、「被収奪者としての役割が強調されるようにな」ったのが、この分野の研究史の概観である由。(「序論」)
 ひとつ思うが、その「地主制論」が1949年の西嶋論文のあとなぜ1970年代に至るまで「擡頭」し、1980年代に入って「後退」したのか、またその議論が史実史料に徴して、そして学問的・科学的に見て、真偽いずれであったのかという問題にも、考究の価値はあるのではないか。

(研文出版 2002年11月)
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