書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

E. A. ナイダ著 成瀬武史訳 『翻訳学序説』

2017年05月11日 | 人文科学
 ルターは新旧の聖書翻訳において、”じゅうぶん理解されること”を根本原則に、いくつかの諸原則を明らかにしているが、そのなかに、「ドイツ語にうまく対応する語がないギリシア語やヘブライ語」は「削除」するというものがあった(「第2章 西洋における翻訳の伝統」同書21頁)。彼が現実の自身の翻訳においてこの原則をどこまで忠実に実践したのかは私には明らかでないが、これですむなら翻訳者は誰も苦労はしないとは、極東の同業の後進のして思うところではある。

(開文社 1972年3月)
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