書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

鈴木康之/坪井賢一著 『浦安図書館を支える人びと 図書館のアイデンティティを求めて』 

2005年04月26日 | その他
 東京圏に住んでいる頃、浦安図書館(浦安市立図書館)へは何度か行ったことがある。きれいで大きく、蔵書も多いという評判で、実際の印象もそうだった。もっとも市民ではなかったから、書架の蔵書を閲覧するだけで借りたことはないのだが。
 浦安図書館は中央館1館と分館6館から成る(私が行ったのはたしか中央館)。この本によれば、2002年度の数字で中央館・分館合わせて蔵書冊数96万9,807冊だそうである。同じく2002年度の総貸出冊数は171万513冊、1人当たりの貸出冊数は全国平均4.18冊、浦安市のある千葉県平均5.49冊に対して浦安市の平均は12.79冊、また100人当たり貸出冊数は、浦安市とほぼ同レベルの全国自治体(人口10~15万)のなかで浦安市は第1位(1,279冊)、ちなみに過去20年間連続第1位とのことである。市民1人当たり蔵書冊数は6.98冊(全国平均2.35冊、千葉県平均2.42冊)。すごい。
 しかしすごいと言っても要は他市の図書館であって、京都に住んでいる私が千葉の浦安にある図書館を使用できるはずもない。何故こんな本を読んでいるのか。
 浦安に限らず、図書館で働く職員の方々が日常どのような仕事をしておられるのかを知りたくなったからである。
 あまりに古すぎる本や普通の人が読みそうにない本(つまり所蔵されていない本)ばかりリクエストする私の無理無体な要求に応えてくださり、さまざまなレファレンス資料を調べて正体を突き止め、他分館や他市他県の図書館果ては国会図書館から書籍を取り寄せてくださる、京都市北図書館の職員の皆さんへの感謝の念とともにこの本を借りた。
 皆さんがいらっしゃらなければ私の仕事は成り立ちません。いつも本当にありがとうございます。

(日本図書館協会 2004年12月)

▲JR福知山線の脱線事故の死者は73名になった(午後7時のNHKニュースによる)。いまだに車輌内に閉じ込められている人々がいる由。原因はまだ明らかではない。いくらスピードを出し過ぎていたといっても時速100キロでは起こる事故ではないらしい。ニュースに出ていた専門家は、置き石の可能性も含めて複数の要因によるものだろうとコメントしていた。
 周囲の住民や会社員の人々が現場に駆けつけて被災者の救出や負傷者の介護に当たったと『京都新聞』で読んだ。頭が下がる。