よく聞くCD。アイコ。持ち歩くのも大概アイコだ。かわいいちっちゃな女の子が書く詩には愛に包まれた幸福感とともに寂寥感をもった世界が書かれている。
幸福の側には必ず寂しさがある。逆に言えば寂しさの側には必ず幸福があるということだ。ともすると人はそのことを忘れてしまう。愛されている人愛する人という相思相愛状態にあるときは孤独感や不幸が未来に待ち構えているとは微塵も思うことができない。また人は絶望と孤独にさいなまれているとき自己の未来に幸福があるなどど思うことはできない。
幸福と寂しさは1セット。どちらがかけても存在することができないもの。そしてそれらは交互にやってくるとは限らない。
楽しいことうれしいことが連続して起こることもあろうし、悲しくて生きていられないと思われることが連続して起こり続けることもある。さらにそれらが同時に存在していることもあるのだ。
幸福でありさびしくある人、寂しくて仕方ないけれども幸福な人。
そんな人を一人の女の子の目から見るとアイコの歌詞のようになるのだろう。表にはみえない心の機微を詩にする小さなアーティスト。
JOHNY