卍の城物語

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原田郁子ソロツアー2008「気配と余韻を楽しむツアー弾き語り!」

2008-06-09 22:24:47 | ロックライブ
原田郁子とは・・・、福岡県博多出身。ピアノポップトリオ・クラムボンのピアノ・ボーカル担当。
2004年にソロデビュー。スーパーバタードッグの長積タカシとポラリスのオオヤユウスケの三人でユニット「オハナ」でも活躍中。高校の同級生には田渕ひさ子がいる。妹は写真家。
好きなアーティストはセロニアス・モンク、矢野顕子など。
常に前髪が揃っている。そして今年ソロセカンドアルバム発表。それに伴う全国ツアー行脚中。

そんな原田郁子がなんと弘前に来た!って言っても、正直あんまり知らない・・・。
クラムボンは興味があったけどベストしか聴いた事ない程度。
ソロのセカンド出したので、ラジオで特集してたのを聴いていた。
そのあるラジオ番組「アイワナロック」は弘前のミニFMアップルウェーブの火曜21時から放送のDJ斎藤・JK・浩氏担当のロックを中心にかける音楽番組。自分がアップルウェーブで唯一聴いている番組。
よく弘前や青森にライブに来るアーティストを特集したりするのだが、原田郁子がスペースデネガに来るとのことで特集していた。デネガに来る事はライブの2週間前に知ったので、少し興味があったけど、どうせチケット売り切れたと思って諦めてた。だがラジオで、チケットまだ余裕ありとの情報。そして肝心の曲を聴いたところ、かなり良かった。
スケジュール確認したら、仕事終わりに行ける時間帯!もうこれは行くしかない!だが今月は非常に金欠であった。迷った挙句、ライブをとった!おかげで今月千円ちょっとで暮らさなければならないはめになったが、ライブを優先した自分は偉い!
急いでチケットを購入。そしてソロファーストアルバムをレンタルしてヘビーローテーションで聴きまくる。

ちなみにライブは8日。セカンドアルバムは4日発売。買う余裕もなく、まだレンタル解禁してないので予習出来ず。でもラジオで何曲かかけたのをもう一回聴いておく。

そしてライブ当日。仕事を終え、髪切っていこうかと思ったら店が結構混んでて、ギリギリ間に合わないと判断して髪切る前に店を出て急いでデネガへ。

スタジオに入る前にトイレに行くとラジオでこのライブに導いてくれたJK氏に遭遇。誰かと話していた。「ありがとうJK!」と思いつつ、やっぱり井筒監督にそっくりだとも思った。

会場に入ってびっくり。狭いスタジオの真ん中にグランドピアノ。それを囲むようにイスが円形に何列か設置。多分100席ほどあったが、9割り近く埋まっていたので、空いているところを探す。ある一角が結構空いていたので、しかもピアノから近い二列目でラッキーと思って座った。そしてよく考えてみると、この席はピアノの鍵盤側。ということは、原田郁子の背中側になるのである。しまった!と思って他に空いている席を確認すると、かなり後ろの方が空いている。でもこの席はかなりピアノから近い。歌っている顔は見えないけど、弾いている手とか見えるから、まあ、いいやと思って動かず。
客層は7割りが女の人。ほとんど20・30代。オシャレな人も多かった。結構場違いな感じはあったがそんなの関係なし!そして暫くすると本日の主役登場。

原田郁子チャンはひょこりと顔を出し、ゆっくりと現われた。
だぼっとした白のワンピースにムラサキのタイツを履き、お馴染みのボブショートで前髪が揃っていた。会場は拍手でお出迎え。
個人的に「郁子ー!!」とか「可愛いー!!」とかのライブハウスノリで迎えたかったが、誰一人そんな奴はおらず、静かに迎える。そして静かに弾き語り。

アルバムツアーなので、新作の「ケモノと魔法」中心の曲であった。もちろん一人でピアノ弾き語り。淡々と歌いあげるのだが、彼女の声には説得力があった。そしてとても包容力が感じられた。

ビートルズの「IWill」や松任谷由実の「優しさに包まれたら」などカバー曲もあった。
クラムボンのデビューシングル「はなればなれ」も披露。ファーストから「鳥の羽鳥の影」「トゥインクル」そして「たのしそう、かなしそう」は観客のクラップで会場かなり盛り上がり。
この曲はシングルカットしてるがかなりの名曲。原田郁子の代名詞的曲。感動した。

セカンドから「こだま」「あいのこども」「ケモノと魔法」「やわらくてきもちいい風」など披露。ほとんど初めて聴いたのでしっくりこなかったのが残念。でもいい曲に違いない。

ライブ後半は郁子チャンもノッてきて、結構はっちゃけていた。とても無邪気でお茶目だった。歌ってない時はこどもみたいだった。

途中会場が熱くなりすぎて「熱いので微風下さい」との郁子チャンだったが、ここ風調ない筈だよなと心配してたら、まさかの窓全開。そんなのアリかと思ってたら意外に良かった。
ほとんど野外会場と化した。突風でスコアは飛ぶわ、虫は入るわ、外でガキがギャーギャーわめくわで、ちょっと心配しながら聴いてたが、アクシデントも全て包み込んで一つのライブを作り上げるエンターテイナーな側面も素晴らしかった。
観客が固かったので、ほぐす技術が見事でとても楽しかった。

アンコールは「かじき釣り」津軽弁バージョン。
2年前にも弘前に来たらしく、そこで会場会場の方言で一体化できるかじき釣り方言バージョンが2年前の弘前で発祥したとのこと。みんなで大合唱。大間のマグロが釣れた。最後は
「もうすぐ夜があける」でフィナーレ。実際夜が更けてきたのだが、新作のクロージングナンバーで閉めた。
「今度はバンドで来ます」と告げてお別れ。

そんなわけでとても良かった。原田郁子ももちろん初めてだし、アンプラグドの弾き語りライブも初めてなもんで、ちょっと戸惑ったけど、緊張をほぐしてくれながら、歌声と共に優しさがしみじみ伝わってきた。ずっとおどけてて可愛かった。
観客にチョップしたり(何故!?)、触れ合ったりとあまりに身近過ぎた。一気にファンになってしまった。クラムボンとは違う、原田郁子の歌ヂカラを堪能出来たと思う。
傷口に塗り薬をつけるように、少し痛いようで、治癒されるのがわかる染み入る効果が原田郁子のボーカルにはあると思う。

こんな田舎に来てくれて感謝。次はクラムボンとして観たい。その時は「可愛いー!!」と叫ぶ。